
美容院に行って髪を10センチくらいカットした
母の友人の美容師さんがひとりで切り盛りしている小さな美容室なので
お客さんはほとんどが近所のおばさんばかり
気さくな人柄もあって、いつも賑やかなおしゃべりが飛び交っている
私の七五三と成人式の着付けをしてもらったので
この美容師さんは、私にとって叔母ちゃんみたいな存在だ
私のカットの途中で高齢の女性が入ってきた
この女性もお馴染みらしく、送ってきたお嫁さんらしい女性に
『終わったら電話するね』 なんて声をかけていた
この高齢の女性は私の隣に座った
美容師さんに、『この人いくつだと思う?』と聞かれて
鏡越しに顔を見ると、かなりの年齢で80歳はとっくに超えて見えたけど
80歳くらいかな?と答えると
『もうちょっと上・・・』なんてもったいぶってから
『100歳なのよ』と、自分のことじゃないのにドヤ顔になった
私と美容師さんのこんな会話を聞いていた100歳さんは
『いろんなことを忘れてきてるのに
ここに来ることだけは忘れないのよ、私も女なのね~』
と細く愛らしい声でゆっくりと話した
その声は周りの者を楽しくさせるような素直な言い方だった
そのとき、得体のしれない感動が押しよせてきて
美容室全体にほんわかした空気が生まれ、一瞬の時が流れた
とても100歳には見えない若さと美しさは
どうやら、まだ女を捨てていないかららしい
お茶の先生をしていたというだけあって、粋で上品な佇まいの
この女性のように年を重ねたいと目標ができました
anzu_ameさん
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akachantoさん
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anzu_ameさん
Q-potさん