
香りを感じるって素晴らしい。
季節の花や、好きなフレグランス、美味しいものの匂い……
香りを感じることで得られる効果は大きいと思います。
今年の冬、母が風邪をひきました。
ひどい風邪でしたが、特に変わった症状ではなく、
ごく普通の風邪。
しかし、風邪の症状が治まった後、嗅覚が失われました。
何の匂いも感じない。
ウイルスの感染で嗅覚障害になることもあるそうですね。
初めて知りました。
父方の祖母は、生まれつき匂いを感じなかったようでしたが、
それを苦にしている様子はありませんでした。
「匂いを感じないって、辛くない?」と尋ねてみたこともあるけど、
「別に、何とも思わない。嫌な匂いも分からなくていいし」と言い放っていました。
強がりではなく、本心みたいでした。
わりと無頓着な気質の人で、気に病むタイプではなかったけど、
私だったら、とても悲しいだろうなあ、と思ったことを覚えています。
母は、私ほど香りフェチではありませんが、
香りを楽しむ人でした。
たまに実家を訪れると、新しい香りのルームフレグランスがあったり、
洗面所の棚に、アナスイのオードトワレがこっそり置かれていたり。
そんな人なので、香りを感じなくなって、
とても悲しい思いをしているようでした。
耳鼻科の先生に「嗅覚が戻ることは難しい」と言われ、
気落ちしていました。
私の職場の先輩が、評判のいい耳鼻科を紹介してくれたので、
セカンドオピニオンとして、診察を受けてみましたが、
診断結果は概ね同じ。
「元どおりになる確率は低い」と言われました。
でも「気長に頑張ってみましょう」と、
点鼻薬の正しい使い方を丁寧に教えてもらい、
あせらず頑張ってみたところ、少しだけ匂いを感じるようになったとか。
耳鼻科の先生には、香水や芳香剤などの強い香りを試してみるといい、と
教えられましたが、それらの香りは全く感じず、
何も考えずに開けたスルメの袋で、久しぶりの匂いを感じたそうです。
それをきっかけに、少しずつ感じる香りの種類は増えたとのこと。
ある程度、嗅覚が戻ったものの、
これ以上はあまり期待できそうにないということで、
今は耳鼻科にかかるのを止めてしまったみたいですが、
香りへの憧れは、やはり断ち切れず、
手持ちのフレグランスを鼻の頭に付けてみたり、
いろいろ試しているようです。
身近な人が罹患して初めて分かったことばかりですが、
たかが風邪でも、こんなふうに香りを感じなくなることがあるなんて、
衝撃でした。
いつも身体を粗末に扱っているので、
丁寧に生きることは大切なことだと、改めて感じました。
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