【ナノコスメを知る 2020年版】と題しまして
化粧品業界におけるリポソーム技術の最新裏話に
触れようと思います。
この話題については
ずいぶんと以前からシリーズで取り上げていて
業界の裏話を特集してきています。
■美里的、リポソーム史
現在、ブログリニューアルにあたって
過去記事の整理に取り掛かり中ですが
(探しにくくて迷惑をお掛けしております・・・)
リポソームの話題の過去記事はこちらです。
<<ナノコスメの秘話シリーズ>>
【ナノコスメを知る 秘話11】
https://plaza.rakuten.co.jp/cosmeticweb/diary/201204180000/
【ナノコスメを知る 秘話12】
https://plaza.rakuten.co.jp/cosmeticweb/diary/201204230000/
【ナノコスメを知る 秘話13】
https://plaza.rakuten.co.jp/cosmeticweb/diary/201204270000/
【ナノコスメを知る 秘話14】
https://plaza.rakuten.co.jp/cosmeticweb/diary/201205080000/
【ナノコスメを知る 秘話15】
https://plaza.rakuten.co.jp/cosmeticweb/diary/201205180000/
あらためて振り返るともう8年も前に書いた記事で
業界的にはこの後も
どんどんこの技術のコスメが広がりをみせています。
思い返せば、たまたま自分はこの技術を
コーセーさんが開発(モイスチュアリポソ-ム)されていた当初から
競争のように取り組んでいましたので
思い出深い技術でもあります。
この技術の良さはよく分かっていましたが
まさか、美容業界でここまで広まるとは
思いもよりませんでした。
・・・と、思い出に浸っている場合ではないですね…。
今回は最新事情『2020』として
上の記事から8年を経過した現在の
その裏事情についてまとめてみようと思います。
■コーセーさん以外のリポソーム技術への取り組み
もう皆さんはよくご存じのように
コーセーさんがこの技術の
オーソリティであることは有名です。
では、コーセーさんレベルでこの技術を全面的に活用した
他のブランドがないのか?といえば
実はなかったわけではありません。
さすがにどちらのブランドかここでは書けませんが
一般医薬品系のZ社や
宝石工場分野で著名なM社といった
そこそこ大きなメーカーさんが開発を手掛け
商品展開をしていました。
ただこの頃は、リポソームという言葉自体が
コーセーさんしか使えなかった(*注)ことで
この技術を全面に押し出していなかっために
ほとんど市場では認知されずにきています。
*注)「リポソーム」という言葉は医療用語で、化粧品のPRには使えません
技術に生真面目で、本当にリポソームの特性がよく分かる
いいコスメでした(過去形)
■中小ブランドはいかに?
では、それ以降にナノコスメブームが勃発し
「通販コスメなどでもよく見るけど?」
という声が聞かれます。
ここが今回の話題の焦点になります。
なぜなら、ユーザーの皆さんにとって
もっとも身近だからですよね。
ということになると
工場的には自社工場ではなく
OEM工場の技術事情ということになります。
さて、OEM工場のリポソーム技術はどうなのでしょう?
ここを見極めるポイントが
この先で見えてきます。
で、このOEM工場のリポソーム技術にも
2パターンがあることを覚えておいて下さい。
①自社で開発したリポソーム
②原料メーカー供給のリポソーム完成素材を添加
以上の2パターンですが
これまでの記事に書いてきたように
①は非常にレベルが高く
そう簡単には達成できない
コーセーさん並みの開発力を有する工場さんに限られます。
一方の②のケースは
どこの工場でも入手は容易ですし
いまどきは手作りコスメの材料として
ユーザーさんでも手に入れることが可能になっています。
ただしこの場合は完成品での入手になるため
カプセルの中に内包されている成分は
どこも同じということになります。
よく見かけるところでは以下の成分でしょうか。
・ビタミンC誘導体、およびビタミンA・Eの混合成分
・EGFなどのグロスファクター系混合成分
・コエンザイムQ10
・アスタキサンチン
これらは、既存の化粧水や美容液に
添加するだけでPRできますので
いわばどこの化粧品会社でも
達成できちゃうというわけです。
まぁ、配合量は極微量添加からがっつりまで
工場さんの考え方で様々でしょうから
ここには触れずにおこうと思いますし
お茶を濁しておきましょうか。
■安易にやっちまうと、実はトホホな事実
ただここでひとつだけ
ユーザーの皆さんに見極める術を伝授するとすれば
『リポソームは安定性が悪い』
という点です。
そして、不安定になって品質が劣化すると
『誰でも分かる』という点です。
つまり、商品のうたい文句にされているほどに
配合量がきちんと達成されていれば
ものの数か月から1年以内には
目でみて分かるほどに白く濁ったり
底に沈殿物や浮遊物ができてしまうということです。
(ここは後ほど、例を示して詳細に触れます)
もしもいつまでたっても透明だったり
なんの変化も起きないキレイな化粧水である場合は
よっぽど素晴らしい製品か
はたまた、「ほんの一滴しか配合されていない」か
いずれかと考えればよいでしょう。
そんなリスキーな技術であるのが
このリポソーム技術というわけですね。
というわけで
いわゆるポン付けとでもいいますか
いわば「名ばかりナノコスメ」の裏側を
ご紹介しました。
次回は、ホンモノ?と言えるコスメの技術について
見極めるポイントも含めて具体的な話題に入ります。
では、また。
by.美里 康人
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【コスメあら!?カルト??】
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