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無知が初めてコスメカウンターに座った話

無知が初めてコスメカウンターに座った話

この記事は、大学4年生にしてメイクを始めた、超絶無知女の心の記録です。
人様にお見せするようなものではありませんが、もしも誰かの心の支えになれたなら幸いです。




ひよこは、最初に見たものを親だと思う……それを「刷り込み」と呼ぶ。
最初に見た商品やコンテンツを買う、結局戻ってくるなんてことは、よくあることだ。

最初に見たものがかなり良く、他はイマイチ……もしくは、違いがわからんとなれば、最初に見たものを選びがちになる。
おまけに人には「一貫性の原理」という心理現象が働く。
自分が一度いいと思ったものは、そう思い続けたい。
考えを曲げるよりも一貫した態度を取ろうとする。
だから、最初「これがいい!」と思ったもののほか、「とりあえず他のも見てみるか……」と見回ってみても、最初のものを選びやすい。
脳が繁雑な判断処理を軽くするため、選択肢を狭めることで選択を楽にするという、無意識の本能でもあるのだ。

最初に見たものというのは、人々の認知や意思決定に多大な影響を与える。
アンカリング効果というマーケティングに活用される心理現象も存在する。
気になったら、面白いので調べてみるとよいですよ。





さて、私には仲のいい叔母がいる。「ねね」と呼んでいる人だ。
母はほとんど美容に興味が無くお金をかけないが、ねねは身の回りに気を遣う人だった。
私にとっての「普通」の見本でもある。

小さい頃、よく家族でショッピングモールなどに出かけていた。
多分その日もそういう理由で、ねねと一緒にショッピングモールを歩いていたと思う。
すると、ねねは「少し退屈だろうけど我慢して」と言って、コスメカウンターに寄った。
そこは……SK-IIのコスメカウンターだった。

当時の私は、家に置いてあった化粧用スポンジを見て、欲しい欲しいと騒いでいた。
何に使うの?と母に言われて、とにかく欲しい!触る!!と叫び、ぷにぷにする触感を楽しんでポイ捨てしていた。
多分ファンデーションという言葉すら知らなかったと思う。
そのため、化粧水とか美容液なんて言葉は知りようがない。
それでもコスメカウンターが「美容のためのものを買う場所」なんだろうなというくらいの認識はあった。

ねねがコスメカウンターで綺麗なお姉さんと話しているのを、ホゲーっと見つめている間に、私の脳内には「SK-IIは高級な化粧品のところ」、「SK-IIはすごい」、「SK-IIは高いけどねねが悩むくらい良い所」「SK-IIは美容」というような認識が刷り込まれていった。

さて、大人になった私は、高級品化粧品は?と聞かれると「SK-II」を思い浮かべるようになった。間違っていないが、上には上もいるし、横にもたくさんいる。
それでも、綾瀬はるかを冠した、赤い色合いと文字を見ると、「高級美容の代表」であると認識したのだ。

実際、コスメの世界に飛び込んで少しずつ知識をつけてきた今の私でも、きちんと調べてみるとSK-IIは大変評判がいい。
成分のからくりについてもおおよそ納得できた。
使わない理由なんて、合わないからか、高いからのどちらかだと思う。
はい、もちろん憧れます、綺麗になりたいと思った人間ならば。

アットコスメを眺めていても、SK-IIのフェイシャルトリートメントエッセンスは当然のように殿堂入りコスメとして常に上位にランクインしている。
見てみたら、えっ……Like20万?
見たことない。不安になるくらいの数字だ。やっぱり何か操作しちゃってます?なんて思うほどには。

しかし、口コミを眺めていると……

「憧れだったのに、私の肌には合いませんでした」
「無香料なんだけど、原料の匂いがダメだった……」
「くさすぎてダメでした」

肌に合わないのは仕方ない。化粧品は結局、高級さじゃない。肌に合うかだ。
最近スキンケアを試し、失敗を経験した私には、その極意がわかっていた。
これも今度語ろうと思うけど。
そこには完全に個人差がある。評判のいいものにそのような口コミがあったとしても、使わない理由にはならない。

でも「香り」は、重要だ。ある程度の個人差はあれど、参考になる。
私はどちらかといえば無香料の方が好きだ。
すぐに香りが飛んでくれれば、素敵な香りがするものは好きだけど、ずっと顔に香りがついたまま消えてくれない場合は困る。
受け入れられるものもあるだろうけど、そうでないことがほとんどだと思う。

将来、SK-IIを使うだろうか?
あんなに高いのに。
でも、使うとしたら……香りの事だけは、チェックしておかなくては!!

あ~、サンプルとかもらえないかなぁ~。
コスメカウンターなんて怖くて行けないもーん。





なんて思っていたころ。
……バレンタインデーがやってきた。
本命チョコの話はちょっと置いておいて、義理チョコを買わねばならない。
今年はやる気が無くて、手作りしなかったので……!!

ねねと一緒に、デパートに出かけた。
可愛いチョコを求めて、ピッタリのものを買えてご満悦のところ……
博物館感覚で、デパコスエリアを巡回してみた。
すると……遠くからも目を引く、SK-IIの赤い色が。

そう……アットコスメ店舗で、コスメデコルテやランコムの美容液がどんなものなのかと触ることが出来た。その辺のデパコスは、とりあえずよかった。
でも、SK-IIだけは……試せていない。

その「香り」を……ッ!!!!

ねねと一緒に、横切るつもりで近付いてみる。
サンプルおててに使えたらいいんだけどな~くらいのノリで。
そしたら、あるじゃないか、「SAMPLE」の文字がついた、あの化粧水が……!
吸い寄せられるように前に行くと、すかさずオシャレな販売員のお姉さんに話しかけられてしまった。

「よかったら、手に試してみますか~?
 いま、コットンに出しますので!」

香りが!! 嗅げる!!!!
よろしくお願いします!!!!

無事、SK-IIの化粧水の香りを嗅ぐことができた。
うむ、なるほど。これが皆が気にしていた、ピテラの香り……!
たしかにちょっとクセのある強い匂い。でも「あ~苦手だ!」ってほどの香りではない。
とはいえ、無理だという人がいるのも頷ける。うう~ん、多分大丈夫……だと思うんだけどな。少し不安。

「えへ、えぇっと、これの香りが前から気になってて……」
「無香料ですよ~!」
「原料の香りが、ちょっと苦手だったっていうお話を聞いてて……」
「そうでしたか! 原料のピテラの香りなんですけど、すぐに飛びますよ~^^」
「あ……本当だ!」

お姉さんが言う通り、もう一度くんくん手の甲を嗅いでみると、香りはもうしなかった。
むむ。これなら問題ないのでは!?
あの香りが始終するとなるとちょっと不安があったけど、これならいいかもしれない。
サンプルがもらえたら一番いいんだけどな~。
なんて思っていると、お姉さんが言った。

「よかったら、今あちらの無人機械で肌年齢診断をすると、三日分のサンプルをプレゼントいたしますよ~」

さん、ぷる!?
いや、まて。そ、それは、コスメカウンターに座るってことになるぜ?
買わされちゃうような人間ではないけど、販促という概念には思わず構えてしまう。
だけど……昔と比べたら、「自分なんかが」「コスメカウンターに座る」ということに抵抗が少なくなっていた。
「自分なんかが」なんて思わなくていいと、思えるようになった。

SK-IIの肌年齢診断、かなりしっかりした機械が置いてあった。
顔の右側を撮られて分析されたんだけど、ちょうどそっちにニキビがあって悲しかった。
生理前の肌荒れのせいか、口の周りにニキビが多発していて気になっていた。
けれども、肌年齢19歳との診断が出た。マイナス3しゃい!うれしー!!
私の口周りには当然「お手入れ強化ゾーン」が出たけど、頬には「美肌ゾーン」のキラキラがたくさんあって、めちゃ褒められた。
美容部員さんって聞いてた通りホントにやさしい。うれしー!!
けれども、ピテラを使うとこーんなにも将来の美肌ゾーンが増えますよ~、とのこと。

なるほど!
マーケティングと心理学に結構興味があって、大学でも何単位か学んでいたので、勉強になるな~なんて思いつつ、試したくなりました(ちょろい)
そして、登録やらなんやらを済ませると、見事サンプルが贈呈された。

やったー!!!
憧れのSK-IIのサンプルだーっ!(ちょろい)
(*´σー`)エヘヘ いつ使おうかなぁ~……
このニキビが落ち着いて、卒業式前に試してみようかな。お肌綺麗になれるかもしれない。

定番の化粧水と、拭き取り化粧水をもらった。
コットンに浸して使ってくださいね~とのこと。
ただ、実は悩みがあって、今使っているのは百均の安いコットンなので、すごく毛羽立つし繊維が取れる。
そして、美容系YouTuberによるコットン比較の動画を見たことがあった。
そこで、デパコスのコットンは高評価で、比較的求めやすい値段で買えることがわかっていた。その中で、SK-IIのコットンはイイし、テンションも上がるとのことだった。
せっかくなので、この機に買ってしまおうということで、SK-IIのコットンを買ってみることにした。

このコットン、糊ではなくお水でくっつけるという独自の製法なんだって。しゅごいね。
ということで、初めてのデパコスデビューはSK-IIのコットンでした。
ええっ^p^





私が初めて買ったスキンケア商品は、Curelだった。
だからいまだにCurelを見ると、他社よりも親近感を覚える。
真面目にニキビケアをしようと思った時、最初に目を付けたのはオルビスだった。
だからオルビスにも親近感を覚える。
SK-IIも同じように思う。

今のうちですよ、企業の皆さん。

こういうタイプの人間には、早いうちから売り込んでください。
私はどのジャンルにおいてもほとんどまっさらな状態です。
「初めて試してよかったもの」「ずっと最初から気になっていたもの」は、買いたくなる、買い続けたくなるんです大体の人間は!
まだ見ぬ優良コスメよ、私の前に姿を現すのだ。
主にサンプルを添えて……!!!!

私ももし社会人になって「売る側」になったら、こういう心理を逆手にとって、早いうちに人々の潜在意識の中に潜り込んでおこうと思いました。

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