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「おう。神田の生まれよ」
神田の生まれではありませんが、ちょっとは江戸っ子の血が入っている私です。
梅雨に入って雨傘をさしたり、また、逆に晴れの日は日傘をさしたりする機会が多くなりました。
先日、細い歩道を日傘をさして歩いていた時のことです。
前方より年のころは70歳くらいのご婦人が同じく日傘をさして歩いてきました。
道が細いのでどちらかが道をあけなければならず、私は日傘をちょっと横にかしげてながら体も斜めに避けて待っておりました。
そうしたら、ご婦人も同じように傘をかしげて道を譲ろうとして下さりまして、同じような仕草をしたことが、ちょっとおかしく思え、ふたり顔を見合わせて笑ってしまったのです。
私としては自分より年上の方に(年下でもそうしますが)道を譲るのは当たり前だと思ってしたことで、そうするように母からも言われておりました。
これは”傘かしげ”という江戸しぐさのひとつです。
江戸しぐさとは、社会生活をする上で、お互いが気持ちよく暮らせる一種の知恵というかマナーのようなもの。
道をあけるなど、人に対しての心づかい態度で現すものです。
本来、”傘かしげ”とは、雨の日に人とすれ違う時、お互いが傘から滴る雨のしずくに濡れないために傘をちょっとかしげて通り過ぎるものです。
昔の江戸っ子はこういう粋な心配りで人との付き合いを大事に生活を営んできたのですね。
江戸の粋はこの江戸しぐさに代表されるものではないでしょうか。
これは、現代を生きる私たちにも通用するものです。
特に”傘かしげ”などは女性には一番関係のある江戸しぐさ。
先日お会いしたこの”傘かしげ”のご婦人のしぐさは粋で美しく見えました。
傘をかしげて「お先にどうぞ」と言わんばかりにニコっと微笑まれた美しいお顔立ちがとても印象に残っています。
こういった江戸しぐさは絶やさずにずっと残していきたいものです。
さあ、大和撫子のみなさん、これからご紹介する江戸しぐさを少しづつでも実践していきませんか?
みんなで粋な美人を目指しましょう!
江戸しぐさ
・傘かしげ
雨の日、傘をさした人同士がすれ違う時、たがいに傘を外側へ少しかた向ける動作です
雨のしずくを相手にかけないこと、傘がぶつかるのを防ぐ心づかいです。
・こぶし浮かせ
電車の中で人が乗って来たら、すぐにこぶし分腰を浮かせて横につめれば、人ひとりが腰かけられる空間が出来ます。
詰め下さいませんかといわれる前に、みんながこぶし一つ分に腰を浮かせれは座れるスペースが出来るのです。
・肩引き
人ごみですれ違うとき、お互いに肩を引いて体を斜めにして通り過ぎること。
お互いにに相手を思いやる心の現れです。
・七三の道
道のど真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は他の人のためにあけておくこと。
堂々と道の真ん中を歩いていると野暮な人って思われますよ。
・はいはいの修行
「はい」と返事をして、まず人の話を聞きなさいということ。
昔の人は、人の意見を最初に聞いてから、そのあとで自分の意見を述べ、相手に伺いをたてるようにしていました。
自分が自分がとういう我を通さず公平に意見を聞くように心がけていたのですね。
・束の間のつき合い
喫茶店などで相席になる場合があります。
そんな時、後から座る人が、「すみません、ご一緒させていただきます」の一言をかけると、相手も「どうぞどうぞ」と返してくれるはず。
袖振り合うも多生の縁とやら、ほんのちょっとの「束の間のおつきあい」も気持ちの良いものになります。
・有難うしぐさ
「ありがとうございます」「ありがとうございました」この違いは何でしょう?
「ございました」は過去形で、せっかくの人様とのご縁を無きものとして断ち切ってしまうのです。
ですから江戸の人はいかなる時も、また良いおつきあいをという心で「ありがとうございます」と言っていたそうです。
・目の前の人は仏様
この世で出会う人は全て神仏の化身と考え、相手によって差別をつけず尊重して丁寧に対応しました。
相手によって言葉を変えたり、威張るのは最低です。
井の中の蛙(かわず)/井中っぺいといわれました。
・尊異論
家族・友人・おなじみだけで小さく固まったり、赤の他人には排他的な考えは良くありません。
異なる意見にこそ耳を傾けるべきです。たとえ相手が年若だったり役職が下でも、そういうことに差別を付けないで、良いものは良いの考えで異なる意見を大切にしましょう。
・お心肥(おしんこやし)
派手にお化粧をしてブランド物で身を飾っても、頭は空っぽ、自分のことしか考えない心貧しい人が増えています。
常に五感を磨いて心を豊かにし、周りに対して暖かいまなざしが向けられるように成長するよう努力しましょう。
・陽にとらえる(ようにとらえる)
何事もプラス発想で「明元素(メイゲンソ)」(明るく元気で素直で素敵)に物を受けとめることです。
そうすれば心がイキイキとして来ます。
笑う門には福来る。笑顔なきところには福の神も寄りつきませんよ。
特に”お心肥し”は気を付けたいものですね。
上っ面だけの心貧しい人間にならないよう、心の美しさも磨かねば。

