
『ストロベリー・フィールズ』小池真理子/中公文庫
翻訳や研究がらみで読む本は、言語を問わず、難しいものが多いので、
プライベートで読む本は、恋愛小説やエッセイ、ミステリー等など、
テンポ良く読みすすめられるものが好き。
でも、1番良く読むのは、自分と世代の近い女性が主人公の恋愛小説かな。
コチラは、3月25日に文庫本として発売された『ストロベリー・フィールズ』。
自分と世代が近い主人公・夏子が、若い男性と出会い、
女性としてどのように変化していくのか、という興味に駆られ一気に読んじゃいました。
主人公は、出版社社長の後妻となり、鎌倉でクリニックを営む医師・夏子。
そんな彼女の平穏な毎日が、前妻の娘の友人、青年・旬との出会いによって、
少しずつ変わっていくというストーリー。
読む前は、若い男性との官能的な関係が描かれているのかと思っていましたが、
予想とは全く違った結末。
後味が悪いわけではないけれど、何となくすっきりしない読後感。
主人公・夏子の女性としての本当に幸せって何なんだろう・・・?
個人的には、もう少しすっきりとした結末の方が好み。
小池真理子さんと言えば、一筋縄ではいかないストーリー展開が魅力。
それに、頭の中にパーッと映像が広がる丁寧な描写は、さすがです。

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