
メイクの悩みやいま知りたいテクニックを教えてくれる、ヘア&メイクアップアーティストの長井かおりさん。美容を通じて、気持ちまでポジティブにさせてくれる長井さんに2020年のマイベストコスメをうかがいました。
長井かおりさんが選んだ、マイベストコスメ
眉は、ダークグレー+オレンジでナチュラルに

ダークグレーの擬似眉カラーで眉を整えてから、オレンジ&ベージュのふんわりカラーをのせると、ナチュラルな印象に仕上がるというもの。
「他のパーツに比べると、眉メイクは地味で退屈なものに感じがち。そこに楽しさや刺激を感じてほしい。だまされたと思って使ってみてください」
うるおうのにマット感。絶妙な色味も好きすぎるリップ

「マットな質感はトレンドですが、自分のものにするのはなかなか大変。このリップはうるおうし、伸びるし、乾かないし、なのに最後はさらっとする。すごく使いやすいテクスチャーなんです。カラーは落ち着きを放ったコーラルを帯びた、今までに見たことのない絶妙な色味。おしゃれと使いやすさのバランスがよくて、迷ったらつい手にとってしまいますね」
控えめで自然なツヤが今っぽい。シャネルのファンデに1票

「存在感のあるベージュ」がトレンドの兆し
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、私たちの毎日に大きな変化がありました。そんななかでも「カラー使いは引き続きトレンドで、メイクを楽しもうというポジティブなムードが続いている」と長井さんは感じているそうです。
「コロナの影響で美容への意識が落ちたというよりは、“どうしよう”という迷いが大きくなりましたよね。私もいっときは仕事の依頼がマスクメイク、オンラインメイク一辺倒になりましたが、最近はまたリップなどの企画も増えています。あまりにリップをつけなさすぎて、逆につけたくなるという現象でしょうか(笑)」
リップはもちろん、チークや目もとに「必ず1色は仕込む」というのが、ベージュ。2021年に長井さんが期待するのは「存在感のあるベージュ」だそうです。
「ベージュと聞くと、おとなしいカラーを想像するかもしれませんが、トレンドの兆しを感じるのは存在感のあるベージュ。血色のあるベージュ、ブラウンのニュアンスを持つベージュなどのさまざまな色のニュアンスを含むベージュがたくさん出てきています」
また、「おうち美容」の掛け声のもと、期待したいのが美容家電や美容ギア。「家で過ごすことが増え、お手入れに手間と時間をかけられることに目をつけてさまざまな新製品が発表される予感」と長井さん。丁寧なスキンケアを楽しむトレンドは、さらに盛り上がりを見せそうです。
メイクの引き出しは、確実に増えている
これまで外に向けてメイクしていたのを、自分のための美容にいそしむようになったコロナ禍。そして、外出機会が再び増えてきた今は「また別のフェーズに入った気がする」と長井さん。さまざまな制限があって、今でもまだ大変な状況は続いているけれど、「今の学びを生かさない手はない」と話します。
「今はオンラインのメイク、マスクメイク、マスクを外して食事をする日のメイク…と毎日試行錯誤して、いろんなメイクを自分のなかに落とし込み、引き出しを増やしている時期。知識とスキルは確実に身についていると思います。迷いながらもいろんなシーンに応じたメイクに挑戦し、自分と向き合い、知識を深めた時間は決して無駄になりません」
私たちの心を一瞬で軽くしてくれる長井さんのポジティブな言葉。戸惑いながらも学んで身につけた力があるからこそ、これからも美容をもっと楽しめるはずです。
ヘア&メイクアップアーティスト・長井かおりさん

雑誌を中心に多くのビューティー企画を担当。連載も多数担当している。わかりやすいメイクテクニックに定評があり、毎日に寄り添ったメイクの提案などで多くの女性から支持を得ている。著書も多く出版しており、これまで発売した書籍は累計25万部を突破。最新刊「時間がなくても大丈夫! 10分で“いい感じ”の自分になる」(扶桑社)も好評発売中。
長井かおり Twitter(@nagaikaori0918)
長井かおり Instagram(@kaorimake)
取材・文/大森りえ
(アットコスメ編集部)