
そう言ったのは、他でもないディタ・フォン・ティースですね。
賢一郎はこのお言葉をご神託のように受け止め、
雨の日も風の日も髪をせっせせっせとカールさせておりました。
私の髪はもともと貞子のようなぴんとしたストレートなので、
この季節はどれだけきちんとセットしたつもりでも
湿気が強いとストレートに戻ってしまいます。
なので自然、力みが入ってしまって…高温で巻き過ぎたようで
髪のダメージがけっこう深刻な昨今です。カーリーヘアにうまれたかった。
最近すごく気になっているのがこの人、

イーディ・セジウィックさん。
1960年代のモデル、ダンサー、女優。
アンディ・ウォーホルのミューズとして有名。
私、この人の動いている映像を見ていると
「うああ~」ってへんな声が出てしまいます。
なんて可愛くてはかなげな人なのかと彼女が動くたびに感動します。
当然亡くなっているのに「この人は私が守る」とか決意しそうになります。危ないです。
ファム・ファタールとは彼女のことで、
幼少時から精神的な障害を抱えていたという彼女の内面は傷ついていたのでしょうが、
とても信じられません。外側から見る彼女のなんと美しく輝くことか。
ゲイも彼女の虜となり競って口説いたといいます。
アメリカ社交界深窓の令嬢であったという、
その高貴な生まれもイーディを魅力的にみせたでしょうね。
一族は短命だったそうで、家族は早くに亡くなり、
彼女自身も占い師に「あなたは長生きできないでしょう」と言われた際
「大丈夫…知っているわ」
と答えたというエピソードが残っています。
その言葉の通り、27歳で彼女はこの世を去って行きました。
27クラブという言葉があります。
ショービズの世界では27歳でこの世を去ってしまう天才が多いため、
彼らをまとめてそう呼ぶそうです。
イーディもそうですし、最近ではエイミー・ワインハウスもそうです。
若くして死ぬことで芸術家としては伝説になれたのかもしれませんが、
私はそんな理由があってもやっぱり生きていてほしいと思います。
生きているほうが尊いのだと思って生きていて欲しかったです。
この夏、ドラマ俳優のコリー・モンティスも、31歳で亡くなってしまいました。
そのこともあって、少し切ないものに思いを馳せるような季節でした。

「列車を待ってる」
「遠くに行く列車を」
「望んでいる場所へは行けるけれど」
「それがどこかは分からない」
「でも構わない」
「愛しているから」
映画「インセプション」の台詞ですが
なにかとても示唆的です。
死の恐怖とは孤独の恐怖、そう思うと
誰かと一緒にいる、孤独ではないと思えることで恐怖から解き放たれるのかもしれません。
なんかしんみりしちゃったので、もっかいディタさまのお写真置いときます。

ディタはこんなに顔を作り込んでいるのに、なぜか顔の印象は強くありません。
彼女の写真を見て、それを思い出そうとしても、彼女の顔立ちをうまく思い出せない。
彼女のアイライン、口紅、髪型の印象はすごく鮮烈に残るのに。
イーディは、これが逆の印象を受けるんです。
イーディが何を着ていたのか、どういう髪型をしていたかはすぐに忘れてしまいます。
その代わり、彼女の表情、繊細な笑い顔や動きの美しさはいつまでも心に残る。
女性の個性というものは、画一的な美しさだけで判断できるものではない。
正解なんてなくて、
本当にいろいろな要素が複雑に絡み合って、ひとりの人間ができるんだなと思いました。
いろいろなタイプの女性がいるからこそ、世の中はおもしろいですよね。
賢一郎さん
賢一郎さん