24154views

世界一高価な香料アイリス ~ディオール ボア・ダルジャン~

世界一高価な香料アイリス ~ディオール ボア・ダルジャン~

世界で最も高価と言われる香料、それはアイリス(イリス、オリス)。地中海産のニオイアヤメの根茎から抽出されるというその香りは、なぜそれほどまでに高価なのか?ここのところ気かつくと、アイリスがクレジットされている香水ばかり使っていることに気付く。そしてそれらは概して値段が高い。やはり天然のアイリスを使っているせいなのだろうか?
アイリスの香料は、花や実、葉などから抽出する他の香料と違い、根茎から採取する香りだ。その根茎は、アイリスを植えて3年たつと、土の中で丸々とした大きさに育つ。この根茎を採取し、低温で貯蔵することさらに3年。そうすることで根茎の中に熟成が生じて、アイリスのパウダリー&スミレのような深い香りが生み出されるのだという。さらに、何段階もの抽出を経て、大量の根茎からわずかに採集できるのがアイリスの精油だ。

つまり、採油までに6~7年の歳月がかかること、何百kgもの根茎から、ごくごくわずかな量の精油しか採れないこと、それゆえに世界で最も高価な香料というわけだ。

ヴァニラの熟成にしろ、アイリスの熟成にしろ、おそらく長らく放置されていた物が香りを生み出したという、歴史の偶然によって生まれた芳香なのだろう。そんな高価なアイリスの精油を使った香水は多い。ただ現代では、アイリスの香りの主成分であるイロンが合成イロンに置き換えられるようになり、それを用いたものが多いようだ。天然のアイリスを使用するのは、本当に高価な一部の香水になってしまったという。

そんな稀少な天然のアイリスを使用したのが、ディオールのボア・ダルジャンだ。その穏やかな香りだち、美しいパウダリーな変化は、専門家に言わせると決して合成イロンでは出せない香りだという。男女を問わず、心をときめかせる香りだ。


2010年より展開されているディオールのパフューム最高の特別ライン「ラ・コレクシオン・プリヴェ」。それは、クチュリエにしてパフューマリーであったムッシュー・ディオールのこれまでの歴史や、ブランド創設期より受け継がれるエスプリを香りで象徴したものだ。12種類のオー・デ・パルファンは、いずれもディオールハウスと関係が深い名前を持ち、値段は各3万1,500円(125ml)。高価でノーブルな原料を使い、パッケージングとボトルは全種共通だ。

ボア・ダルジャンは、その中に選ばれた1本。これまで体験したことのなかった、美しいパウダリー・アイリス。それは、長い時間をかけてじっくりと熟成された香りを凝縮した贅沢なオー・デ・パルファン。限りなく7点にしたい6点。分かっちゃいるけど、庶民には高価です(泣)。

気持ち的にはこんな感じ。「毎日500円のワインを飲んで満足していた庶民が、ある日年代物の何十万円もするワインを飲ませてもらったら、その味が忘れられなくなり、あまつさえ、毎日満足していたはずの500円のワインさえボディの細さが気になり、もう味気なく感じちゃって、あーもう、どうしたらいいの?」←やばいなそれ

誰もがそんな気持ちになるわけではないと思うのでご安心ください(笑)。それでも、香水が好きな方なら、試香にいくときもどうぞご注意を。そのへんの適当な香水には戻れなくなるかもしれない恐ろしいシリーズです。「ラ・コレクシオン・プリヴェ」の12本はいずれも。

2014年10月に表参道ヒルズ1階にオープンした日本初のディオール パフューム & ビューティーブティック、 新宿伊勢丹、ディオール心斎橋など、限定店舗で購入可能。

あーもう、どうしたらいいの?
君と出会わなかったらこんな気持ちになることもなかったのに
←恋かよ、濃いね

@コスメ「ボア・ダルジャン」クチコミ
香水ドラマストーリー 「ボア・ダルジャン」






このブログに関連付けられたワード

このブログを通報する

コメント(8件)

  • 初めまして(*´ω`*)
    ディオール のブルーミングブーケの香水にいいねをした者です。
    鼻の難病になり2年くらいほとんど匂いがない生活をしています。
    初めてのブルーミングブーケを購入しよう思っていて、口コミを見ていました(*´ω`*)
    店頭に行っても分からないので、
    活字から想像してすごく楽しみになりました。
    購入したら脇腹とデコルテをつけさせて頂きます(*´∀`)♪
    本当にふとした瞬間匂うことができるので
    楽しみにしたいと思います。

    ~素敵なお方の素敵な投稿でした~
    *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

    お邪魔致しました(*´ω`*)

    0/500

    • 更新する

    2022/10/13 12:06

    0/500

    • 返信する

    お返事が遅くなってすみませんでした。

    匂いを感じ取れない生活。その大変さは察するにあまりあるほどです。どうか日進月歩の医療と科学で、1日も早く改善されますことを切に願います。

    ブルーミングブーケは、とてもキュートで可愛らしい香りだと思います。ピンクの花の軽やかな香りがローズやジャスミン、フルーツで作られています。ふとした瞬間に「あ!」と自分の中から香る美しい香りと出会えたら素敵な気分になると思います。

    ご丁寧にコメントをくださり、ありがとうございました。

    0/500

    • 更新する

    2022/10/22 04:15
  • (続き)このシリーズで次に買う香りはこちらと決めているほどです。
    女性、男性を問わず纏える、アイリス特有のパウダリーとは一線を画したとても素敵な香りですよね!
    アイリスの香料高価だとは知っていましたが、それほど高価とは!金と取引されたというバラが一番高価なのかと思っていました。

    0/500

    • 更新する

    2015/8/1 22:24

    0/500

    • 返信する

    (続)泥沼のように大変な騒ぎとなっております(笑)。グリ・モンテーニュも、柔らかで美しい木の香りで、「こんなすごいの、クチコミできない!」と泣くほどです。←誰も頼んでないから(^_^;) まだ宮部さんしか書かれてないので、AtIiさんの感想もぜひ後で教えてください。最近ディオール、きてますね。

    0/500

    • 更新する

    2015/8/2 05:25
  • こんばんは。先日コメいただいて以来、溺愛なさっている香りはどれなのだろうと・・・もしや・・・?と思い巡らしていましたが、やはりそうだったのですね!
    新宿伊勢丹の初回のイベントでグリ・モンテーニュを購入しましたが、その際最後まで迷っていた香りがこちらで、先日表参道店でも再度試香し、

    0/500

    • 更新する

    2015/8/1 22:23

    0/500

    • 返信する

    AtIiさん。いつもありがとうございます。@コスメのクチコミではディオールのプリヴェ関連が少なく、自分もにわかクチコミストなものですから、そのラインまで足を突っ込んで大丈夫かと抜き足差し足でしたが、突っ込んでしまいました(T T)そして、映画「スタンド・バイ・ミー」で少年たちがハマッた (続)

    0/500

    • 更新する

    2015/8/2 05:14

  • Hi ! ゼクスなラインのボトルってどうしてこうもシンプルでどデカいんですかね?笑 天然のアイリスの香料ってお高いですよねー。拝読させて頂いて改めて思いました。まるで香水版ロマネコンティみたいだわって(笑)500円ワインの話お気持ちすごく分かります。私もボアダルジャンをクンクンしてみたいです!

    0/500

    • 更新する

    2015/8/1 00:36

    0/500

    • 返信する

    枯れつつある自分より、世界を股にかけるEmirinさんのような方にこそ、←どういう方だよ このラインはお似合いだと思います。ほんとにラパウザやアイリス・シルバー・ミストなんかも体験していない自分ですが、アイリスという香料と、それをひきたてる調香の美しさに感服した次第です。ぜひ味わってみてください!

    0/500

    • 更新する

    2015/8/1 08:51
  • い冷涼で穏やかなパウダリーの香りに実はやられてしまい・・・先日、購入致しました。
    真夏でも本物なら、パウダリーが邪魔にならないんだと気付かされた香りでした。同じコメントが2度もUpされてしまったり3回も長々とコメント申し訳ありませんm(_ _)m 秋冬になりましたら是非、他のプリヴェお試し下さい。

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 15:07

    0/500

    • 返信する

    そちらのオリジナルも試したいし、ウード・イスパハンも絶対好みだと思うし、泣けてきます。本気で、「ディオール・プリヴェ12種各10mlセット」を出していただきたい。関係者および関係者に知り合いのいる方、是非お願いします。それなら、2万円でも即買います。それまでは、宮部さんのクチコミを見て我慢します。

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 18:04
  • (続)ウードイスパハンはドギー様も気に入る香りになるのではないかと思っています。ミリーラフォレは在庫終了次第、販売が終わり今年6月頃から新しいプリヴェの仲間にフェヴデリシィオーズ(美味しい豆)←トンカビーンが主体の香りが加わりました。グランバルも気になりつつ、このボアダルジャンの真夏にもビクともしな

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 15:01

    0/500

    • 返信する

    アイリスに関しては、フランソワ・ドゥマシーがかなりメンズで多用していて、ディオール・オムのアイリス&カカオのテイストも好きだったのですが、今回のリファインは本当に柔らかく美しいパウダリー・アイリスを見せつけられたようで、本当に感服しました。オリジナルは、アニック・メナルド調香だと聞いています つづく

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 17:58
  • こんにちは。ご無沙汰しています。確実にコレクションプリヴェはゼクスより好きな香り多いです。ドギー様も多分、絶対そうだと思います^^;
    昨年、頂き物やら自分買いやらでニュールック1947、ミリーラフォレ、ウードイスパハン、アンバーニュイ、グリモンテーニュの5つを持っていますがアンバーニュイor

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 14:54

    0/500

    • 返信する

    宮部さん、いつもありがとうございます。すでにグリ・モンテーニュの香りが好きすぎて泣いています(T T)。実は、フランソワ・ドゥマシー調香はどれもバッチリ好みで、ディオール・オム系をはじめかなり集まってしまっています。香水に1万円以上かけるなんてありえないと思っていた頃に戻りたいです←ムリ つづく

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 17:54
  • なんだか分かるような。出会わなければ出会わなかったで苦しむこともなかった香り。アイリスならシャネルのラパウザもそうですがやっぱりいいものはいいんですよね。ディオールのプリヴェはどれもまだ未体験ですが出会ってしまったら
    怖いかも。いろんな意味で(爆)

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 12:06

    0/500

    • 返信する

    RyanRyanさん、シャネルのレ・ゼクスクルジフはかなり経験していますが、自分もプリヴェはまだ少ししか体験していません。ただ、ゼクスより好みが合う物が多い気がして頭を抱えています。アイリスと言えば、ラパウザと聞いていましたが、そちらはまだです。出会いたいんですが、こわい。ハマりそうで。←ハマるね

    0/500

    • 更新する

    2015/7/31 13:32
  • もっとみる

フレグランス カテゴリの最新ブログ

フレグランスのブログをもっとみる

投稿ブログランキング

投稿ブログランキングをみる

編集部イチオシ!

HOTタグ

ブランドファンクラブ限定プレゼント

【毎月 1・9・17・24日 開催!】

(応募受付:6/17~6/23)

プレゼントをもっとみる