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土地の名前

土地の名前

小さい頃、住んでいる町の名前がE町からY町に変わった時のことを覚えている。毎日遊んでいた公園の名前まで変わってしまって、さみしかった。そして、また住んでいる土地の名前が大きく変わろうとしている。
特別区設置協定書にかかる大阪市の住民投票が間近になって、選挙カーによる広報や投票広報がにぎやかになりだしました。
橋下大阪府知事が、大阪市長になった時点で、ほぼほぼ、特別区設置は民意を得たんだろうと思うので、私は自分の住む土地が「北区」に変わることも、そして特別区という権限も財政も一般市町村より格下の基礎自治体になるということも、二重行政の解消どころか、さらに煩雑な行政組織になるだろうということも、あきらめながら、心づもりしている。
大阪府の大阪市以外の地域が抱える莫大な借金を返却して、大阪府がなんとか自治体間競争に勝ち残るためには、財源を持つ大阪市からもぎ取るしかないという主張。
この乱暴なやり方の提案について、提言している人自身が大阪市のリーダーに担がれていて、でもこういうやり方があるじゃないか、という代案を展開する勢力がまとまっていないなら、住民投票の結果は、「賛成」に固まるのだろうと思う。
だって、大阪市民は、橋下さんを市長にえらんだんだから。自分たちの地域の自治権が根こそぎ奪われて行くことを、あまり細かく考えることが苦手で、派手なことの好きな私たちは、やすやすと選んでしまうだろう。(なんせ、かつて横山ノックを大阪府知事に選んだ土地柄だ。)
後戻りができないのに。
特別区の協定書は白紙委任に近い内容で、承服し難いが、大阪市ばかり栄えても確かに大阪の未来はないんじゃないかと思うので、「かいたいされる大阪市民がこうむるデメリット」をあらゆる意味でのみこんで、今回の住民投票は臨もうと思う。





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