美容ジャーナリストとして、コスメ、メイクのトレンドを発信している加藤智一さん。磨かれた審美眼でビューティの流れを見つめる加藤さんに、2019年のマイベストコスメを伺いました。
美容ジャーナリストの加藤智一さんが選んだマイベストコスメはこれ!
最新テクノロジーで複合的な肌悩みを一気に解決
はじめに加藤さんが2019年ベストコスメに選んだのは、「ホワイトショット」の『ホワイトショット MX』。
「いままでのホワイトニング製品はメラノサイトやメラニンなどピンポイントでアプローチすることで白さを叶えるものでした。そんななか『ホワイトショット MX』は、細胞そのものの代謝を高めることによって、全体的にアプローチするのがポイント。
来年のスキンケアの傾向にも言えることですが、たとえばシワだけ、たるみだけ、といったひとつの肌悩みにアプローチするものではなく、複合的な肌悩みを一気に解決する。最新のテクノロジーを携えて、肌全体の底上げをはかることによって、エイジングケア全体に応用されていく、という流れに進化しています。
『ホワイトショット MX』はまさにその走りであり、今年ブレイクスルーとなった製品。迷わずマイベストコスメに選ばせてもらいました!」
汗をかいたときの落ち方まできれい
FIVEISM × THREE
発売日 2019/7/10
また、「FIVEISM × THREE」の『ゲームフェイス カモキット』も加藤さんの今年のベストコスメに選出。
「じつはこのプレストパウダー、男性だけでなく女性ファンも多いんですよね。色がつかないので女性の化粧直しパウダーとしても優秀。汗をかいて塗っても、重ね塗りしても厚ぼったくならない。肌に透明感をのせる感じのパウダーなんです。令和元年は、ようやくメンズ美容に肌づくりがフォーカスされた年になりました」
濃密感が半端じゃないリップバームに衝撃!
同じく「男性におすすめしたい」と話すのが、「キュレル」の『リップケア バーム』。加藤さんのベストコスメに輝きました。
2019年のマットリップは質感が豊富に
マットとツヤを兼ね備えたハイブリッドなベースメイクがトレンド
ベースメイクのなかでも加藤さんが絶賛するのが、「ジルスチュアート」の『イルミネイティング セラムプライマー』。
超エイジングケア時代の幕開け
「そして今年のビューティトレンドとして欠かせないのが、シワ改善アイテム。さながらフェスのような様相で、各ブランドからシワ改善美容液が10種類以上発売されました」
そう語る加藤さんが、とくに気に入ったのは「KANEBO」の『カネボウ リンクル リフト セラム』なのだそう。
「さまざまな美容成分が配合されていて、肌にのばすとシワの隙間にもきちんと入り込むテクスチャーがとても優秀。使い心地がすごく良いです! 目もとケアアイテムの製品には無香料のものが多いのですが、この製品は鼻をくすぐるようなほのかな香りがして、化粧品として非常に色気があるのも魅力ですね。
エイジングサインへの挑戦は2020年も続くでしょう。肌そのものを健康にすることで、複合的なあらゆるエイジングサインに働きかける超エイジングケア発想が出てくると思います」
令和は“美に対する自分との対話”が大切な時代になる
「今年、令和に年号が変わり、人々の気持ちにも大きなインパクトを与えていると思うんです。それによって、いままで持続してきた流行がここで一度ストップして、まったく新しくなる可能性がある。たとえば、美容医療も昭和ではごく一部、平成だと美魔女など一部の美容意識が高い人がするものという認識がありましたが、令和ではより一般的なものになってくると思います。肌のメンテナンスが普通になり、令和は年をとってもきれいでいることが普通になってくると思いますね。お金が限られているなかで、たくさんある情報のなかから、より賢く、審美眼を一層研ぎ澄まして優秀なコスメを選び取る必要がありますね。
また、いまの時代、美容に関しても特定のロールモデルがいないというのも特徴。憧れの誰かをそのまま真似るのではなく、『自分の魅力は何なのか?』『自分のどこをフォーカスすればきれいになれるのか?』と、自分との対話のなかから自分の良さを引き出していくのが令和です。流行は追いかけるものではなく、取り入れるもの。自分に合うものだけを取捨選択して、その審美眼を養っていけば、令和の時代に自分の美しさのレベルが確実に1ステージ上がるはず」
美容ジャーナリスト・加藤智一さん
美容ジャーナリスト。「25ans」(ハースト婦人画報社)ほか、多くの女性誌の美容担当を経て独立。現在は、女性誌・男性誌のほか、さまざまな媒体で執筆。著書に、「思わず触りたくなる美肌をつくる身だしなみメイク」(講談社)、「最速! 清潔感」(大和書房)など。
取材・文/根笹美由紀
撮影/中山実華
(アットコスメ編集部)