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プワゾンの匂う女

プワゾンの匂う女

大昔、一緒に遊んでいたスイス人のハナシです。

そのカレはトルコから移住してきた女性と
おつきあいをしていたそうです。
イスラム教の一家で、お父さんがかなり厳しいおうち。
で、お父さんに内緒でお付き合いしていたけど、
ある日それがばれて、大変な思いをしたようです。

同じムスリムでなく、クリスチャンだったことも
お父さんにはマイナスに作用したよう。

で、おうちにいたときにお父さんにばれて、
その家のモップの柄でお父さんに滅多打ちにされたとのこと。
それでも彼は彼女にひかれていた。
エキゾチックな美貌にいかれてたとのこと。

でもお父さんとの間を取り持てない幼い彼女に
嫌気がさして別れたと言っていました。

その彼女が着けていたのがナオミキャンベルという香水だったそうで、
街中であの香水の匂いをかぐと、ものすごい頭が痛くなると
申しておりました。

「あの香水には罪がないが、あの匂いはカンベンだ
本当にいい匂いだったのに、もったいないねえ」

人にはそれなりに悲しい思い出があるようで。

日本では、
「おれはこの香水にはいやな思い出がある」と言って
必ず名前が挙がるトップワンはなんといっても
ディオール様の「プワゾン」ではないでしょうか。

私、学生の頃フランス語を習いにいっておりまして、
綴りと発音の関係などを語学をやっていると
最初に習うのですが、
この香水の名前を出して
「いやな香水ですね。毒塗ってる女に
俺はやられましたからね、昔」
と言っていた先生がいましたっけね。

私が、社会人になってから
「プワゾンだけはだめじゃ」という人、
ぞろぞろ出てきた。
日本ではバブル期を象徴する香水なんですよね、これ。
これつけて、サンローランの19番フューシャピンクの口紅、
髪の毛ソバージュのおなごに痛い目の合わされた男が
多かったってことですかね。

ていうかおなごのこの香りに最初は
ノックアウトされたのは
確かなんですね、彼らにとっては。
で、ま、そのあとアゴで使われたり
二股かけられたり嫌な思いをしたんだろうな、と思う。

余りに時代にマッチしすぎたせいか
インパクト強すぎて、その名前と香りで
思考停止になる香水なんでしょうね。

私は今嗅いでみると、悪くない匂いだと思います。
意外にフルーツのにおいがするのよ。
でも買ってみてつけようとは思わない、
そんな感じですか。
ただ、ものすごいよくできた香水だと思います。
一種の芸術品だよね。

私の今いる国では過去の名香水という扱いです。
センセーショナルで人気があった香水ですが、
日本のように誰もがつけていたわけではなかったようですし、
近所の薬局のオバハンに言わせると、
あの頃でも40代の人がよく買っていたらしいです。

今は、よく着けている人たちはなぜか黒人の人が多いです。
クラビングしていると、この匂いがする黒人の方を
よく見かけます。
男の人でつけている人もいましたし、
この香水が出てきたころはまだ影も形もなさそうな
若い子がつけたりしています。
不思議ですね。

この香水が出たころ一緒に出てきたオピウムや
サムサラ、嫌いではないです。
最近はこの手の香水を今風にアレンジしたのを
よく売っているのをみると、
多分あの頃の香りってもう売れないんだろうな。

と、ちょっと感慨に浸る私でした。









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