白いスニーカー。
風をはらむトップスのシルエット。

夏らしい表紙が印象的な、ベルリンの写真家、ムンカーチ・マールトンの写真集
「Martin Munkacsi」(Martin Munkacsi/STEIDL)をご紹介致します。
30年代、ファッション誌 ハーパース・バザーなどでも活躍し、ファッションフォト界、またファッション界そのものに大きな影響を与えた人物でもあります。
元々新聞社でのスポーツカメラマンをつとめていた彼の写真は「ファッションフォトと報道写真の融合」と度々表現されます。
当時、スタジオ撮影が一般的だったファッションフォトにおいて、屋外撮影や、群衆撮影など、モード写真とは一線を画した、モデルのナチュラルな表情を切り取った手法が評価されました。
今では、ごくごく一般的ではありますが、その昔は前衛的だったようです。
汗ばんだ肌も、静謐なモノクロ写真で見ると、どこか涼しげです。
夏の喧騒や、みずみずしさ、ちょっとした気怠さ。
水しぶきの美しさ、緊張と弛緩。
この季節、この気持ちのまま、ページをめくりたい一冊です。
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