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【勝手に音楽評論?】成功か失敗か? カルチャー・クラブ(3)

【勝手に音楽評論?】成功か失敗か? カルチャー・クラブ(3)

前作の2ndで世界的成功を収め、押しも押されもせぬスーパースターとなった、カルチャー・クラブ。
大いに期待されたであろう3rdについて、また長々と語りますので、時間がある方は最後までお付き合いください!


紹介するのはカルチャー・クラブの3rd「ハウス・オン・ファイヤー」です。
実家にはこのレコードがありました。
ここまで来ると、ボーイ・ジョージのルックスが普通に見えてきました。
慣れは怖い...


一般的に3rdでコケてしまったら、もう次はないようなものですので、彼等の未来を占う重要な作品となります。
正直申しますと、私はこの本作にはいろいろ思うところと言うか、ツッコミたい部分が多々あります...

前作の2ndがあまりに神がかった傑作だっただけに、本作はどうしても地味に映ってしまいました。
セールスは前作よりも下回ってしまったのは仕方ないし、それが一概に駄作と決め付けるのは違うし、そう思いたくはないんですが、どうも肩透かしを食らった感は否めません。

カルチャー・クラブの音楽は軽快なポップスであることを常に意識しており、それを身上としていること。
本作は前作のスタイルを踏襲しながらも、社会に訴えかけるメッセージ性を加えることをコンセプトにしていたようです。

スーパースターとなった彼等はライブや取材などで世界中を飛び回り、多忙を極めたでしょう。
そういった過密スケジュールの中でも、世界を見てきて、何か思うことや叫びたいことがどんどん溜まってきた。
それが代表曲であり、物議を醸した問題作でもある「戦争のうた」(←そのまんまやんけ。直球すぐる...!)に繋がったのでしょう。



「戦争のうた」のサビ

戦争なんてバカだ
人々もバカだ
どこかの奇妙な国じゃ
愛なんて無意味なんだ

戦争なんてバカだ
人々もバカだ
僕たちの心や指先にまで
どんどん踏み込んでくる



至極真っ当、ごもっとも。
おっしゃる通りでございます!
今の時代だと某国のプー◯ン大統領に言ってやりたいくらい。
多分フォークランド紛争のことを指していると思います。
本国イギリス2位でしたが、アメリカでは順位が落ち込んでしまい、反戦歌に難色を示したようです。

と言っても、昔の日本では反戦歌のフォークを普通に歌ってたし、前述のフォークランド紛争やベトナム戦争を憂う前例もあったので、当時でもそんなに奇をてらったわけでもないと思うんですが。
世界中を飛び回った彼等だから、言いたくなるのも不思議ではない。

ヴォーカルのボーイ・ジョージがとりわけ派手なルックスであるのと、歯に衣着せぬ物言いでもあったそうなので、なおさら批判の的になるのを覚悟の上で、世界に向けて発信したい気持ちがあった。
そこは今も昔も変わらない、スーパースターの宿命ですね。

彼等はアーティストなのだから、歌で思いを表現するしかないので、あくまで筋やコンセプトは通したし、そこはブレていないのは流石。
あっけらかんとした明るい曲調に賛否が分かれた感があります。
だからと言って暗い曲調にしてしまうと、彼等らしくないし、ポップスターとしてのプライドも当然あるし、そう表現せざるを得なかった事情もあるような気はします。
ラストで日本語で「戦争反対」と歌ったのは驚きました!
やっぱり空耳じゃなかった...!
どうやらボーイは親日家らしい。


曲調に世間は難色を示したのかもしれませんが、プロモーションビデオの表現がもっとまずかったのかもしれません。
「戦争を茶化してる」と堅物から激怒された模様。
確かに今の時代だったら、ネットで議論になっていたかもしれません。
彼等クラスのアーティストだと、ビデオの製作費は普通に億いってたんだって...!
戦車(←多分本物。自衛隊から借りてきたのだろうか)が街を走ってたり、大掛かりな大道具、大量の俳優、エキストラの人件費...
バブリー感満載でした!


それ以外の曲も聴きましたが、微妙に捨て曲なのがいくつかありました...
忙しいスケジュールの合間を縫って製作したのは容易に想像できますが、製作期間が短くて、時間もなかったように見えました。
そのせいか落ち着きがないというか、消化不良というか、中途半端というか、調整不足というか...
締め切りに追われて、未完成のまま提出してしまったように聞こえるのは私だけでしょうか?


「ドント・トーク・アバウト・イット」は彼等らしい明るい曲調で好きです!
ちなみにこの曲は当時のノエビアのCM曲として起用されました。

ノエビアのCMは他にもフレディ・マーキュリー、シーナ・イーストン、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ジェネシスなどの海外アーティストの曲を起用しました。
YouTubeで観ましたが、やっぱりバブリーだけど、めっちゃカッコよくて、選曲センスが秀逸でした!
日本企業と海外アーティストって相性がいいんだな。



んでタイトルにあった、結局成功なのか失敗なのか、淡海マリコ的にはどう思ってんのよ?
かなり悩みましたが、
成功4:失敗6
アットコスメ的に例えるなら、
☆4
ってとこでしょうか。
それでも「戦争のうた」をそらで歌う自分はなんだかんだ好きなんだよね...


ポップスとメッセージ性の両立がどれほど難しいか、いろいろ考えさせられる作品ですね。
オススメできるかどうかは微妙ですが...

昔買ったミュージック・ライフ誌にワム!のジョージ・マイケルが何かのインタビューで、「本人たちは3rdはクズと認めていたよ」と言ってた記事がありました。

そっか、彼等がそう言ってたのなら、やはり失敗作だったのか...
だからタイトルの「家が燃えている」は精神的に火の車状態、炎上した的な意味?
「ミステイク・ナンバー3」は本作3rd失敗?
シャレなのか自虐ネタなのか。

売れなかったけど、個人的に好きな「メダル・ソング」の一節に、

人生は二度と同じようにはならない

この一節が後の例の事件を示唆していたのか、はたまた偶然か。
栄光から転落へのカウントダウンが始まるのでした...






























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