
こんにちは! PMSマニア編集部の管理栄養士 石川です。
最近よく、イソフラボンという言葉をテレビや雑誌で耳にしませんか?そこで今回は、イソフラボンについてお話します。
■イソフラボンとは
イソフラボンというのは、大豆に含まれているポリフェノールの一種です。イソフラボンは大豆一粒にわずか0.2~0.3%ほどしかない貴重な成分です。更年期障害や骨粗鬆症予防、妊娠しやすい体づくりなど女性の健康づくりに有効な成分として知られています。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦味、渋み、あくなどの成分で、健康づくりや美容のために、とても大切な成分と言われています。
■大豆は万能食品
大豆製品には、豆腐や味噌、納豆をはじめ、きなこ、おから、湯葉などがあります。大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほど良質のたんぱく質が豊富で、人の体に必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。その他にも、脂質・食物繊維・カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・ビタミンE・ビタミンB1などさまざまな栄養素を含むことから、大豆は自然のバランス栄養食として昔から重宝されてきました。
しかし現在の日本人は、欧米スタイルの食生活に変わってきており、これまで慣れ親しんできた味噌、豆腐、納豆などの大豆製品が食卓に並ぶことが少なくなり、残念ながらイソフラボンの摂取量は減ってきています。
■イソフラボンの種類
イソフラボンには、2つの種類があります。一つは、分子の大きい「グリコシド型イソフラボン」。もう一方が、分子が小さく体への吸収力が優れている「アグリコン型イソフラボン」。実はイソフラボンは、分子が大きいままでは体内に吸収されません。腸内細菌の働きによって糖が分解されることで、アグリコン型になって初めて体内に吸収されます。ただし、腸内細菌の働きには個人差があるため、人によって吸収できる量にバラつきが生じてしまいます。
(1)グリコシド型イソフラボン
・体内に吸収されるのは、2割程で、吸収されにくいです。あとの8割は吸収されず体外へ出てしまいます。
・摂取してから6~8時間で吸収のピークを迎えます。
(2)アグリコン型イソフラボン
・すでに糖が外れているため、腸内細菌の働きに関係なく胃や腸ですみやかに吸収されます。
・吸収率は、グリコシド型イソフラボンの約3倍です。
・吸収のスピードも約2時間でピークを迎えます。
イソフラボンを摂取する場合は、アグリコン型のイソフラボンの状態で配合されているかどうかが選ぶポイントです。
■アグリコン型イソフラボンは何に含まれている?
アグリコン型イソフラボンの方が吸収率も良く、素早く吸収されることがわかりましたね。では、アグリコン型は何に含まれているのでしょうか。
豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品ですが、これらに含まれるイソフラボンはほとんどがグリコシド型です。アグリコン型がより多く含まれているのは、発酵させた醤油や味噌だけです。みそ汁は、イソフラボンを摂るのに最適ですね。効率的にイソフラボンを摂取するのであれば、アグリコン型イソフラボンを含むサプリメントが有効です。
■イソフラボンのエストロゲンに似た働き
イソフラボンには、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)作用があると言われています。その理由は、アグリコン型イソフラボンが、女性ホルモンのエストロゲンと分子構造がとてもよく似ているからです。そのため、アグリコン型イソフラボンを摂取すると、体内でエストロゲンと似たような働きをし、ホルモンバランスの乱れによる様々な症状を緩和してくれます。PMS(月経前症候群)に効果があると言われているのは、このためです。
■イソフラボンが働く時
イソフラボンが活性する力は、エストロゲンの1000分の1から10000分の1と非常に穏やかです。またイソフラボンは、エストロゲンの分泌が急減し体内にほとんどない場合に、エストロゲン様作用を発揮します。しかし、エストロゲンが十分に分泌されている時は、イソフラボンの作用が非常に穏やかなことから、エストロゲンの働きを助けることはありません。
■イソフラボンの1日の摂取目安
食品安全委員会は、イソフラボン量を「1日の総摂取量を70~75㎎、そのうち特定保健用食品(トクホ)からは30mgの範囲におさまることが 望ましい」としています。この上限値について、「なお、大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 mg/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく。」という考え方を示しています。つまり、イソフラボンの1日に摂取して良い最高の量は70~75㎎とし、健康食品を摂る場合は30㎎に抑えるようにすること、これが毎日欠かさず長期間にわたる場合を除けば健康被害が起きることはないと言うことです。
○食品のイソフラボン量 *メーカーにより異なります
納豆1パック50g(イソフラボン量65mg) 豆乳125ml(イソフラボン量69mg)
豆腐半丁(イソフラボン量55mg)
油揚げ半分(イソフラボン量52mg)
きな粉100g(イソフラボン量約260mg)
みなさん、大豆製品を摂って楽しい毎日を過ごしましょう(#^^#)
参考資料
「イソフラボンとは エストロゲン様作用」 イソフラボン倶楽部
http://www.isoflavone.jp/about/%e3%82%a4%e3%82%bd%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%9c%e3%83%b3%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%a9%e3%82%93%e3%81%aa%e3%82%82%e3%81%ae%ef%bc%9f/
「摂取量の目安」イソフラボンなび
http://www.isoflavone-nav.com/basic_knowledge/amount.html
「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/#a2
「きな粉でイソフラボンを摂取」美容にも健康にも欠かせない栄養素
http://www.te-a.jp/kinako.html
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