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息苦しい、だけど。

息苦しい、だけど。

運動不足は身体よりも「心」を追い詰めていく。
熟睡を求め、ジムを休んで浮いた会費でシューズを買い、週末は夫と「仕方なく」走っている。
コースは夫が決めて、目的地と距離、目標時間を言われて走り出す。

走るのって、楽しい~

…ワケがない σ( ̄∇ ̄;)。

単純に走るだけなんだもん。
いったい何が楽しいの?って正直思う。
だいたい走り始めて10分くらいが一番キツイ。
息が上がり、汗が滲んで来る一方で、折れそうになるのは心だ。

「まだ行きなのに、こんなにしんどくて帰りまで持つかしら」

こういう先行きを不安視する気持ちが、心を左右し疲労感が増す。
ああ、もうダメだ、帰りたい。
メンタルと言うのは、実に大きいのだと実感する。

単に走っているだけだから、頭の中には思いが巡る。
景色を見よう、腕を振ろう、あの信号が赤になりますように。
意識を他に向けようとしても、夫の背中が、どんどん遠くなる。

こうなったらヨガの瞑想と同じだ。
流れて行く目の前の地面を見つめ、今走る事だけに集中する。
呼吸にのみ意識を向ける。
ただ淡々と、走るだけ。
そうしているうちに目的地に着くはず。

うん?
話が戻ったぞ。
「単に走るだけなんだもん。何が楽しいのか」
走るだけ。それだけ。

「なぜ山に登るのか、そこに山があるからだ。」

夫は登山も趣味として海外の山にも行く。
私にしてみればマラソンや登山は、究極の「M」だ。
頂上から見る風景に感動するのも、
走り終わった後の爽快感や達成感も、
そこに至るまでの苦しさが、そうさせているだけだ。
つまり、自分を痛め付けて落としといて、やりきった気持ちで自分を誉めてる。

夫は反論しない。

「他で達成感が得られない中で、趣味で得て何が悪い」

あらそう。

(丿 ̄ο ̄)丿

まあ、いいけどさ。

ゴキちゃんと紫外線を最大の恐怖に捉える私が、このご時世で何故か走っている。

そう、何でこんなことしてるんだ?
もう、そんな事考えちゃダメだ。
今、走ることだけに集中して。
もう目的地は「家」だ。

確実に思うのは、夫がいなきゃ私は絶対に走れない。
夫に弱音を吐くのが悔しいというのが大きいが、たとえ吐いても、足がつっても、迷惑かけても。
もう走れない、もう嫌だと喚こうが。
何があっても確実に家に戻れるという安心感がある。

結婚して四半世紀、別に何を話すわけでもない。
ただ無言で一緒に走る。そして水飲んで家に戻る。
ひとりだとハードルが高くて出来ないことが、できたりする。


連日のコロナ騒動で、閉塞感が人をネガティブにして行く。
こういう時、ランニングと同様に心を静止する。
終わったこと、この先の不安を考えず、今できることにのみ集中する。

そして思う。
我慢をしている、耐えているのは自分だけじゃない。

だってだって、結婚式を取りやめた人もいる。
甲子園で試合ができなくなった球児もいる。
明日からどうやって食べていくのか家計が逼迫したり、
毎日感染の危険に晒されながら命と戦う医療関係者の人も。

楽しみにしていたことがなくなったり、
ジムやお稽古事を休んで家にこもったり、
それくらい、全然大したことじゃない。
何にもしない、家にいるだけなんだもの。

白血病でオリンピックが消えた池江選手は、ひとりで闇の中に追いやられた。
それでも多分、たくさんの人に支えられて乗り越えて来た。

私たちは、息苦しくてもそれは自分だけじゃない。
あれこれ考えず、目の前のことにのみ意識を向けて。

その中で小さな楽しみを探してみる。
汗だくで帰って、シャワー浴びて。
夫はビール。
私はふるさと納税で届いたハーゲンダッツを。

目的地は、家。

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