たまには『色っぽいお話』が読みたくなった!
2011/10/6 12:16
■ 大人のための残酷童話
■ 新潮文庫
■ 倉橋由美子
毎日子育てに追われて、最近はめっきり色っぽい話と縁遠くなった
それで思い出したのが倉橋由美子の「大人のための残酷童話」
高校生か大学生の時に読んだけど、とにかく面白かった
耽美なちょっと毒を含んだ文章と残酷な結末にハマリましたね
国内外の名作童話を風刺を利かせてアレンジした26編の短編集
エロチックで残酷で決してハッピーエンドで終わらない皮肉な結末
きれいごとじゃない童話ってこんなに面白いのね・・・って夢中で読みました
でも、倉橋由美子のクセのある文体と不思議な世界観に拒否反応を示す人もいそう
毒のある話が好きな人に向いてる本かもしれないが
毒気の抜けてる人には辛いかなあ・・・
『大人のための残酷童話』は
子供向けの童話を大人向けにアレンジしているので
性的な描写も沢山登場する
26編の話が収録されているが、そのうち2つを紹介したい
………………………………………………………………………………
■人魚の涙■
上半身が魚、下半身が人間という
そう、アンデルセンの人魚姫とは反対バージョンの人魚のお話しです
童話の人魚姫と同様、王子様に恋をした人魚姫が、この恋がうまく行かない時は
泡になる約束で人間の娘にしてもらう
しかし、王子様は父王が連れてきた花嫁にすっかり夢中になってしまったので
自ら海に入っていく
その時船上で開かれていた王子様と花嫁の結婚パーティーの最中に嵐が起こり
流された王子様を魔女の住処に連れていって
「この王子様と私をひとつの身体にして、死ぬまで一緒に暮らせるようにして下さい」
と頼むと、魔女は、王子様の上半身と、人魚姫の下半身をつなぎあわせる
王子様はいつも、その手を使って、人魚姫の一番女らしいところを慰めるのでした
しかし、人魚姫は王子様にお返しする術がありません
人魚姫のその部分は、王子様に慰められると喜びのしるしか、悲しみのしるしか
沢山の涙を流すのでした
やがて国王となった王子様は一生、花嫁を迎えることはなかった
そして、その訳は誰も知ることがなかった
………………………………………………………………………………
■一寸法師の恋■
一寸法師は最後に打ち出の小槌で立派な体格の若者になったので
メデタシメデタシかと思ったら、
晴れて夫婦となって幸せのはずのお姫様が、鬱々と浮かぬ顔をしているので
心配したお殿様が訳を尋ねてみると、
「だって、あの方はかんじんの所が一寸法師のままなんですもの・・・」
お姫様は大きなタメイキをついたそうな・・・
………………………………………………………………………………
収録されている26編が全て、残酷童話というタイトルがピッタリのストーリー
決してハッピーエンドで終わらせないのが、倉橋由美子ならではの物語なのだ
面白いととるか、後味が悪いととるかは、読み手のあなた次第です
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