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ひと時のタイムトリップ アンナ・カレーニナ

ひと時のタイムトリップ アンナ・カレーニナ

土曜の夜でしたが、キーラナイトレイ、ジュードロウ主演の「アンナ・カレーニナ」という映画を見てまいりました。

ロシアの文豪レフ・トルストイの世界最高小説の誉れ高い「アンナ・カレーニナ」の小説を映画化、なんと過去に映画化6回、今回が7回目というシロモノです。

私はかなり好きな小説です。私をロシア語勉強に駆り立てた罪な本でもあります。(3年勉強したけど、モノにはならなかったな。)
私の大好きな須賀敦子さんというエッセイストが大好きな小説にもあげた一冊です。
須賀さんはこの小説を「人間の総ての感情がパーフェクトに描写されている」とおっしゃったそうです。

ハナシは美しい人妻アンナさんのお話です。
お見合い結婚で結婚した旦那さんと何不自由ない生活、かわいい子供に素敵なお庭とおうち。でもアンナはある日、鉄道の駅で出会ったアレクセイオブロンスキーという軍人と恋におち、彼の子を身ごもり、出産。で、愛に生きたいと熱望したアンナはすべてを捨てて、オブロンスキーと生きようとしますが、体面ばっかり気にして離婚してくれない旦那、やっぱりかわいい子供を捨てるのは気が引けたり、情事の時は情熱的だった恋人のアラが見えたりといろいろあって、うまく行かず、最後に自滅するというハナシです。
(恋人と逢瀬を過ごして、旦那を見たときにアンナのセリフ「この人の耳ってこんなロバ見たいだったっけ?」というのが有名。)

ここのブログやサイトに参加している方の中では人妻もいて、子供も持っている方がいるので、この小説の内容って「うーん」とか「ちょっとだめだわ」って方もいると思います。うちの母も若いころ読んだらしいですが、「子供は捨てたらまずいっしょ」とはっきり言いましたので、その辺人を選ぶとは思いますが。

子どももね、捨てたわけではないんだけどさ、まあ、そうとってもおかしくないハナシですからね。

もちろんロシア文学だから単純にラブストーリーだけでなく、それを縦糸に横糸が絡むようにいろんなサイドストーリーが絡みます。自分を一途に思ってくれる人がいるのにその人を袖にしてプレイボーイに遊ばれようとする若い女性とか、女性に失恋して生きるのは何かを考えて突き詰めて農業をやる青年、女遊びがやめられない中年男にその男にしょうがなくくっついている妻、自分を献身的に思ってくれる女性がそばにいるのにアナーキーに生きるのをやめられないアル中病身男などなど、「ありそー」なハナシがたくさん出てきて、アンナの物語はゆっくり進んでいきます。

で、まあ、主題は愛なんですけど、いろんな愛が描かれてます。
男と女のまあ、愛とか、子供に対する情愛、霊的なもの(これはキリスト教の神に当たります。)に対する愛、自然や植物に対する愛、などなど、今回の映画は英語圏の映画なので全部そういうものを「LOVE」って言葉で片付けていましたが、いろいろな愛があるのねって勉強になりました。

愛に見えてそうじゃないものもたくさん出てきます。セックスだけの男女関係を愛と勘違いしたり、愛という名目だけど、実は醜い嫉妬だったり、
この辺を書かせるとトルストイ爺さんはホントにうまいなと思います。

映画自体はなんだろう、あんまりうまいともなんとも思いませんでした。
ジュードロウが禿げ頭のカツラをかぶって、浮気されるアンナの旦那をうまく演じていて悪くないなと思います。それ以外は、MTVのようなアンナカレーニナでしたが、キーラナイトレイの美しさは筆舌に尽くしがたいです。

キーラとか私が似ていると勘違いしているナタリーポートマンとか、この二人はこういう気高い貴族の女性とかをやらせてもそこまで違和感がなく、楽しめる女優だと思います。
日本の女優、申し訳ないけど、この領域にはいけないですよね。
皆その辺の「オネエチャン」なんだよね。

キーラの衣装やお化粧が結構見ごたえがありました。たぶんシャネルさんがやってんだろうけど。衣装はホントにきれいでしたね。ワイン色のドレスとか、キーラの白い肌に映えてなまめかしかったです。

しばし2時間半近く、ひと時、ロシア帝政時代にタイムトリップして楽しめました。
日本で公開されたらぜひ、みなさん見に行ってください。ひと時、別世界へ行けます。
原作も、時間があれば読んでみて損はないと思います。
ロシア文学、人類の宝だと私は勝手に思っています。トルストイ、ツルゲーネフ、チェホフ、ブルガーコフ、ナボコフ、ドストイェフスキーあげればきりないですが、私は大好きです。

アンナカレーニナは過去に何回か映画化されてますが、一番原作に近いのはソフィーマルソー版(1998年)、女優の演技が素晴らしいのが、旧ソ連版です。
この辺見比べてみてから、分厚い原作に取り掛かってもいいかもしれませんね。

そろそろ秋の気配で日も短くなると思われます。
こういう本で秋の夜長を過ごすのも、悪くはないかな、と思います。

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コメント(3件)

  • 4paxさま、いつも読んでくれて&コメントもくれてありがとうございます。これからもぼちぼち更新しますのでよろしくです。

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    2012/9/12 03:33

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  • トンタン様、確かにあの新訳はなんというか「これでいいのかいな」と首をかしげたくなる翻訳でした。キーラとナタリーはホントに貴族や歴史ものをやらせても違和感ないですね。ブーリン家の映画、私も楽しんでみました。ああいう世界観が結構好きです。いつもコメントありがとうございます。

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    2012/9/12 03:32

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  • ルルド☆さま、コメントありがとうございます。キーラとナタリーが結構好きだったりします。ソフィーマルソーのアンナもなかなか素敵でしたよね。オブロンスキーを演じたショーンビーンが結構好きだったりします。ぜひ日本で公開されたら見ていただきたい、という映画です。

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    2012/9/12 03:31

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