花王とアイスタイルがタッグを組んで誕生!「皮脂RNA」に注目した、“お肌のケアどき診断”とは?

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花王とアイスタイルがタッグを組んで誕生!「皮脂RNA」に注目した、“お肌のケアどき診断”とは?
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コスメも美容情報もたくさんあり過ぎて、「私の肌に合うものって何?」と、悩んでいる人は多いはず。そんなコスメ迷子さんに向けて、花王とアイスタイルの共創から誕生したのが、皮脂RNAに注目した“お肌のケアどき診断”。この革新的な取り組みを、花王の研究者2名に詳しく説明してもらいました。

私の“いまの肌”が分かる皮脂RNAモニタリング技術

「RNA」って何? そもそも「DNA」との違いとは?

――自分の肌状態を知りたい人は多いと思いますが、その手がかりとして「RNA」に注目したと聞きました。そもそもRNAとは何ですか?

柳澤 洋輝さん(以下、柳澤):RNAを説明するために、まずDNAについてお話しさせてください。DNAは私たちの身体の「設計書」です。料理のレシピ本に例えると、DNAはあらゆる料理の作り方が書かれたマスターブックのようなイメージです。それをもとに、様々なタンパク質(料理)が作られ、それが私たちの顔立ちや体質など、身体のさまざまな特徴を形成します。

――DNAは生まれつき持っているもので、一生変わらないんですよね?

柳澤:基本的にはそうです。一方で、RNAはそのときどきの生活習慣やストレスなどに応じて、日々刻々と変化しています。RNAは、DNA(マスターブック)から必要なページを写し取った「レシピの写し」のようなもので、実際にタンパク質 (料理) を作るための指示書として働きます。DNAに記された設計図をもとに、RNAは身体の状態や周囲の環境に応じて、必要なタンパク質を作るための指令を出しているんです。

――RNAには、過去数ヶ月から現在までの、身体の状態が反映されるということですか?

柳澤:おおむね、そう思っていただいて構いません。さらに、そんな現在の身体に対して「これからどう対応しようとしているのか」も分かるんです。たとえば、紫外線をたくさん浴びたから、体内で炎症を鎮める物質を作ろうとしている、などですね。

――少し先の、身体の未来までわかってしまいそうですね。他にもRNAの特長はあるんですか?

柳澤:もう一つの特徴として、先ほどDNAは基本的に一生変わらないとお話ししましたが、毛根や口の中の粘膜など、身体のどこから採取してもDNAの情報は同じです。一方でRNAは、採取する部位やタイミングによって、状態に違いがあるんです。

――つまり、肌のRNAを採取すると、肌がどんな環境にさらされて、今後どうなるかが予想できるということですか?

柳澤:その通りです。肌の過去、現在、未来を知るために、花王は世界で初めて、皮脂からRNAを採取して網羅的に解析する「皮脂RNAモニタリング技術」を開発しました。

世界初、花王独自の「皮脂RNAモニタリング技術」

――世界初とはすごいですね。具体的にどんな技術なのか教えてください

菊池 祥さん(以下菊池):これまで肌のRNAを解析するには、皮膚を切り取るなどして採取する必要がありました。花王は長年の皮膚科学研究から、皮脂にごく微量のRNAが存在することを発見したんです。皮脂ですから、あぶらとりフィルムで採取できます。

――あぶらとりフィルム! それなら誰でも簡単にできますね

菊池:採取は簡単ですが、そのあとの解析には高度な技術が必要です。繰り返しになりますが、皮脂にはごく少量のRNAしか含まれておらず、さらにRNAは壊れやすいという特徴があります。そのため、少量しかないRNAを増幅したり、不純物を取り除いたりする分析法の構築はもちろん、皮脂サンプルの輸送や保管にも気を使って取り扱っています。

柳澤:中でも解析の際には、皮脂から手作業でRNAを抽出し、温度などを厳密にコントロールした実験条件下で適切に処理します。RNAが解析に適した量と品質に達していることを確認し、次世代シーケンサーと呼ばれる分析機器を使って2,000種類以上のRNAの量を解析します。本当に地道な作業ですね(笑)

――2,000種類以上! 大変ですね

菊池:そんな研究員の努力もあって、いろいろな事が分かってきました。まずRNAの発現には個人差があるということ。さらに、同じ人でも解析する時期によって、RNAの発現状態が変化するということです。

皮脂RNAから判明した、新しい「肌タイプ分類」

5,000人以上の皮脂RNA解析から判明した事実

菊池:先ほど個人差があるとお話ししましたが、一方で「皮脂RNAには、どのくらい共通項があるか」についても研究しました。5,000人以上の皮脂RNA解析の結果、大きく分けて2つのRNA肌タイプに分類できることが分かったんです。

――2つのRNA肌タイプ! それぞれどんな特長があるんですか?

柳澤:1つは「肌の角化に関するRNAの発現が高いグループ」です。もう1つは「肌の免疫応答に関するRNAの発現が高いグループ」ですね。

――すみません、難しくてよく分からないのですが…。1つは生まれ変わりがスムーズな肌、もう1つはダメージに強い肌というイメージで合ってますか?

菊池:そこが皮脂RNA解析の難しくもあり、革新的な部分でもありますが、「既存の肌タイプ」には合致しないんです。ひとくちに「免疫に関与」といっても、実際に関与しているRNAはいくつもあって、それらは複雑に関係していますから、一概に「こんな肌です」とはいえないんですね。

柳澤:あくまで「皮脂RNAを基準にしたグループ分け」と考えていただけたらと思います。

菊池:もちろん、皮脂RNA肌タイプと、実際の肌表面の状態を比較する研究も行っています。その結果、2つのRNA肌タイプでは、肌が明るさやなめらかさ等の視点での違いも見えてきました。

スマホでRNA肌タイプが分かる!「RNA肌遺伝子モード」とは?

花王の皮膚科学研究とAIを融合した解析技術

――RNAに注目した肌タイプの分類って初めてですね。あぶらとりフィルムで皮脂を採取すれば、自分がどちらの肌タイプか分かりますか?

菊池:分かります。ただ、皮脂を採取してラボで解析するとなると、どうしても時間もコストもかかってしまう。そこで花王は、「AIによる画像解析技術」を取り入れ、ご自身の顔写真からRNA肌タイプを推定する技術を開発しました。この推定結果を、「肌遺伝子モード」と呼んでいます。

――すごいですね。それは、たとえばスマホで自撮りをすれば、自分のRNA肌遺伝子モードがわかってしまうということですか?

柳澤:その通りです

――顔写真だけで、どうしてそこまで分かるのですか?

菊池:2つの皮脂RNA肌タイプにはそれぞれ「肌表面に現れる現象」の傾向があります。そこで、皮脂RNA肌タイプと、その方の顔写真を、数千人規模で検証したんですね。この膨大なデータをもとに、花王が培ったスキンケア研究の知見と、AIの力を融合して構築したのが、顔写真から「RNA肌遺伝子モード」を判定するアルゴリズムです。

――スマホで診断できるなら、多くの方が試せますね

柳澤:そうですね。RNA肌遺伝子モードは、同じ人でも時期によって変化します。つまり、年齢や既存の肌質といった静的な基準とはまったく異なる肌タイプの捉え方なんです。RNA肌遺伝子モードを活用すると、コスメの選び方が劇的に変わるのではないかと考えています。

@cosmeのクチコミと融合して、 コスメの選び方が劇的に変わる!?

――コスメの選び方が変わるとは、どういうことですか?

菊池:コスメを選ぶ際、これまでは「乾燥肌なら保湿」とか「オイリー肌なら皮脂対策」というふうに、肌質や肌悩みで選択する方が多かったと思います。メーカー側も、スキンケアを「さっぱり」「しっとり」や、「シミ」「シワ」など肌悩みに対応する形で提案してきました。ところが、それだけでは効果に満足できない方が一定数いたのも事実です。

――確かに、肌は季節によっても変化しますし、自分に合うものを見つけるのは難しいですよね

柳澤:RNA肌遺伝子モードは、保湿ひとつとっても、さまざまな方向の対応があることを示す指標です。RNA肌遺伝子モードを知ることで、「そのときの肌にどんなスキンケアを使ったらいいか」のヒントが分かります。

菊池:いま、我々がアイスタイルと協力して取り組んでいるのが、RNA肌遺伝子モードとコスメのクチコミを紐づけて、コスメと出合う機会を作る試みなんです。

――それができたら、とっても革命的ですね。コスメ選びの失敗が減りそう! @cosmeとは、どういった関わり方だったのでしょう?

菊池:まず@cosmeで承諾を得られた会員の方に、皮脂とクチコミの情報を提供して頂き、RNA肌タイプと商品評価(クチコミ)との関係を解析しました。その結果、RNA肌遺伝子モードによって、同じようなクチコミ評価の製品もあれば、大きく評価が分かれる製品もあることが分かりました。

柳澤:このデータを活用すると「同じRNA肌遺伝子モードの人が、どんなコスメを評価しているか」が分かります。年齢や既存の肌質に当てはまらない、新しいコスメ選びの指標ですね。

――確かにこれまでとは、コスメ選びの常識が変わりそうですね…!

柳澤:これまで、何となくご自身で感じていた肌質や、既存の肌診断とはまったく違う軸の選択肢ですね。スマホでご自身の顔を撮影するだけで分かるという、手軽さもポイントだと思います。

菊池:皮脂RNA解析は新しい研究領域ですが、将来はコスメだけでなく、ヘルスケアや他分野でも応用可能な技術だと考えています。今回、@cosmeアプリで初めてリリースされる“お肌のケアどき診断”は、データが蓄積するほど知れることも増えていきます。花王とアイスタイルの3年以上に渡る共創から誕生してますので、ぜひ多くの方に活用していただけたら嬉しいです。

“お肌のケアどき診断”が、@cosmeアプリで試せる!

RNA研究成果を基に開発された独自AIで、お肌の画像情報を統計的に分析した属性情報である「肌遺伝子モード」が分かるようになりました。この「肌遺伝子モード」を活用し、自分に合ったコスメとの出会いが期待できる“お肌のケアどき診断”が、@cosmeアプリにて、2025年5月21日(水)より*1スタートします。気になる方はぜひ試してみてくださいね。

*1…“お肌のケアどき診断”は、5月21日(水)より順次リリースする最新版アプリよりご利用いただくことができます。 5月26日(月)頃には、皆さまに最新版へのアップデートが可能となる予定です。5月21日(水)時点でアップデートができなかった方は、大変申し訳ございませんが、5月26日(月)頃までお待ちいただきますようお願いいたします。

アプリのダウンロードはこちらから

まだアプリをお持ちでない方は、ぜひ下記の画像をタップしてダウンロードしてみてください!

▼推奨環境(2025/5/21時点)
NTT docomo、au、SoftBankのいずれかより発売されているiOS 16.x.x以上の端末

▼推奨環境(2025/5/21時点)
NTT docomo、au、SoftBankのいずれかより発売されているAndroid OS 12.x.x以上の端末

※最新の@cosme推奨環境はこちらをご確認ください

花王 研究者プロフィール

菊池 祥さん

花王株式会社 研究開発部門
スキンケア研究所 グループリーダー

2008年 花王株式会社入社。長年肌の解析技術に携わるエキスパートであり、スキンケアの商品評価に対する研究成果をもとに、製品やサービスの開発を行っている。現在は、RNA肌遺伝子モードに関する応用研究を推進中。

柳澤 洋輝さん

花王株式会社 研究開発部門
スキンケア研究所 研究員

2018年 花王株式会社入社。入社から現在まで、皮脂RNAモニタリング技術の実用化に向けて、皮脂RNAの解析を担当。現在はRNA肌遺伝子モードを「自分に合うコスメ選び」に活用するための価値開発に携わっている。

【スタッフクレジット】
カメラマン:平間 杏菜
ライター:宇野ナミコ

「お肌のケアどき診断」使い方&診断結果の見方をチェック!

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