
実家の母の妹、つまり私の叔母は料理が上手
それはグルメの叔父が食事にうるさい注文をつけることもあるけど
美味しいものの食べ歩きをしたり
お取り寄せをしたりしてるのが大きいようだ
その叔父夫婦が金沢に旅行に行って、イイモノを買ってきたから
遊びにおいでと、誘ってくれた
一体なんだろうと、期待に胸を膨らませて叔父の家にいくと
まずはこれを読めと、『酒のほそ道』というコミックを渡された
ウムウム、なんじゃ?と思って付箋のついたページを広げると
『越前雲丹』の話が載っていた
叔父は、このコミックを読んで、どうしても『越前雲丹』が欲しくなったそうだ
今まで、数々のグルメ料理を食してきた叔父が
どうしても欲しくなってしまった『越前雲丹』は
うにの卵巣を塩漬けにしたもので、桐箱に入っていた
『知多のこのわた』と『肥前のからすみ』とともに日本三大珍味
と言われていることも初めて知った
少しかためのペースト状でお味噌よりも硬い
食べ方は小皿に指先ほどの量を出して・・・直箸禁止なのだ
それをつまようじの先にとってちびちび食べる
ビール好きの私も、この時ばかりはもちろん日本酒で堪能
うにの旨味が凝縮されているので
ほんの少量でも口の中で濃厚な味が広がっていく
美味しいのはもちろんだけど、贅沢をしているという満足感も大きい
これだけ有り難がって食べるのは、なんと言っても値段を聞いてるから
この桐箱入りの越前雲丹は26,250円もしたんだって・・・
ウ~~、私の1ヵ月分の化粧品代よりも高いのね~
しかし、こんなに濃厚だから、ぱくぱく食べると健康に悪そう
と思ってたら、売ってたおじさんも
「食べ過ぎると身体に良くないよ」と言ってたんだって
叔母は『亭主殺すにゃ刃物はいらぬ、越前雲丹食わしゃいい』
なんて冗談を言ってたけど
女って、冗談の中に本気を混ぜる場合がありますから
叔父様、食卓に毎日越前雲丹が出るようになったらお気をつけあそばせ


anzu_ameさん
anzu_ameさん
ぱくたまちゃんさん