バストとヒップの専門家、中村ひろ美です。
女性の人生においてバストが大きく変化する、妊娠~授乳期・卒乳。
「胸がそげてすべり台みたいになった…」「しぼんだ…」なんて話を聞くと、授乳後のバストへの不安も大きくなりますよね。
今回は、『全然分からなくて不安!妊娠~出産・授乳期・卒乳~仕事復帰に向けたバストケアを教えて!』をテーマに、妊娠~卒乳におけるバストケアについてお届けします!

~妊娠から卒乳におけるバストの変化~
妊娠2カ月頃から、ホルモンの影響により乳腺組織が発達し、バストサイズが1~2cupほど大きくなります。サイズアップのピークは出産直後。母乳をたっぷりと蓄えていることから、両胸に500mlのペットボトルを1本ずつぶら下げているくらいの重さになると言われています。
成長期の乳房の発育と異なり、妊娠期のバストは、下半分が横に広がるように大きくなっていくのが特徴です。個人差はありますが、出産から1年ほどで、バストは元のサイズへと戻っていきます。

~卒乳後にバストがそげた・しぼんだと感じる5つの原因とは~
① 乳腺組織の発達と低下
② 授乳姿勢や左右どちらかに偏った授乳
③ 卒乳後の楽ブラの着用
④ 自立神経や女性ホルモン乱れ
⑤ 血液不足や上半身のコリ
【乳腺組織の発達と低下】
授乳期を経て乳房は元の状態に戻っていきますが、乳腺組織が戻っても、サイズアップに伴い伸びてしまった皮膚やクーパー靭帯が、元通りになるわけではありません。実はこれこそが、卒乳後のハリ・弾力の低下・下垂といった変化につながる一番の原因なのです。
【授乳姿勢や左右どちらかに偏った授乳】
なるべく左右均等での授乳を心掛けましょう!また、添い寝での授乳は、胸が伸びた状態になりやすく、バストの形崩れの原因に。赤ちゃんを抱っこしての授乳も猫背になりやすいため、授乳枕などを上手に取り入れると良いでしょう。
【卒乳後の楽ブラの着用】
妊娠~授乳期は、バストがとてもデリケートな状態のため、マタニティ専用のものやリラックスブラに切り替えることが必要ですが、卒乳後もそれを続けてしまうと、揺れや重力の負担を受け、バストがさらに垂れやすくなります。卒乳後は、採寸とフィッティング、ブラジャーの見直しを行うことが必須です!
【自律神経や女性ホルモン乱れ】
妊娠や出産、授乳期は、心身にストレスを感じやすい時。夜泣きや授乳での睡眠不足から、自律神経も乱れやすくなります。自律神経の乱れは、女性ホルモン乱れの引き金にもなると考えられています。女性ホルモンは、バストのハリや弾力を取り戻す上で欠かせない存在です。少しの時間でもリラックスできる工夫を考えておくのもいいでしょう。
【上半身のコリや血液不足】
授乳後のママのからだは、血液不足になりがちです。鉄分や栄養をしっかりと補うことが大切です。また、子供が小さなうちは何かと前屈みな姿勢になりがちです。猫背の姿勢が癖になってしまうと、デコルテそげが改善しにくくなります。ストレッチなどを意識的に行っていきましょう。
~卒乳後はバストのスキンケアとストレッチが優先です!!~
妊娠~授乳期を経たバストは、皮膚やクーパー靭帯が弱った状態。そのため、バストケアはマッサージよりスキンケアが重要になります。たっぷりと保湿をすることで、バストのしぼみの改善につながります。また、前屈みな姿勢になりがちな育児中は、大胸筋を伸ばすようなストレッチをこまめな習慣にして、デコルテの削げ・バストの下垂をリセットしていきましょう!
~ママでも簡単!毎朝の習慣にしたいバストレッチ~
朝の洗顔ついでに、フェイスタオルを使ってバストをリフトアップ

授乳後の体験談を耳にすると、変化に不安を感じることも思いますが、ちょっとした意識とリセットで改善できることがあります。バストの心配をすることなく、妊娠~授乳期という限られた時間を大切にお過ごし頂けたら嬉しいです。
PROFILE:中村ひろ美
バスト、ヒップ、女性ホルモンの専門家。
一般社団法人ビューティフルボディセラピスト協会代表理事
各メディアにてバスト・ヒップケア監修、出演
5000人以上の女性の施術を担当。
トレーナーとしてセラピストの育成・ボディケアメニューの開発に携わった後、独立。
「自分の身体を愛し、女性としての人生を楽しむ」ためのケアの普及に取り組む。