何故かと云えば、家に折よく用意してあったこともあるのだけれど、立ち寄った本屋で矢鱈に「グレープフルーツ」の記述を散見したのだ。
「ウォツカをグレープ・フルーツで割ったのはなんだったかしら?」「ソルティー・ドッグ」
その後も出てくる。グレープフルーツ。氷の浮かんだ、お酒みたいなグレープフルーツ・ジュース。*1*2
妙に印象的で、帰宅してのみたくなる。
(買って帰ったけれども、それ、後半はグレープ・ジュースでした。ええい紛らわしい。けど、もう断然グレープフルーツでイメージが固定されてしまった)
何故家にグレープフルーツジュースがあるのかと云えば、其れはやっぱりお酒の為だ。(いつもは稀にピンクグレープフルーツジュースが冷蔵庫に入っている位なので「ふつうのグレープフルーツジュース」を探すのに多少難儀しました。ところで、これでカクテルを作ってみたくなったのだけど、今回はピンクじゃあ目的にいけないので、さて置く)
今年の夏は夏らしいことをまるでしなかった。そこで、せめて夏らしいお酒をつくろう。モヒート。そして、ピニャ・コラーダ。そうだ、お酒の壜を買って、家でもつくってのんでしまおう。安上がりだし、毎日浴びるようにピニャ・コラーダがのめる。*3
「これから毎日ピニャ・コラーダを飲むといいよ。そうしたら夏が終わる頃には、君は誰よりもピニャ・コラーダに詳しくなれる」こういう魅力的な一文が村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』にはある。
ピニャ・コラーダはおいしい。それにつくるのも、案外簡単だ。
マリブとかのココナッツリキュールと、ココナッツミルク。これはご家庭にはそうそうないだろうから、牛乳で構わない。そして、パイナップルジュース。これを1:1:1で混ぜるだけ。(正確にはシェイカーで振ったり、真っ赤なチェリーやパイン等の果物を飾ったりするけれど、ご家庭にはないので省略、または各々のセンスで工夫されてもよい)

脚付きのものは、やはり雰囲気が出る。こればかりは、クリスタルグラスでも、例えば、同じバカラのクリスタルグラスでも、選択次第で大いに空気を壊してしまう。*4そう、バカラでも、それがロンググラスでなくロックグラスならば、これはいけない。ふつうのコップくらいの大きさのバカラしかないのなら、ここは思い切ってワイングラスに入れちゃう方に軍杯が上がる。



ちなみに冒頭辺りの文章は『羊をめぐる冒険』からで、つまりパラパラ捲ったものの、買う本を間違えたのだ。
ううん、ソルティ・ドッグ。そういえば、KIRINが『ツー・ドッグス』という缶のカクテルを思い出した。洒落たデザインの缶で、こういう製品の中では味も悪くなく(件のソルティ・ドッグもあった)決ってこれを買っていた。夏なんか、外で友人と戯れあって、缶カクテルなんかを選ぶ時、よく飲んだ。これでないのを買ってしまうと、今でも「間違えた」と、いう気分になる。
*1:後に誤りだと判るのではあるが、すっかりこのイメージにうっとりしてしまった。お酒みたいなグレープフルーツジュース!
*2:リモンチェッロみたいなイメージである。じゃあリモンチェッロでいいじゃないか、と言ってはいけない。透明な氷が少しずつグレープフルーツ・ジュースに混じっていくのは、ぶどう酒とワインの違いほどに重要だ
*3:これから毎日ピニャを飲もうぜ?
*4:そんなものでピニャ・コラーダをのむのか?綺麗ならいいのか
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