何もしないほうがいいか
2013/4/29 15:33
これはもう夏休みなみですね。
しかし、諸事情あり地元を離れられず、念願ののんびり生活を満喫中のBartlebyです。
今日はちょっと暗い話になります。
私のメンバ名のBartlebyは、メルヴィルのある小説の主人公から取っています。
バートルビーという法律事務所に勤める若い男の事務員は、何を言われても
「しないほうがいいのですが」と言って相手を否定する、
生き生きとした人生を脱線した人間です。
極小の食事しかとらず、新聞も読まず、主体的には何もせず、
最後には唯一の場所であった仕事場を追い出されて、食事を取らずに監獄で
死ぬ、という話で、雇い主である小説の話者は彼の存在に迷い悩みます。
こういう、人生の拒否、死への欲動に駆られる話は、
めずらしいものではありません。ポール・オースターの小説に
繰り返し出てくる男性の主人公も、大抵いきいきと生きることを拒んで
破滅の道に、穏やかな無意味な死を選らんでいきます。
(近作はもうちょっと明るい話も増えましたが。)
生き生きしても意味ないじゃん!という考え方のロマンチズムは
非常に男性的だと思います。
大学生時代から一人暮らしを初めて、初めてロマンチストの男たちと出会った
若い頃の私は、典型的な人生なんとかなる派の女(の子)で、
初め全く理解が出来ませんでした。
でも、本で座学しただけではないですが、そういう考え方もありますよね。
そんなロマンチストで厭世的な男どもの一人として出会ったのが、今の旦那です。
しかし、社会人になって、大部分の人はロマンチズムでは喰っていけないという
ことも良く分かりました。
彼は大分私の領分に引き込まれてしまいましたが、実際はどうなんだろう?と
思います。私も彼のロマンチズムを知って、良かれと思って私の領分に
引き込んでいったわけではありません。
いきいきと人生をいきるということは、比較的上手く生きるためでもあるのです。
同じように、人生を楽しく生きるためにコスメというものがあります。
ただ、私は、彼が私に教えたロマンチズム、厭世観をまだ忘れていないのでしょう。
そういう二分された感情のまま、このまま生きて行きたいと思っているのは
私の方なのかもしれません。
厭世観を持ちながら、コスメに溺れる、それを願っているのは私の方なのです。
まだ暗かった頃の彼に、7,8年前に贈った最初の香水は、
フレデリック・マルのリップスティックローズEDP。
ユニセックスで、ローズといっても、昔のリップのような脂臭さを演じている、
人工的で少しサイケデリックな香りです。
この人工的でちょっと可笑しなところが気に入って選んだ香水は、今家にあります。
今は私の方が、この香水は似合うかもしれません。
コメント(15件)
ログインする
※ログインすると、コメント投稿や編集ができます
メンズビューティ カテゴリの最新ブログ
【二十顎で悩みの方必見!】おすすめのデンキバリブラシ使用方法をご紹介!
ELECTRON 公式アカウントのブログエレクトロン【POPUPレポ】伊勢丹新宿店にてポップアップイベントを開催しました!(4/3~4/9)
IROIKUのブログIROIKU
Bartlebyさん
Bartlebyさん
アパレル企業勤務の主婦
kafka-dieさん
Bartlebyさん
Bartlebyさん
院長さん
Bartlebyさん
Bartlebyさん
すなっくのママ
花と蝶さん
Bartlebyさん
コスメ蒐集OL
ゆかり.*。゜+:*さん
Bartlebyさん
賢一郎さん
Bartlebyさん
RyanRyanさん