唇玉虫色問題
昔から唇の血色が悪かった。
高校生の頃トイレで鏡を見ると唇が紫色だったので
「ヤバイ!唇藤木みたいになってるわ!」
と自虐して1発ウケを狙ったところ友達が
「え、そういう口紅つけてるのかと思った!」
と全く悪びれもせず自虐を飛び越すホディーブローを打ち込んできた。
え、ビジュアル系バンドでもあるまいし、こんな玉虫色みたいな口紅ぬってる女子高生いる?!いや、いないだろう。いないけど、もしかしたらそうなのかなと友達に思わせてしまった私の罪深き唇。
私の唇はそれほど血色が悪いのだなと危機感を感じ、それ以降唇にはより一層気をつかうようになった。
少しでも理想の色に近づきたくて、化粧ポーチの中は同じような色の口紅で溢れた。
サーモンピンクに憧れていたが、元の血色が悪いのでどうしても理想の色にはならなかった。
最近オペラのリップティントには大変お世話になっている。
はじめて塗って、時間がたってから鏡を見たときの感動....
「私、藤木じゃない!!!」
これが高校生の頃にあったなら、もっと薔薇色の高校生活になったのかもしれない。
でも欲を言えば、理想はサーモンピンクなのだ。薄く儚く美しいサーモンピンク。
また数十年たてば色々な技術やらなんやら発達して、唇の色も自由自在になる化粧品が出たりするのだろうか。
そしたら私はおばあさんだ。
サーモンピンクの唇をしたおばあさん。
上等だ。
それまで化粧ポーチには同じような色の口紅が溢れ続けるのだろう。
懲りもなく。
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