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ヨネダコウ 山ヒバ再録集を読み返す

ヨネダコウ 山ヒバ再録集を読み返す

同人誌って難しいと思うんです。

確かよしながふみが「あのひととここだけのおしゃべり」で言っていたと思うんだが、『よく出来た二次創作を〈学説〉と呼ぶ』って言葉にひどく得心したのを覚えている。


ジャンルが何であれ、原作のエピソードあるいはエピソードとエピソードの合間、あるいはキャラの関係性を活かして昇華させる二次創作は確かに二次創作ではあるんだろうけれども、既にそれ自体が原作への敬意を払ったオマージュとなっているのではないだろうか。





もちろんそこに著作権の問題があることは了解しているし(グレーゾーンで黙認されていることも含めて)、意地の悪い目でみれば二次創作というものは他人の褌で相撲を取ってるってことになりかねないことはわかってはいるのだが、しかし、時には二次創作に珠玉が混ざっていることも否定の余地がない。





ということで、この間ヨネダコウのリボ山同人をたまたま漁りだして、その出来の良さにうなり、再度プレミアがつきまくっている山ヒバの再録集を引っ張りだして全部読み返したんだが、この人は二次創作の時点からすでに原作を昇華させ、なおかつ違うレベルに引っ張り上げているなあ、と実感した。


原作のリボーンはいわばキャラとシチュエーションのショウケースであり、その無数のショウケースの中から任意のキャラクターを選び出して自分自身の世界で、キャラクターを生かしつつ、なおかつ原作を壊さず、違う切り口で光を当てて、そのキャラクターがいかにも言いそうな違う台詞を言わせるっていうのは実は難度の高い離れ技だ。





ヨネダコウの山ヒバ同人ではそれが無理なく、しかも高いレベルで均衡を保って調和している。彼女が今やBL界のビッグネームになっていることは、この同人誌のレベルの高さを見れば本当に納得出来る出来なのだ。そして、我々は彼女のオリジナル作品に出ているテーマが既に山ヒバの同人誌の段階で見えていることにも注目を払うべきである。「囀る鳥ははばたかない」で出てきた単なる恋愛にとどまらない人間存在の孤独、孤独であるにも関わらず繋がりを求めてしまう思い、そう言ったものがすでに2004年、5年の同人誌の段階で出ている。





つまり、作家性はオリジナル・二次創作問わず、何らかの表現活動をする上で自然と出てきてしまうものなのだろう。それが創作である以上、オリジナルだろうが二次創作だろうが貴賎や上下はないのだ。


※もちろん二次創作の場合、それが原作に敬意をはらったものであることが大前提だ。



よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり (白泉社文庫)/白泉社






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さすがにヨネダコウの同人誌の画像がないので、商業BLをいくつか。


2巻、11月1日発売か!胸熱だ。







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