「自己肯定感」って、「自分ってすごい！」と思うことではありません。「自分にはダメなところもあるけれど、このままでも生きていていいんだ」と思うことが自己肯定感です。自分の能力や結果に対する肯定ではなく、自分の存在に対する肯定なのです。
なので、自己肯定感は簡単に上がったり下がったりはしません。相談者さんの場合は、元々そんなに高くなかった自己肯定感が、今回のダイエットの件で露呈した形だと思います。
ダメな自分を肯定する、と書くと向上心のない人のようですが、実際のところ、自己肯定感の高い人は向上心が高いです。なぜなら、「ダメな自分」を肯定=認めているために、次の道を探すことも得意だからです。
相談者さんの今回の例で言えば、相談者さんが認めていない「ダメな自分」は、「今のやり方で痩せない自分」です。実際には体脂肪率が下がっているかもしれませんし、体型が少し引き締まっているかもしれませんが、そんなことは関係なく、相談者さんは今の自分を「ダイエットの結果を出せないダメな自分」だと思って否定しています。
自己肯定感を高めるために、まずは「今のやり方では、自分の満足のいく結果は出ない」ということを認めましょう。
「今のやり方では、自分の満足のいく結果は出ない」ということを素直に認められたなら、次の道を探せるはずです。
運動も食事制限もしているということですが、本当はもっとやりようがあることを相談者さんは理解していますよね？　もっと極端な食事制限をしたり、お金をかけてパーソナルトレーナーをお願いしたり、健康不健康関係なく、そういうやりようがあること。
「今のやり方では、自分の満足のいく結果は出ない」のなら、そういうやり方を採用して今まで以上にコストをかけるか、結果は出なくていいから今のままゆるく頑張るか、結果が出ないことが苦しいからダイエット自体をやめて楽しく日々を過ごすか、そういった道を選択することになります。
大切なことは、どんな道を選んでも、相談者さんの価値は変わらないということです。どんな道を選んでも、相談者さんは相談者さん。自己肯定感というのはそういうものなのです。
さて、「今のやり方では、自分の満足のいく結果は出ない」相談者さん。どうしましょうか。何を大切にして、何を優先しましょうか。途中でやり方を変えても、方向性を変えても構いません。今の自分をまずは肯定して、次の道を選んでいきましょう。