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【2019年ナンバーワンフレグランスを発表!】美容ジャーナリストYUKIRINが選ぶ、ベストフレグランス大賞

【2019年ナンバーワンフレグランスを発表!】美容ジャーナリストYUKIRINが選ぶ、ベストフレグランス大賞

美容ジャーナリストのYUKIRINです。
今回は、私が選んだ2019年の『ベストフレグランス大賞』をお送りいたします。

【総評】
今年は、昨年からの流れもあり、よりニッチフレグランスブランドやメゾンフレグランスブランドにフォーカスがあたり、高価格帯のフレグランスにもチャレンジする方が増えました。香りイベントでも前年比より売上が上がり、若い世代も香りへの興味が高まっていることで、「香り」は幅広い世代に注目されるジャンルとなっています。ブランドがどんどん増えていく中で、いかに香りとマッチしたストーリー性の高い表現が、ビジュアル・テキスト・SNSなどを通しユーザーへ的確にアプローチできるかで、さらに差がついていくであろうと思います。世界観の打ち出し方、重要です。

また「他人と違う香りを纏いたい」という欲求も高まった今年は、複数購入を期待してレイヤードの提案をするブランドが増えました。これまでレイヤードとは無縁だったブランドもあったりして驚いたのも事実です。「レイヤード=香りを混ぜ合わせて纏う」という認識になってしまっている傾向で、混ぜ合わせて良いレイヤードと、身体の部位を変えて纏うレイヤードの差別化が難しい状況となってしまいました。レイヤード前提で作られた香りと、1本で完成しているアートとして捉えるべき香り、そこを見極めレイヤードできるようなアプローチをブランド側も訴求すべきであります。とはいえ、「香りを纏う」ということはそもそも「贅沢な娯楽」。娯楽は楽しくなくては意味がありません。ルールはあるようで無い。ユーザーが楽しくときめく香りと出会い、オリジナルの楽しみ方をすることは自由です。来年以降はより自由性を重視した香り、またそれをアピールできるブランドが増えていくように思います。


ベストフレグランス大賞の選定基準は以下の通りです。

①自身の好みとは関係なく、純粋に香りとして素晴らしいかどうか
②コンセプトや香りの名前、ボトルなどの要素が、香りそのものとマッチしていて、かつ魅力的であるか
③ブランドとしてのアプローチに新しさや発展性を感じるかどうか

私がその香りを所持しているしていないは関係なく、
今年試香したフレグランス全てを対象としています。
誰にも何にも縛られず、忖度をすることもなく、自由に取り組み決定しております。

それでは、以下にて発表いたします!

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【ベストフレグランス ゴールド賞】

Officine Universelle BULY / オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリー
『オー・トリプル "ミロのヴィーナス"』

調香師:ジャン=クリストフ・エロー
(75mL ¥23,100+税)
ルーブル美術館とのコラボレーションフレグランス。"ミロのヴィーナスがもし街を歩いていたら、どんな香りがするんだろう"という発想のユニークさから興味を惹かれたが、香りそのものの秀逸さに驚いた。愛の女神に相応しい、ジャスミンやネロリ、マグノリアなどのフローラルブーケの始まりに、聖なる木パロサントの白さが大理石の冷たい質感と均整の取れた姿勢を感じさせ、次第にアンバーが漂い始めると感情を伺い知ることのできない表情を感じ、全体的に巧みに表現されている。センセーショナルでとびきり上質、どことなくユーモアも感じる。何度も纏いたくなる香り。

Buly Japan K.K.
tel.0120-09-1803
https://www.buly1803.com/jp/


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【ベストフレグランス賞 シルバー賞】

Frederic Malle / フレデリック マル
『オー ドゥ マグノリア』

調香師:カルロス・ベナイム
(30~100mL ¥6,600+税 ~¥33,000+税)
マグノリアの花の柑橘のような爽やかさをベルガモット、グレープフルーツ、レモンのシトラスノートのTOPで表現しており、アプリコットが繊細に香るミドルへつながり、やがてベチバー、パチュリ、オークモスのウッディノートが深い安らぎの森へと導かれてゆく。この香りは、一見とてもシンプルに感じるため、もしかするとニッチフレグランス好きな方はもっと複雑な香りを求めて後回しにしてしまうかもしれない。しかし、このタイムレスな魅力は素晴らしく、ぜひ購入してゆっくり試してみて欲しい。個人的には、特に熱風とのコーディネートがおすすめ。熱風、つまり暑い季節、または暑い国。私は台湾、セブ島とこの香りを連れていき、風が吹く度にこの美しい香りが心地よく香る瞬間を楽しみました。熱風と合うということは、強い寒さとも合うはず。冬の朝にも纏ってみたいですね。

フレデリック マル お客様相談室
Tel: 0570-003-7700
https://www.fredericmalle.com/jp


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【ベストフレグランス賞 ブロンズ賞】

CIRO / シロ
『COLUMBINE / コロンビーナ』

調香師:Alexandra Carlin
(100mL ¥25,000+税)

16世紀から18世紀にかけてイタリアで盛んだった即興喜劇「コメディア・デラルテ」中の作品に登場するキャラクターであり、秘密のヒロインをモチーフに作られた香り。フェミニンでコケティッシュな魅力をふりまきながらも、その一方で、何事にも動じず、き然として自信に満ち溢れている彼女の愛らしさと強さを表現しており、現代女性のタフネスも感じられるフレグランスとなっている。トップは、シトラスとピンクペッパーのコントラストではじまり、パウダリックなアイリスと、オスマンサスの花を際立てるバニラ、スエード、ムスクのグラデーションへ。ネロリに、タバコバーボン、ベチバー、そしてベンゾインの、甘い蜜とバルサミックなトーンがやわらかな素顔をのぞかせる。古典の中のヒロインでありながら、現代にも通ずる女性像は、常に私たちが憧れる存在なのかもしれない。

株式会社ブルジョン
https://ciroparfums.jp/


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【メンズフレグランス賞】

GUERLAIN / ゲラン
『ロム イディアル クール』

調香師:ティエリー・ワッサー
(50mL ¥8,500+税)

理想の男性像をフレグランスで表現したロム イディアルのシリーズ。『ロム イディアル クール』は、どんな時でもクールに構えいつも笑顔を絶やさない。そんなユーモアと魅力に溢れた “理想のチャーミングな男性”を表現している香り。この香りは、スペアミントとシトラスノートのトップが非常に心地よく驚きも感じた。ミントを起用すると、どうしてもアロマに寄りすぎていたり、ミントが強く出過ぎてしまっていたりすることもあるが、絶妙な調香によりミントのクールさと同時に温かさも感じられるから不思議だ。アーモンド、パチュリ、ベチバーなどの落ち着きと甘さが肌なじみも良い。また50mLで1万円を切る価格帯も評価に値する。若い世代の男性が気軽に購入できたり、女性もギフトに選びやすい。香水業界の王道ブランドならではの豊富な展開である。

ゲランお客様窓口
Tel. 0120-140-677
https://www.guerlain.com/


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【ファッショナブル賞】

GUCCI / グッチ
『グッチ ブルーム アクア ディ フィオーリ オードトワレ』

(100mL ¥16,000+税)
調香師:アルベルト・モリヤス

濃厚なフレッシュグリーンが効いたフローラルノートが、あくまでさりげなく、とてもオシャレ。グリーンガルバナムと繊細なカシスのつぼみが、オリジナルの「グッチブルーム」の香りと融合したことで、活き活きとした躍動感も感じ、お気に入りのファッションアイテムを身につけて出かけたい気分に。ボトルとトワルドジュイ風のラベルデザインも美しく、ドレッサーに置いていても素敵。

ブルーベル・ジャパン株式会社 香水・化粧品事業本部
Tel: 0120 005 130 (受付時間 10:00 16:00
http://latelierdesparfums.jp


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【ルームフレグランス賞】

diiptyque / ディプティック
『NARGUILE / ナルギレ』

(190g ¥7,900+税)
シーシャ(水タバコ)をイメージした香りで、温かな煙草のアロマがスパイシーに甘く漂う。蜂蜜やドライフルーツと、蝋が溶けていく匂いが、エキゾチックでどこかヴェールのかかった謎めいた時間を感じさせる。その場の空気感を一瞬で異空間へトリップさせる力をもったキャンドルであり、香りで世界観を伝えるディプティックの技法には脱帽である。

diptyque japan
Tel.03-6450-5735
https://www.diptyqueparis.com/


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【ブランドコンセプト賞】

HERMETIACA / エルメティカ
2018年にフランスで誕生したばかりの、アルコールフリーフレグランス。通常のアルコールが入ったフレグランスを塗布したらこすらない方が良いが、アルコールに変わる特許技術inoscent(TM)という香りのカプセルで作られているため、塗布して肌をこすり合わせたほうが弾けて香りたちが良くなる。
美しいグリーンボトルは、リサイクルガラスと砂から作られており、地球環境にも配慮したブランドでありながら、「いかにもエコに配慮」という雰囲気を見せず、あくまでフレグランスブランドとしての気高さも兼ね備えているところが、未来の理想的なフレグランスブランドであると感じずにはいられない。香りの1つ『ソース1』は、エルメティカ全てのフレグランスのベースで、単品でもベース使いにもできる。レイヤードする楽しさと、個々の香りの秀逸さ、どちらも兼ね備えている。個人的には購入した『バニナイト』という香りが好み。

インターモード川辺 フレグランス本部
TEL: 0120-000-599
http://www.kawabe.co.jp/fragrance.html


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【フレグランスストーリー賞】


NARS / ナーズ
『オーデイシャスフレグランス オードパルファム』

調香師:オリヴィア・ジャコベッティ
(¥19,000+税)
フランソワ・ナーズ氏は、この香りを作るにあたりオリヴィア・ジャコベッティにこう伝えた。「分かり易い香水は求めていない。ミステリーを求めているんだ。夜に咲く花のような…。」これだけ世界的に支持されるブランドでありながら、そのフレグランスに分かり易さを求めないという物語に私はグッときた。光と闇、センシャリティと個性といった抽象的なコントラストを表現し、ミニマルでモダン、奇抜で個性的な雰囲気を醸し出す、まさに”オーデイシャス=大胆”を体現しているフレグランスとして生まれた『オーディシャスフレグランス オードパルファム』。ティアレの花とスモーキーなインセンスは、暗い霧に覆われている花をイメージしており、ティアレの白の雰囲気をあたたかなウッドとインセンスが繊細に包み込み、霧に包まれたフローラルはよりパーソナルな内面と秘密、心の奥底に眠る感情などを感じさせてくれる。まるで物語が描かれていくように、言葉選びが香りとなっている作品だ。

NARS JAPAN
Tel.0120-356-686
www.narscosmetics.jp


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今年も沢山の素晴らしい香りと出会うことができました。
来年の出会いも、今からとても楽しみです。
皆様のベストフレグランスも、よかったらコメントで教えてくださいね^^

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コメント(2件)

  • 今年もそんな季節になったのですね
    オフィシーヌの香りはあまりゆっくり試せてないのですがかなり斬新な感じだし
    あとはフレデリック・マルも
    気になる香りが一杯です
    あと意外だったのはグッチの香り
    グッチもファッションブランドの香水に
    ありがちなところがなくて素敵ですよね

    そして今年は私の中では特にプライベートでは
    軽くてでも優しさのある香りに傾きつつあり
    今愛用してるのは仕事では変わらずディファレントカンパニーのセルドベティベルですが
    プライベートではアゴニストのブルーノース
    とシャネルのBoy

    特にブルーノースはいまの季節きれいに薫るので
    使用頻度が高いです
    来年もブログ楽しみにしています
    どうか善きお年をお迎えください

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    2019/12/28 20:29

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    BULY、既存の香りにも良いものありますし、ルーブルコラボは期間限定ですので。ぜひ近いうちにお立ちよりくださいませ^^
    アゴニストのブルーノース、紺碧の極北ですね!この季節とても合いますねー♪素敵なセレクトです☆彡
    こちらこそ、今年も見ていただきありがとうございました。
    来年もどうぞよろしくお願いいたします^^

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    2019/12/29 18:16
  • YUKIRIN様の今年のベストフレグランスとても興味深く拝読させていただきました。職場の環境故香りを纏えずそれでも香りが大好きなので少しコメントさせてください。
    オフィシーヌ ユニヴェルセル ビュリーは気になりつつもまだ試せていないブランドです。ミロのヴィーナスがもし街を歩いていたら・・・という発想に個性を感じます。シロも同じく試せていません。コロンビーナの香調はとても気になったので試してみたいと思います。グッチのブルーム アクア ディ フィオーリは発売時大々的にイベントをやっていてグリーンとフローラルノートのバランスが良くとても素敵な香りだと思いました。エルメティカは伊勢丹サロン・ド・パルファムで初めて試しましたが、香り立ちが綺麗でロングラスティングであること、アルコールフリー、エコなところが素晴らしいですよね。NARSは女性はもちろんですが、男性がつけていたらグッとくる香りです。

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    2019/12/26 22:31

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    今年もご覧にいただき、ありがとうございます!^^ 香りがお好きなことは、いつもいただいているコメントで十分感じております(笑) BULYのルーブル美術館コラボ、非常に面白いのでぜひお試しいただけたらと思います。特にミロのヴィーナスは、香り自体の良さもありますし、コンセプトやテーマもウィットに富んでおり、またどこか彫刻のひんやり感を感じるところができるのが非常に世界観を現わしており感動しました。近年は香水もどんどんジェンダーフリーとなっていますので、メンズ・レディースに分けて考えることもナンセンスではありますが、男性もどんどんいろんな香りにチャレンジしてほしいなと思います!

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    2019/12/29 18:09

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