1391views

「新」と「在」の、違い2

「新」と「在」の、違い2

じゃ、発車するで。
答え合わせや。

東海道、山陽、九州、北海道、東北、秋田、山形、上越、北陸、
仲間はずれ2つ。
答えは……





こいつらじゃ。
山形と、秋田や。

じゃなんで仲間はずれなのか、それは……
……
……
新幹線じゃないからや。


……
なんかいま、おかしなこと言うてると思ってるかもしれへんけど、実はこの2つは新幹線じゃないねん。


じゃまず、山形新幹線から。
山形新幹線てのは、東京から福島まで東北新幹線の線路を走ってるけど、その先は在来線の奥羽本線に乗り入れて、山形の新庄まで走ってるんや。

……
ん? なに?
新幹線と在来線て線路幅が違うんちゃうの、て?

そう。
さっき言うてたよな。そうなんやけど……
ここから話はさらに難しくなるで。ついてきてや笑

たしかに線路幅は違うと先に説明したけど、山形新幹線の開業に合わせて、奥羽本線の福島ー新庄間てのは、実は線路幅を新幹線の幅に変更したねん。
じゃ在来線はどうなったのかというと、新幹線の線路幅に合った台車を装着して在来線の車輌も走らせることにしたんや。
その区間は線路幅だけを変えたのみで、駅の設備とか信号のシステムとかは在来線のまま。
山形新幹線のE3系はそれに合わせて、ほかのE5系よりもサイズが小ぶり。
指定席も3×2じゃなくて2×2、乗降時にステップが出る仕様になったりしてる。

山形「新幹線」と名乗っているのはあくまでも案内上の都合であって、山形新幹線線内の実際の運用は在来線準拠、最高速も130km/hに抑えられてる。
こういう在来線規格で走る新幹線路線を「ミニ新幹線」て呼んでるねん。
対して東海道山陽東北などは「フル規格」とか「整備新幹線」て呼ばれてる。
(正しくは東海道、山陽、上越、東北の盛岡以南は「整備新幹線」とは呼ばない)


で、一方の秋田新幹線はというと、東北新幹線を盛岡まで走って……
盛岡からはまず在来線の田沢湖線に乗り入れて大曲まで。この区間はさっきの山形新幹線と同じで、線路幅を新幹線サイズに変更。在来線車輌の台車を交換。
そしてその先、大曲から秋田の奥羽本線は、複線(上下線)の在来線の片方を新幹線サイズに変えて、さらに、一部区間で在来線の線路幅を残しながら、新たに新幹線も通せるように線路を敷いた。
こんなかたち。
(Wikipediaより)
なんとなくわかるかな。
左の1本は新幹線在来線共通で使用して、右の2本は、左側が在来線車輌、右が新幹線車輌が走る。こういう線路の敷きかたを「三線軌条」て呼ぶねん。


ミニ新幹線の区間て面白いで。どっちも乗ったことあるけど、在来線に乗りながら新幹線とすれ違うのは普通とは違う感覚。
よく自分のことを「44歳184cm高身長女子(在来線)を目指してる44歳184cm高身長ブサメン(新幹線)」とか言うてるけど、それに例えたらこの区間、混浴みたいなもんや(何)



で、新幹線と在来線の線路幅についての話をしたついでに、もうひとつのネタを。

いま建設中の、ニュースでよく取りざたされてる長崎新幹線には、「フリーゲージトレイン」というのが導入される予定やった。
↓参考動画
線路幅に合わせて台車で車輪の幅を変える。
いまある在来線の線路を生かしながら新幹線車輌を乗り入れさせることで、まず新線建設のための用地取得が不要、山形新幹線みたいに線路幅を変える工事も不要と、建設費を大きく圧縮できる。在来線規格で走るからフル規格に比べたら速さでは敵わへんけど乗換も不要、といういいことづくめの車輌やったんやけど、安定した走行性能が得られへん(スピードが出されへん)などの問題をクリアできずに、導入を断念した。
長崎新幹線に関しては、政治的なものもいろいろ絡んでくるから、ネタにするのは難しいけど、夢のような列車が走ることになったかもしれへん、てことだけ紹介しとくわ。



ほな、そろそろ終点やで。
本日も珍快速ワイのブログをご覧いただきありがとうございましたやで。
難しい話やったけど、お読み忘れのないようお支度くださいやで。




このブログに関連付けられたワード

このブログを通報する

コメント(0件)

旅行 カテゴリの最新ブログ

旅行のブログをもっとみる