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「直子の言葉探し」

「直子の言葉探し」

朝、スマッホンが鳴る訳である。ポーンと。それはおそろしいことなので、私はしばらく聞かなかった、見なかった否見ないことに…、違う。『無視を決め込む』。
聞いたけれど、無視。とりあえずアイッフォーンーをひっくり返して、ロック画面を見たには見たが、断固、無視。無視である。そう、これはまさしく無視。
そうこう「無視」をやっているうち、本当にわたしはそいつのことを忘れちまった。何の気なしに、数分も立たず、画面をスワイプさせ、現れたのは、あなや、ポーンの元凶。
見たくなかったアプリ画面!更に通知音!ポーン!アプリ内画面が親切にも無慈悲に移動!更に見たくない部分を見せつけんとする!
ギャッ、と悲鳴をあげてアイッホンを投げ出し、私は叫んだ「今からお前はゴキブリだ!」
まさしくその黒いのは、そうあのギャっとなる黒いのは、ゴキブリである。すくなくとも心的ゴキブリであることには違いない。今この瞬間は。
私はすぐさまいやだいやだいやだと念じた。(心的ゴキブリは何しろ潰せないのだし)
けれども、いやだ、などとまたネガティブなことばっかり唱え続けるのは悪いことだなあ、これじゃあまたメランコリー親和型の性格が、うっかり悪さをしでかすやも知れん、思い直し、今度は嫌じゃないと唱え始めたが、
すぐに気付くと自分を心の中で叱りつけ、「嫌なものは嫌なのだ!何べん言い聞かせたことか、そういうふうにやるからに、お前はメランコリをこじらせる!」気合い、一喝。
「いやでもない」に即座に変更す。いやでもない、いやでもない、いやでもない。
なお、「言うほど嫌でもない」の意で唱えているが、長過ぎるのでこうなった。「悪くない」も浮かんだが、それはやっぱり悪いものは悪いというので、本格的な問題解決ではない。
そうだ、嫌はいやでも、言うほどの騒ぎじゃあないのである。そういつものように深刻なメッセージが待っている訳でも無し、それを考える為に、またこうして、何が適切なのか、こうでもないああでもないと、頭を悩ます必要もないのである。

私の頭は、しじゅうこういった具合に働いてばかりで、私はこれに「ノルウェイの森」の直子病、と名付けている。そしてそれをまた、個人的にぴったりだと思っているのである。
またこれについて書こうとすると果てしないことになるのでそうして、そのメッセージがどうして悲鳴ざたのものなのかも、語るとおそろしいので、初の文章がコレで良いのだろうかと思いつつも筆を置く。かしこ。

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