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地方交通の、現実

地方交通の、現実

仕事終わってゆっくり風呂入ってたら、時計見たら6:00p.m.。あした帰るから、もう1つ乗っときたいとこあるのに。

ふう、間に合った。
きょう乗るのは、JRの越美北線、通称「九頭竜線」ていう路線。まぁいわゆる、ローカル線というやつやけど、それに乗ってみる。

そういや福井に来た初日、時刻表載っけたけど、

1日9本、終点の九頭竜湖までいくのはその半分で、途中の越前大野までの区間運転。これは1本のがしたらえらい目に遭うやつやな。

ホンマは19:03発のやつに乗って全線乗り通ししたいとこなんやけど、折り返しが福井まで行かへん、てことは帰られへんので……。

18:22分発、越前大野行き。
久しぶりに乗るなぁ、キハ120。普段の電車よりも小柄な気動車、JR西日本の非電化ローカル線の主役。


さあ出発。しばらくは北陸本線の線路上を走って、最初の駅の手前で分岐する。

越美北線は全線単線の路線。
この路線もこの時間帯は通勤通学客メインで、立ち客もちょっといてた。2両編成やったけど、これ1両単行ならぎゅうぎゅうやろな。


ごく一部をのぞいて、このように簡易に作られたホームと小さい待合室があるのみの駅ばかり、寂しい雰囲気が。
越前朝倉氏の居城のあった一乗谷も、駅はあんな感じ。


美山て駅で下車する。
さてここで何をするかというと……

実は、なにもない。
何もないねん。

ベンチがあるだけの駅。外に出たら待合室らしきものがあったけど真っ暗で、電気つけるところもわからんかったから、しょうがなく周辺を見て回ったけど、近くにあるのは郵便局ぐらい。

駅前の看板、木製でええ感じなんやけどね。

パークアンドライド。地方路線でよくやってる、駅までクルマで乗りつけて停めとくていうやつ。
この駅で学生が何人か降りたけど、ここまで親御さんが迎えに来てて、クルマで帰っていくのを見た。


40分後、19:03福井発の九頭竜湖行きとの列車交換(行き違い)で福井行きの列車が来たから、これに乗って帰るけど……。
さて、先にも言ったとおり、この路線は1日9本、なんでそんなに少ないのかというと……
この駅のように列車の行き違いが出来る駅が少ないからやねん。

(Wikipediaより)
これが路線図、丸がついてるのが主要駅、左から福井、越前大野、そして終点の九頭竜湖なんやけど、列車の行き違いが出来る駅がこの美山と越前大野てとこだけなんや。
これは画質粗くてあれやけど、車内の路線図。

ワイ絵心ないから(何)こんなんやけど、路線のなかで3編成しか列車を走らせられへんわけやねんな。これでは効率的な運行を出来へんわけで、乗客側としても普段使いとして利用しづらい……全23駅中、中心駅の福井や越前大野はともかく、19の駅で1日の平均乗車数が50人を切ってるそうで、なかには1桁て駅もある。

そうなってくると、出てくるのが路線の存続問題。この路線だけでなくて、日本全国で取りざたされてる問題や。とりわけJR北海道は保有するすべての路線で赤字というとんでもない状況で、そのうち北海道から鉄道がなくなる……とまで言うのは大げさやけど、将来はそれに近い状態にまでなってしまうともいわれてる。
ただ、利用が増えるように増便とかしようにも、設備の増強にも相当な額がかかるし、それをペイできるまでの利用増となるのか……といわれるとかなり厳しいと言わざるを得ないと思うんや。

こういった路線では、地域の現状に見合った公共交通のかたちを新たに模索し、結果としてあるいは廃線を受け入れるという道を選ぶかもしれない……この越美北線は、いままでに乗ったどの路線よりも、その可能性が高いと感じた。
まあ、15年前の豪雨で橋が流出して不通になったのを、3年がかりで復旧させた路線やから、そう簡単には無くさへんと思うんやけどね。
いまはまだいい、でもこの先はどうなんやろ。この路線の将来は、はたして……


↓参考動画
路線ではないけど、廃止された駅の話を。
いまあるかたちが絶対じゃない。時代、情勢とともに姿を変える必要も……それは公共交通も同じやと思うんや……






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