文学シリーズ、個人的に楽しいんで、しばらく続けますね。 今回は私の一押しの作家、豊島ミホさんの「純情エレジー」をご紹介します。
まだ若い作家さんで大学時代にデビューして、あっという間に人気作を出し続けて
そして今は充電期間なのか、故郷に帰り休筆中ですね。そんな潔いところも好きです。
この「純情エレジー」は私が豊島さんの本を初めて読んだ一冊です。
非常に官能的で、また心理描写が泣けてくるほど切なくて、胸がギュッとしますね。
性的なことが主体ではなく、背景なんだという感じですね。
過激に見える内容の中に、素朴な視点がまた素晴らしく上手い。
そもそも恋や愛には性が絡めば、情も絡むから、ややこしくも面白い。
この作品には子供のような愛を求める純粋さと
性の深淵に墜ちていくほどに女な顔が見えます。
彩り豊かな短編集なので、お好きな作品が見つかると思います。
私が好きなシーンを幾つか取り上げて見ますね。
・・・と思って作品を読んでたんですが、描写が赤裸々すぎて書けなかった・・・
「指で習う」という作品です。
過去に愛した人の面影を追いながら、気休めに年下の男に代用を求め、火遊びをした結末。
あの、なんていうか、この話は絶妙かつ複雑な上に、
あらすじだけを伝えると単に性的にしかならない。難しい物語りなんですよ。
でも、すごくすごく切ない女の心情を描いた作品なんです。
逆に性描写の部分が赤裸々だけに、男を一途に想う主人公が余計に哀しく感じますね。
では、気を取り直して、この本の中で一番好きな作品をご紹介しますね。
「結晶」という作品です。
上京した都会で、デザイン関係の知り合いの中、再会したモデルの男への恋情と結末。
この主人公の愛する同郷のモデルの男「久遠」が、すごく魅力的に感じますね。
それが格好いいとかじゃなく、情けなくて読むほどに愛おしくなる。
ちょっとそんな久遠の可愛さが伝わる文章を紹介します(ただのファンw)
*ベッドの上の二人で、ふと行為が中断して。
久遠「大原は、俺が何もしなくても怒んないのな」
主人公「怒んないよ」
久遠はあまりセックスがうまくない。こっちに来てからやった三人の男の人の、
誰と比べても拙かった。どうしていいかわからない所在なさが、動いてる間つねにつきまとった。でも、そんな久遠をかわいいと思う。だからイケないとわかっていてもしたい。
中性的な美貌を持ちながら、どうにも垢抜けない彼が可愛くないですか?
個人的なイメージは、東方神起のジェジュンであります(K-POPヲタクw)
また故郷に帰る時の久遠の言葉が胸に染みるんですよ。
久遠「俺、変だね。どっかに届きたかった気がするのに、今じゃもうわかんない。
あのまんまがよかったような気がしてきたんだ。なんか。」
はぁはぁ、まだ書きたい久遠の魅力は読んでのお楽しみです。
すみません、最後にはただの登場人物への個人的な思い入れがヒートアップw
この小説のタイトルにあるように、全編を通して、純情さが痛いほど感じます。
人を愛するとき、純情になる。性も絡むのに子供のように我を失う大人。
そこには哀愁があります、人間だからこその恋愛。そう、情欲だけでない哀愁がある。
本当に意味で恋愛って何だろう、ふと感慨深くなる作品であります。
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