もう一つ懸案だった、エステコースへの投資を行ったあと、
足はラブティックゲランへと向かい、夏のご褒美選びの時間。
ひと吹き目は、鎮静されるような、深い安らぐ香り。
ウッディであっても男性的ではない、柔らかなトーン、
でも静かなだけではなく、
思わず目を瞑って倒れ込んでしまいそうな、
くらくらするほど豊かで力強い香りです。

私の好みの香りは、甘みがあって
でも非常に洗練された女性らしいものよりも、
1本立ちでパンチがあって力強い、どこか渋みのある香りです。
パウダリーが苦手で、グリーンやオリエンタルが好き。
同じラール エ ラ マティエールのラインでは
アンジェリークノワールの、
アンジェリカの青みとバニラの組み合わせが好きで、
他はシャリマーやサムサラの濃ゆいオリエンタルが好き(笑)
要は、洗練された、控えめな女性というよりは、
我の強い、内面の激しさが滲み出るような(笑)香りが好きです。
といった、良く分からないオーダーを、
BAさんはよく汲み取ってくれました。
お勧めされたのはまずこのポワダルメニ。
そしてミールエデリール、
ポワゼトリド、
キュイル ベルーガでした。
ポワ ダルメニは、
「アルメニアの森」の黒く静かな森の
イメージの通り、つけたとたん、意識が飛んでしまうような
確かにお香のように落ち着く、安らぐ香り。
フランキンセンス(乳香)やガイヤックウッドの懐かしいような
昏い沈み込むようなトーンと
甘いベンゾイン(安息香)やパチュリが、悩ましい高貴な
強く甘い酒のように香り、確かに驚きとともに、
ふつふつと感じる生の息吹のようなものが感じられます。
ラストのホワイトムスクがふわっとまとめてくれて。
(ムスクは苦手だけれどこのまとまりはいい)
慎ましやかでも意志のある、
情熱的だけれども冷静な、そんな相反するイメージを
一言で、言い現すならきっとこんな風かと。
ポワ ダルメニ
トップノート:フランキンセンス、アイリス、ピンクペッパー
ハートノート:ガイヤックウッド、ベンゾイン、コリアンダー
ベースノート:コパフバーム、パチュリ、ホワイトムスク
ミールエデリールは、小悪魔的な果実味の可愛らしさと
スモーキーなパチュリとリコリスのウッディが明るいコントラストをなしていて、
これは30歳前後の女盛りのツヤツヤの子につけて欲しい感じ(笑)
30代後半の自分にはちょっと若いかなと思うけれども、
こういったコントラストの激しい、割と女の子っぽい香りは
自分のテンション的には最後のノリで楽しめそうではある。
ミールエデリール
トップノート:グレープフルーツ、ピンクペッパー、ブラックペッパー、ペア
ハートノート:ローズ、アイリス、ミルラ、アプリコット
ベースノート:フランキンセンス、リコリス、パチュリ.
ポワゼトリド
ポワダルメニよりはムエットでは甘みが押さえられた、柔らかなウッディ。
でも意外にも、肌にのせると最初から穏やかなフローラルで、
ウッディの強さは薄いのです。
比べると、ウッディよりの中でも、ポワダルメニがバニラ系、
ミールエデリールがベリー系、
ポワゼトリドがフローラル系と分かります。
ポワゼトリド
トップノート:ベルガモット、マンダリン、ピンクペッパー、ローズマリー
ハートノート:オレンジブロッサム、ジャスミン、マローのアコード
ベースノート;パチュリ、ホワイトムスク、シダー
キュイル ベルーガは、はっきりとレザー系のスエードやアルデヒドに
バニラやパチュリのぐらっとくる甘みを添えた、強い女の香り。
次第にアルデヒドが残っていくところもメンズフレグランスの
ようではあるけれど、良くしなる女子の筋肉のような、
爽やかさもあって、モノトーンのカジュアルな格好に合わせたい。
危うさに似た繊細さも感じる香りです。
キュイル ベルーガ
トップノート:アルデヒド、マンダリン
ハートノート:パチュリ、エバーラスティング フラワー
ベースノート:バニラ、アンバー、ヘリオトロープ、ホワイト スエード ノート
*****
総じて、BAさんのセレクトは的を射ていて、
バニラ系の明るい甘さとウッディ、スモーキーさの
コントラストが激しく、高揚感のある香りを選んでいただいたと思います。
これは、確かに私の望んでいた方向性で、
つまりは、自分のために、自分を鼓舞するような香りを付けたいという
欲望なのです。
30代後半ともなると、別に新しい出会いも求めないし、
20代の頃のように男受け?は考えなくなった今、
香水に求めるものは、自分が見たい夢を映す自分のための舟なのです。
ウッディ贔屓には、多分憧れの男性像の投影もある。
確かにつけててちょっと男に抱かれているくらいの陶酔感がある(笑)
でも、実際男と同等に仕事してやりあって、
自分が男のようにウッディを纏ってもいいじゃない?という、
選択がわりとしっくりくるのです。
30代後半、やりたいことも今やれることも見えてきて、
初めてなんとなく歩んできた道もちょっとアグレッシブに
書き換えてみたくなったりする頃。
10年後、20年後の45歳、55歳の自分が
叶えたい夢を改めて描き直せる時期でもあって、
なにをそんなに愉しいのかと云われるほどにハイテンション。
そんな気分のコントラストに、これらの香水が、
言葉をとって現れてくるような気がします。
そして今回はポワダルメニを選んだけれど、
(もっとも快楽に近い香り・・)
また他の、眩しいコントラストの香りにも、
癒やされたくなって再訪することでしょう。
会社でも勿論使っていますが、
ポワダルメニを纏って、緑うごめくか、ざらっとした風の吹く、
盛夏のアジアに行きたい(笑)ということで、
今度はインドとバリに行く計画中・・。
もちろん、穏やかな香水も好きで
今回は買わなかったけれど、大好きなジャスミンベースのリウや、
今回紹介いただいたモスクワも好みの香りでした。
この前の西原さんのコンサルテーションの機会を結局逃したので、
いつかはリベンジしたいです。
Bartlebyさん
アパレル企業勤務の主婦
kafka-dieさん
Bartlebyさん
Bartlebyさん
RyanRyanさん
RyanRyanさん