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四日市の「南」から。

四日市の「南」から。



先月下旬、三重県のとある都市に衝撃が走りました。
それはあまりにも突然でした。









ここから出る「かわいい電車」
近鉄内部線・八王子線が「鉄道」としての
採算が合わないということで、
地元の三重県四日市市に


「電車作れないから線路を取っ払って、
そこにバス専用道を作りたいの。
だから、お金ちょうだい」


まっ、簡単に言えばこう言ったわけです。
なぜ「電車が作れない」のか?


この線は他の近鉄線とは違う
特殊な作りをしてることにあります。









ここで使われている車両。
あれ近鉄らしからぬ可愛い色じゃないですか


でも、なんか小さい気がしません?









こちらは近鉄四日市駅を発車した湯の山線。
近鉄といえばこの顔を想像しますね。


実を言うと、近鉄には3つの違う線路幅を所有していて


新幹線で使っている「標準軌(1435mm)」
日本で標準的な「狭軌(1067mm)」
軽便鉄道に由来する「ナローゲージ(762mm)」


先ほどの湯の山線や大阪線・名古屋線・奈良線と言った
近鉄の大半を占めるのが「標準軌」。
あべの橋を拠点とする南大阪線・吉野線、
線路保有している伊賀鉄道・養老鉄道が「狭軌」。


そして今回取り上げている
内部線・八王子線が「ナローゲージ」なのです。


日本でナローゲージの電車が走っているのは
この2路線の他に以前取り上げましたが、
桑名の西側(西桑名駅)から出る三岐鉄道北勢線だけです。
北勢線も元をたどればかつて近鉄の路線。


そこには他の近鉄路線から転配することもできない
全長10mクラスの超小型車両が必要なのです。
(ちなみに東京メトロ銀座線でも1両の全長は16m。
しかし軌道は標準軌。)


メーカーで制作するにも、そこで試運転することも専用線がいる。


発注する量もごくごくわずか。


まさに「特注」に等しいレベル。


普通の電車1両作るよりも、
はるかに高額な費用が必要なのは
素人目でも明らかな話です。


しかも・・・






このモ260形は1985年の製造。
しかし足回りは旧来の路面電車レベルだから
かなりの老体。


そして・・・






3両編成に挟まれている
サ120型に至っては、1932年に製造された
荷物合造車を改造したもので、
今年で車齢満80年


大手私鉄でここまで現役で働かされている
車両は他にないでしょう。。。


しかもよく見てください
窓全開じゃないですか!


製造当時はもちろんのこと、
1985年時点でナローゲージ用に開発された
空調設備がなかったのです。


もしあったとしても、
この車両にとっては「重荷」になります。


・・・ってことで、車両更新「待ったなし」の状態です。


バス転換の背景には
鹿島鉄道が廃止後「専用バスレーン」に転換して
便利になった・・・とか、


話を提示した直前に、
震災の影響で先行きが見えないJR気仙沼線が
「バスレーン」で暫定復旧したとか、


バスにしてよかったっていう話があります。


この2路線も車両代替は、
「●●系」ではなく
「三重200 ● XX-XX」に
しようとしてるわけです。


今後も運賃は近鉄の体系で
現行の運賃にする・・・とはいうものの。


実際フタを開けると、
「近鉄バス」ではなく、
「三重交通」のバスが走るんでしょうね。




とは言えども、
まだまだ「話を提示」しただけ。


結論は来年の夏に出るそうです。


近鉄四日市駅の「南」から細々と、
かつ、15分間隔(近鉄四日市~日永間)の頻度で、
きょうも混色パステルカラーの近鉄電車は
走っています。















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