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日本再上陸!ラグジュアリーメゾンフレグランスブランド『CREED / クリード』が8月30日より正式カムバック

日本再上陸!ラグジュアリーメゾンフレグランスブランド『CREED / クリード』が8月30日より正式カムバック

美容・香水ジャーナリストのYUKIRINです。

最高級の原料を使用し、独創的な香りを生み出す、歴史ある真のラグジュアリーメゾンブランドである『CREED / クリード』

数年前まで日本でも展開されていたので愛用者も多くいたブランドであるが、先日、現代表を務めるサラ・ロザラム氏が来日し、2023年の8月に日本に再上陸することが発表された。サラ氏は、以前はミラー ハリスを手掛けていたが、現在はクリードの代表を務め、クリード家直系の子孫であるオリヴィエ・クリード氏、そしてその息子のアーウィン氏と共にブランドを盛り上げている。

ブランドの始まりは、1760年。テーラーとしてロンドンで開業し、イギリス国王ジョージ3世に香りのついた革手袋を届けたと伝承されている。1700年代の皮革製品作りは、心地よいと言えるものではなかった。皮を柔らかくしなめすため、革製品になる時点でもそのニオイをマスキングする必要があった。そこで用いられたのが「香料」である。かくして「香りつき皮手袋」という存在が誕生した。若き国王の即位と同じ年にジェームズ・クリードが創設したハウス・オブ・クリードは、260年以上香りを生み出している。ジョージ3世の孫娘であるヴィクトリア女王は、クリードを王室御用達ブランドに任命。テーラー技術と、オーダーメイドで作られた稀少性の高い特別なフレグランスで、長く王室に愛されることになる。香水の数は200種類を超え、クリード家7世代にわたって受け継がれ、独自のクリエイティブ精神を創作に反映し続けている。

現在は、ジェームズ・ヘンリー・クリードの直系の子孫であり、パフュームクリエーターを務めるオリヴィエ・クリード氏、そして息子のアーウィン氏が最高品質の原料を調達し、研究のために世界各地をまわっている。ブルガリアやトルコ、モロッコのローズ、イタリアのジャスミン、フィレンツェのイリス、インドのチュベローズ、ハイチのベチバー、ブルボン島(現レユニオン島)のバニラ、カラブリアのベルガモット、パルマのバイオレット‥‥フレグランス好きなら聞いたことがある名産地に育つ植物原料を、その年に収穫された最高品質のものを仕入れている。それらをパリ郊外にあるクリードのラボ、フォンテーヌブローの工場で用い、伝統的なテクニックですべてのフレグランスを製造しているそうだ。クリード独自のミレジム(収穫年)ごとのプロセスという考え方が、その年に収穫された原料へのこだわりにつながっている。

パリのクリードの店舗には、昔からの手書きのオーダー表が今でも保管されており、ゲラン家もクリードのファションの顧客だったという。NYで、ヨーロッパブランドがファッションショーを行ったのはクリードが初めてで、ブランドロゴをファッションに用いたのも異例なことだった。ファッションブランドとしての歴史と功績、そしてフレグランスメゾンとしての存在、どちらもクリードの歴史を振り返る上で欠かせないポイントと言えるだろう。

さて、クリードのフレグランスと言えば、最もアイコニックなのは『アバントゥス オーデパルファム』(50mL ¥37,400 / 100mL ¥53,570)。
2010年に誕生し、イギリスのメンズフレグランス売上No.1を記録するほど人気は根強く、ベストセラーだ。ドラマチックな人生を送った歴史上の皇帝をインスピレーションとし、力強さやパワー、成功を表現しており、追い風に乗り成功に向かってどんな時も全力疾走する男性をイメージしていることから、ビジネスのラッキーチャームのような香りとしても支持されている。レモンやピンクペッパー、ベルガモットのヘッドノートの後、メインにはパイナップル、ジャスミン、インドネシア産パチョリがフレッシュなフローラルノートとなり現れる。成功や追い風というと、疾走感溢れるシャープな香りを想像するが、フルーティで甘い要素が大人の余裕のように感じられるのがユニーク。また、アバントゥスの成功からベンチマークとしたであろう他社の香りも後続で発売されたこともあるそうだが、ベースノートに含まれるバーチ(白樺)の香りは真似できないのだと言う。このバーチは、クリード家専用として農家と契約しているバーチで、他社は手に入れることができない。

『アバントゥス オーデパルファム』はメンズフレグランスの位置づけとなるが、『アバントゥス フォー ハー オーデパルファム』(30mL ¥31,790 / 75mL ¥48,290)も存在する。現代の女性にはパワーとエネルギーが必要という考えから、歴史上最もパワフルな女性にインスパイアされた香りだ。ヘッドノートにはグリーンアップルが使われている他、ハートノートのライラックやイランイラン、ピーチなどがフェミニンに感じられる。

オリヴィエ・クリード氏が5年以上かけて創り出した香り『ウインドフラワー オーデパルファム』(75mL ¥48,290)は、風に乗って流れるように舞うダンサーの動きに宿る、独特な優雅さと力強さからインスピレーションを受け、軽やかでウッディなヌガーを思わせるフローラルフレグランスである。甘いジャスミンとチュニジア産オレンジブロッサムのヘッドノートからフローラルの風が巻き起こり、フルーティなピーチやジャスミンサンバック、チュベローズ、ローズエクストラクトが力強く芯のある舞を感じさせる。サンダルウッド、イリス、ムスク、そして再度チュニジア産オレンジブロッサムが登場し、落ち着いたドライダウンへ向かってゆく。


今回紹介した香り以外にも、様々な魅力的な香りが登場し、日本にはこれまで入っていなかった香りも展開されていく予定だ。

クリードは、2023年8月30日(水)伊勢丹新宿店本館1階 化粧品/クリードにて取扱開始。3種の香りがセットされた、ディスカバリー ギフトセットも2種登場するのでぜひチェックしてみて欲しい。

★CREED 日本公式ページ
https://www.creedfragrance.jp/



【執筆者】

美容・香水ジャーナリスト YUKIRIN

日本で唯一の香水ジャーナリストとして、メディアで香りの情報を発信。またナチュラルオーガニック美容の専門家でもあり、コラム執筆や、記事監修を行う。これまで2,000種類以上の香水や、500ブランド以上の化粧品に触れ、新製品や国内市場の動向を網羅する他、ブランドコンサルティングとして活動中。
https://ja.wikipedia.org/wiki/YUKIRIN

★公式Instagram
毎月第一土曜日の22時からは、フレグランス専門インスタライブを配信中。
https://www.instagram.com/fabgearyukirin3/


★連載:WWD 香水ジャーナリスト連載
https://www.wwdjapan.com/author/yukirin

★連載:FASHION SNAP「WEAR PERFUME」
https://www.fashionsnap.com/article/wear-perfume-valentine/

★連載:ウェブマガジンCheRish brun.「フレグランス短編小説集 魔法の香り手帖」
https://cherishweb.me/author/yukirin

★香りのディレクションに携わった、ナチュラルケアシリーズ『Moii』
https://www.lebel.co.jp/products/series/moii/

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コメント(1件)

  • 最近以前のように目にしていないなと思っていたのですが、クリードが8月に再上陸するのですね。
    日本に未入荷の香りもあるようなので、是非試してみたいと思います。
    いつも情報ありがとうございます。

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    2023/7/24 22:08

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