買い換えろ、と夫は言う。
だってまだ壊れたの2つだし。
彼曰く、
壊れたのが1つなら他の原因も考えられるが、全体の2割を越えたらそれはもう劣化だ。
つまり残りが壊れるのも時間の問題。買換えが賢明だ。
( 一一)…えーっと。
技術職の言葉に妙に納得してしまう。
要するにガタが来たと。
だけどなんだか、そう言っちゃ身もフタもないし。
それでも頑張ってる残りのピンチの立場は?
それをバッサリ「もう劣化、時間の問題」って。
私の年齢になると、鏡を見るのが怖くなるほど肌は変わるけれど、それを止めることに躍起になるより、ありのままの自分を受け入れることの方が多くなる。
あのね。若い人には想像もできないだろうけど、50代と言うのは想像以上に老化スピードが速い。ジェットコースターが3~40代なら50過ぎるともうリニア並みだ。
40代でもこうやって歳を取るんだなと思っていたけど、そんなもん今から思えは大したことなかった。
あの頃はまだジタバタできたのに、今は「人生諦めることも大切だわ」と自分に言って聞かせるしかないことが増えていく。
マスクをしたら紐のあとがいつまでも残ったり、レンズをすると近くが見えなくなったり、生え際の白髪が気になったり。
なんてことは序の口。
アイロンで外ハネにしてみたら寝癖がひどいねと言われたり、探していたスマホが冷蔵庫から出て来たり。
気を抜いてぼーっとしていると鏡の中に知らないお婆さんが驚いた顔していたりするわけだ。
それでも、残りの8割でごまかそうと思っている私には、酷な。
決して美魔女になりたいわけじゃない。
若く見られたいとも思わない。
ただ年相応に上手に年齢と向き合いたい。
一日の終わりにすっぴんで鏡を見たとき、自分でいい表情してるな、と思えたらそれでいい。
そんな時。
ジムで私よりずっと若い人に聞かれた。
「基礎化粧品、何を使ってるんですか」
どういう意味かはわからない。
だけど、聞かずにポジティブに受け取ろう。

52歳の今の私の肌は、このボトルで、そして笑顔で、残りの8割を維持しているんだ。
人見知りのヨギーニ
BCJIJIさん
会社員 OL
すなほ♪さん