この冬、好きだなと思う香水のひとつは「ココヌワール」。
これって、終始サンダルウッドが香るような気がする。
今っぽい軽やかな香水を作れば売れて儲かるかもしれないけれど、
歴史を捨てたらブランドのブランドたる理由をなくしてしまいます。
そこでクラシックな重たい香水を、現代風にした、みたいなイメージ。
すごく長く香りますね。そこも好き。
そして去年からずっと好きなのが「サンタルマジェスキュル」。
これもサンダルウッドですっごく落ち着く。

サンダルウッドは好きだけど、
サンダルウッド香水の二大巨頭?
「サムサラ」「プワゾン」はどうも苦手で、
大きい声で「サンダルウッド好きです!」というにはなんだか恥ずかしい。
私の香水きほんのき、体調悪いときでもつけられるニュートラルな一本が
ディシラの「ラサントゥール」なんですが
公式には「サンダルウッド」とは書いていないんだけど(笑)
ラストあたりサンダルウッドを感じます。
フルーティでさわやかなトップも素敵ですが、
ウッディさを感じるミドルからラストが一番好きです。
そして私の中でおすすめの一本はブルガリ「ジャスミンノワール」
これもなかなか思い切ったサンダルウッド香水で、
ジャスミンと白檀の香り。
ブルガリ発なので(軽やかな香りが得意なイタリーブランドというイメージ)
ゲランやディオールほどマダミィではない。
あまりしつこく香りが残らないし、お値段的にも気軽に使いやすい!
すばらしい。おすすめ(*´∇`)
消費税増税もあって、
香水がなんだか高く感じる昨今。
数年前までは50mlで10000円のものだと「少し奮発したな」という気分になったものですが
今は…15000円くらい出して当たり前…のような感じ?
全体的にひどく値上がりしているような感触で、
購入するときには慎重さが大事。
しかし数年で1、5倍とは…><。

そしてそして、今年一番の出来事はキャロンデビューしたことです。
キャロン、たしか銀座三越にしか置いていないから今まではつい面倒がって
開拓してこなかったブランドです。
私は丸の内のほうがよく通るし、行きやすいエリア。
「行きやすい」と言えば帝国ホテルのゲランブティックは場所としては
「行きやすい」んですが、心理的にはかなり遠い。
いつか心を決めるまで、通りすがりに横目で見るだけで我慢。
ところで丸の内ブリックスクエアにあるジョーマローン、
あのあたりを通ると「レッドロージズ」の香りがほのかに感じられる。
通るたびに心の中で「おおっ」って驚きます。
香りが漏れてくるのか、それとも気のせいかなぁ…。
さて、キャロンの香水で、私が目を付けていたのは
何と言っても「ナルシスノワール」。
香料だけを見ると、「これ以上のものはない」と思うくらいに理想的。
ネロリにプチグレン、サンダルウッド、どれも大好きだ。
しかしいざ香りを試して見て、私の心をつかんだのは「エメモア」という香水です。
「エメモア」がふくむバニラ、パウダリー、ヴァイオレット、どれもあまり好きじゃない系統のはずなのに、香水で一目惚れって初めてかも!
キャロンは本当に上品ですね。
香料にぼうっと霞がかかったような、ちょっと遠くからきれいなものを眺めたり、
記憶の彼方にあるものを思い出してるみたいな…
とにかく柔らかい、優しいという印象ですごく気に入りました。

例えば私はベリー系の香料があまり得意ではないのですが、
「レディ キャロン」のベリーは受け入れやすい。可愛い感じがする。
この感じ、ニナリッチの香りと印象が似ている気がします。
りんごのイメージのかわいく若々しいニナリッチではなく、レールデュタンとか、フルールドフルール、カプリッチとかの品がよろしいニナリッチ。
「エメモア」を嗅いだとき、ちょっと「プルミエジュール」を思い出しました。
香り自体はあまり似ていません。
でも、押し出しが強すぎない、控えめな感じとか香料のバランスがいい感じ、
まとまりのよさみたいなところが似ていると思うのです。
「ナルシスノワール」は…思っていたよりずっと、静かな香り。
セクシーだとは、私はあまり感じなかったです。
つかみ所のない香り。
フローラルとお香の柔らかさををプチグレンとパチュリの渋さで引き締めてる。
クラシックでも、折り目正しすぎてつけにくいということはなさそう。いいバランス。
もう一回くらい試香してみないと印象が固まらない…なんだか不思議な香り。
「あれ、どんな香りだったかな」と何回でも鼻を近づけて嗅いでみたい。
エメモアはすみれの花の砂糖漬けみたいな香り。
タイムリーなことに、このお菓子を愛していたという
「シシー」ことオーストリア皇后エリザベートのミュージカルを
宝塚で鑑賞することができます。
緑豊かな自然の中でのびのびと育った彼女にとっては
スミレの甘い香りは幸せな子供時代を思い起こさせるような香りだったのかもしれない。
スミレって、都会とか、華やかさではなく
純朴さ、自然さ、優しさ、を思い起こさせる花だと思います。
私もこのエメモアを使って、しばらくノスタルジックでロマンティックな世界に浸ります。(ㆁᴗㆁ✿)
宝塚の「エリザベート」、とても良かったです。
人間はいつでも、生の誘惑と死の誘惑の両方に引き裂かれて生きる宿命を負っているんだと感じます。
トートが「死」だとしたらフランツは「生」ですね。

だれのものでもなかったあたし
すみれの砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし
江國香織著「すみれの花の砂糖づけ」より
賢一郎さん
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第一次産業 農業
ロメヲさん
RyanRyanさん
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