
~つげ櫛 武蔵屋~
江戸の柘植櫛組合、最後の組合長 武蔵屋本家。
富田親方(武蔵屋本家)といえば、現代最高峰の【櫛職人】と呼ばれた名工。
現在も存続している【江戸のつげ櫛】の老舗と言えば 武蔵屋(縦櫛製造)
十三や(横櫛販売)そして浅草の“よの屋”(横櫛販売)などがあり
美容好きな方なら一度は耳にした事のある 名前かと思います。
しかしながら数年前に富田親方がお亡くなりになった後
残念ですが 武蔵屋さんはその歴史に幕を閉じました。
富田親方は大正生まれ。
長らく 柘植櫛業界の最長老であった方なのですが
父親に師事し、天皇陛下の御成婚の折には、
美智子妃殿下のお垂髪(おすべらかし)の髪に、も武蔵屋の櫛が飾られていたのだとかで
技の確かさに加え他の職人との大きな違いは、親方の知識とも言われ
江戸の日本髪が正にここに有り、櫛の呼び方などにも縦櫛屋の直系である事が分かり
江戸櫛の歴史を知る唯一の存在と言われていた方だそうです。

参考…名工会資料より。
つげ とひとえにいえども
100円ショップなどに売られている「本つげ」と書かれた物は
ほとんどが安い外材。中には つげ でないものにも「本つげ」の刻印があるものが
存在してしまう(偽物)のだそうで 近年では量販品を扱う業者さんでさえ
そういった劣品を偽物と知りながら【本つげ】と称して取り扱うところも少なくは無くはない。のだそう 残念な話です。
決してそれが【櫛として使えない】という意味ではないと思いますが
私はずっと 本物 を欲しいと思っていたので、以前さる雑誌で ご年配の美貌女性が
武蔵屋の櫛のことを話題にされているのを見て ずっと欲しいと思っていたのですが
その時にはすでに 親方がお亡くなりになった後でしたので
まさか手に入るとは思わなかった品が手元にやってきて とてもうれしかったです。
(以前サイトを見たときには 閉業の案内でした。庫出し品の再販があったそうです)
武蔵屋さんのつげ はもちろん 40年50年もの乾燥の時を経て
つげ櫛に相応しい状態に仕立てられた 一級品揃い。
長い時代の中で 廃業される櫛職人さんが自慢の素材を
総本家の武蔵屋さんに託された…と言うお話もあったそうで
近代 環境の変化や大量生産で質の良い素材を調達するのが難しいとされる中
一度ご隠退された後も それらを巧みに作品とし 名工会の殿堂入り職人として生涯 櫛職人 として
その生涯を閉じられたそうです。
about つげ櫛
かまぼこタイプの解き櫛は東京上野池之端の「十三や」さんと
京都に行ったときに買った 京都の「十三や」さんの櫛のものを若い頃手にして
あとは大正生まれの祖母が若い時に買ったという 飴色に育った昔の安いつげ櫛を
大事にメンテナンスして使いながら 持っていたのですが
( 十三というのは 九(く)+四(し)で 一三や なのだそうで、この二店は同じお店ではないそうです)
うちの子供が小さい時に 楽器がわりにドレッサーの端でギコギコと音を出して遊びΣΣ(゚д゚lll)歯を欠いてしまったりして 残念なことになっていたので
歯の折れた櫛は縁起が悪い。と言ううことで処分してしまい
近年は 木製のブラシやイオンブラシわ使っていたのですが
まさか 武蔵屋さんの櫛が購入できるとは!
テンションが一気に上がりました。笑
ただ…ほんとに欲しかったものは完売で。
解き櫛は パーマや 癖むきのアラバしか残っていなかったので
今回購入したこれは髪の毛をセットするときに使うものですが
それでもいい!と思いお願いしてみました。
名工会の方の対応もとてもスムーズで さすが職人の作品を扱う
人情味ある方たち。大変丁寧に対応していただき ありがたかったです。
資料もたくさんつけてくださり。読めば読むほど愛着が増します。
普通 すぐに使えるようにと 椿油をしみこませた状態で販売されていたりしますが

『是非とも素材の良さを見ていただきたい』
というお心遣いで、椿油は別添えで、 生の状態のつげ櫛で届けてくださいました。
しっとりとし 木とは思えないような滑らかな質感に感嘆。
[photo:2296282]
お手入れ用のオイルは 五島の今村製油所さんの物をオーダーしたのですが
収穫の時期やタイミングにより 時間がかかるので
(ここのツバキ油、お気に入りです。食べても良し、肌や髪のケアにもよし。です
私は他社さんより こちらの方が好きです)
いつ届くかなぁ…とオイル待ちしているところです。
(この日記は春ごろ書きました。今とてもに届いています)
とりあえず、別添えしていただいたオイルで
櫛を使うための準備をしようと思います。
お手入れの話は また今度…♪
今年の娘の誕生日には、
見た目に可愛い つげ櫛でもプレゼントしてあげようかな…と思います。
(いいものを買っても ダメにしてしまいそうなので…ね)
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