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★セルジュルタンスの香りと香木には共通点があった(母の日の為に贈った香り)

★セルジュルタンスの香りと香木には共通点があった(母の日の為に贈った香り)


Check out : The Ginza shiseido, Shop Online for Serge Lutens
http://www.theginza.co.jp/sergelutens/list/

セルジュルタンスの香水は、以前に焼きたてのパンの香りのする香水とやらを試した時から、わたしには無理!と一線を引いていました。

しかし、このメゾンは現在も世界のセレブや業界人には根強い人気があるようですね。

自分の好物のバターブレッドや、フランスでは縁起が悪いとされる花(カーネーション)を敢えて香水に取入れてしまうなど、個人的に、自己主張の強いクリエーターだなという印象を持っています。

と言いながらも、昔、資生堂のインウイで見たクリエイティヴな映像作品の数々は非常に印象深いものがありました。あのプロモーションに魅せられて、インウイを衝動買いしてしまった女性たちも少なくなかったでしょう。私もその一人でした。

母の日に贈った香りは、フェミニティドゥボワ、日本名は、木のフェミニティ。

ネーミングも小洒落てますね。
いくつかの香りを試させて頂いているうちに、これに出会いました。

わたし自身は、この手の香りは好みではないのですが、わたしが知るウッディベースの香りの中では非常に完成度が高く、芸術的な香りだと思ったと同時に、初めて嗅ぐ香りなのに、なぜか懐かしささえ感じました。

なぜなら、母を思い出す香りだから。

母は大の香木好きでありコレクター。お香から始まり、数珠、扇子、練香と揃え、昔から家そのものに香木の香りが染み付いており、私たち家族にとっても常に慣れ親しんできた香りでした。

昔、母と京都を訪れた際に立ち寄った老舗で、手にしていたお香とルタンスのこの香りは、どこか相通ずるものがありました。今でも記憶に焼きついていますが、小さな木箱に入った僅かなお香と引き換えに、万札を何枚も出している姿には本当に驚かされたものです。
今でこそ、その価値感を理解できるようにはなりましたが、当時は全く理解不能でしたね。

こんなお寺臭い物になんの魅力があるのかと。

そんな訳で、今年は、母の日のプレゼントとして、バイヤーの友人を通し、ルタンスを買い取る事に決めました。どういうリアクションをするのかも楽しみでした。

とは言え、香水だけは好みが大きく分かれるので、これは一つの賭けでもありましたが、結果、買って正解でした!

母の嬉しそうな笑顔と反応を見て一安心しました。



ここからは、ほとんどが母からの受け売りです。

母も、沈水香木に近い香りがするとすごく驚いていました。

これ、伽羅の香りに似てるよね?とよくよく聞き直すと、実際には伽羅ではなく、上質な白檀(英語名はサンダルウッド)にハチミツや木炭などを煉り固めた練香(正露丸を直径1センチ代に大きくしたような香り玉)、あるいは、羅国と言われる沈香に限りなく近いそうです。

伽羅は上質な物ほど重厚で苦みが強いのが特徴だそうですが、羅国は、香ばしく砂糖菓子のような甘さがあり、伽羅よりも香りの強度は弱めだとか。
逆に、白檀は、沈水香木とは全く別物で、熱を加えずとも芳香を放つのが特徴。

練香は、平安時代から存在しており、「梅花」「荷葉」「菊花」「落葉」「侍従」「黒方」「六種薫物 むくさのたきもの」といった処方によって違う種類に分けられています。

当時の目的は香りを楽しむ他に、消臭や衣類の防虫にも使われていたそうです。
今日では茶道(抹茶)で用いられる事が多いそうで、?香道で使うお香は、線香でも練香でもなく、香木そのものを細かく刻んだものだとか。

これで雑味のない純粋な、香木本来の香りを楽しむことができるのだそうです。

私は、今まで香木について大きく認識を誤っていたようです。

沈水香、伽羅、白檀は、すべて異なる香木から採取されるものだと思っていたのですが、
沈香とは総称で、沈香にも様々な種類があってランク付けされており、その中で最も上質な香木を「伽羅」と呼ぶそうです。伽羅は昔から珍重されていて、特に高価な物だったようですが、最近では採取自体が非常に難しく、より一層希少性が高くなり、2グラムほどでおおよそ,2万円から3万円が相場となっているようです。

これだけ色んな蘊蓄を語られた後に、この香水の原料は何かと聞かれ、「アトラスシダーウッド」がベースで後はシナモンとか色んなスパイスで木と女性らしさを表現してるらしいのよ。としか、答えらなかった自分がなんだか情けなくなりました。(泣)



それにしても、香道含め、香りの世界って奥深いですよね。
香木は100年以上経っても香りが消えないというのも不思議な話ですし。

正に、香りの神秘!

自然の成せるワザなのでしょうね。

母と久しぶりに会話をして感じた事ですが、わたしも年を重ねる事に、香道(香木)の魅力がちょっとづつ分かりかけてきたような気がしました。

こちらの香りは、未だ業界人にも根強い人気があるようで、私のクリエーター仲間にもちらほらファンがおります。ほとんどは男性(ゲイ)ですが、女性でこれを大胆に纏っていて許せる人と言ったら、、、

わたしの母と、シャネルのツイードを着て颯爽と闊歩するアナウィンターくらいしか思いつきません(笑)

自己を確立していて、生き様が表情に滲み出たパワフルでやり手な女性に似合う香りだと思います。


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コメント(21件)

  • AtIi様のような方でしたら既にルタンス以外にも伽羅に似た香りは沢山試されているのではないでしょうか?しかしこちらも香木に限りなく近いのでぜひ試されて下さいね。コメントありがとうございます★

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    2015/5/18 23:13

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  • AtIi様、はじめまして。インウイはとても印象的でしたよね。私も母との会話で認識を改めました。それにしても香り上級者の方々に共通して言える事は皆様ゲランや和の香りを好まれる方が多いんですよね。私も香りは好きですがその逆で万人好みなので香木の良さを知るにはまだまだ時間がかかりそうです。

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    2015/5/18 23:09

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  • (続き)実は伽羅の香り(線香)を香木店で試したことがあるのですが、繊細すぎて私の鼻ではうまく嗅ぎ分けられませんでした(悲)木の香りは大好きなので、畏れ多くもフェミニティドゥボワ今度試香してみたいと思います。

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    2015/5/18 21:57

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  • こんばんは、初めまして。亀コメ大変失礼いたします。私もインウイのCMに魅せられ、薄給の中頑張って購入したクチです。香木好きのお母様をお持ちで、慣れ親しんでいらっしゃるとは素敵ですね!沈香にランクがあるのは知っていましたが、伽羅は別の香木だと思っていました。

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    2015/5/18 21:55

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  • キトキト様、非常に興味深く読ませて頂きました。そちらにコメントできないのが残念で仕方ありません。また時間も忘れ夢中になって読みふけっております。気になるアーカイヴが多すぎて、少しずつ読ませて頂きたいです。キトキト様とのやり取りは@コスメに参加して以来初めて有意義な物となっております。

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    2015/5/15 09:53

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  • しかし、今日も香道が茶道のように広まらなかったのは、やはり高価で贅沢な事が理由で現在ももっぱら情緒豊で経済的に裕福な人々の趣味となっています。香りを聞く、ステキな表現ですね♪

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    2015/5/14 08:55

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  • キトキト様、無臭を好む方がこの記事に興味を持って頂きありがとうございます。そちらの光琳展興味深いですね。今では国宝にもなっている、らんじゃたいですが、信長の時代はそれら香木を贅沢に用いて香りを言い当てる遊びの文化がありそれが香道に発展したと聞きます。源氏香は季節問わず楽しめたものだそうです。

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    2015/5/14 08:43

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  • お邪魔します、相変わらずの、セルジュルタンスの、美しくも儚い映像に、癒されました。有難うございます。(*^o^*)

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    2015/5/14 08:09

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  • →源氏香の図を元にデザインされていると聞きなんぞや?と調べると、日本の古来から香りを鑑賞する遊びがあると知り、まだ見ぬ香道という奥深い世界に想像を巡らせていました。我が家は無臭が一番で、香りが苦手なのですが、「香りを聞く」という世界はおもしろそうですね。

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    2015/5/14 00:49

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  • 今開催されている根津美術館の光琳展で、香木を包んでいたという香包という作品を見て、その粋さにノックダウンでした。包装を開くごとに絵が展開して広がり、最後に現れる香木。それがどんなものなのか、片鱗を見せていただいたようでタイムリーな記事でした。香道という世界を知ったのは、箱根ハイアットの浴衣の図案が→

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    2015/5/14 00:44

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  • LEI-CHEUNG様、嬉しいお言葉をありがとうございます。「あなたもそろそろ良い年齢だから教えるけど」と、前置きされて聞かされた話をまとめただけですが、興味を持って頂けて良かったです♪

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    2015/5/13 23:31

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  • コチラの記事にいくつもの魅かれる言葉や香木のお話など、何度も読み返してしまいます。クリップさせていただきました。また、素敵な記事お待ちしております。

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    2015/5/13 22:48

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  • 水虎の尾様、はじめまして。インウイ復活されたら相当盛り上がるでしょうね♪初期のTHE EYES の玉虫系の発色はホントに印象的でしたよね。外資系に引けをとらない美しさでした。ルタンスの香りは独特なので好みが分かれますがぜひ一度お試し下さい☆

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    2015/5/13 22:42

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  • 紅色鶴様、こんばんわ。そちらの記事も興味深く読ませて頂いております。フェミの口コミも先ほど拝見してきました。それにしても香りの口コミって人によって様々で読んでいて楽しいですね♪イメージ的に紅色鶴様のような方ならお似合いになる香りだと思うのでガンガン纏ってこの手の香りを国内に浸透させて下さいませ

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    2015/5/13 22:33

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  • Ryan様、私の嗅覚は貧しいので嗅がせるまで不安でしたが今回はストライクで良かったです♪参考になったようで、母も喜ぶと思います。ありがとうございます☆

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    2015/5/13 22:25

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  • お母様に喜んで貰えて良かったですね~。いや、興味深く読ませていただきました。・・・ええと、じつは私もフェミティテ持っていてすごく好きな香りで愛用してるんですが、こちらの記事を読むとちょっと付けるのを憚られます・・・そんな奥深い香りなのかと(^▽^;)クリップさせて下さーい^^

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    2015/5/13 10:13

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  • お母様に気に入って貰えて良かったですね♪それにしても香木の件は興味深くてクリップさせてくださいね♪

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    2015/5/13 07:47

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