ブランドの終了を惜しむ声が絶えない「CHICCA(キッカ)」のブランドクリエイターであり、メイクアップアーティストの吉川康雄さん。2019年のマイベストコスメ、そしてメイクを通じて女性に伝えたいメッセージについて伺いました。
吉川康雄さんが選んだ、マイベストコスメ
「CHICCA(キッカ)」のブランドクリエイターであり、ニューヨークを拠点に活躍するメイクアップアーティストの吉川康雄さん。その人自身が持つ美しさを引き出すようなメイクを提案し続けています。
吉川さんの選ぶ2019年のマイベストコスメには、撮影の現場でも使っているというアイテムと、ブランド終了を惜しむ声が絶えない「CHICCA(キッカ)」より、こだわりのアイテムを挙げてくださいました。
ツヤ肌ベースメイクの仕込みに欠かせないクリーム
KIEHL’S SINCE 1851(キールズ)
発売日 2019/11/1追加発売
吉川さんが選ぶ2019年のマイベストコスメのひとつに輝いたのは、2019年1月にリニューアル発売された「KIEHL’S SINCE 1851(キールズ)」の『キールズ クリーム UFC』。ブランドのアイコン的存在のクリームで、吉川さんが女優やモデルにメイクを施すときには必ず使用するのだとか。
まつげにもツヤを。美しい目もとをつくるマスカラ
下半期のメイクは、テクスチャーをアクセントに
「春夏はカラフル、秋冬は深い色。新作というよりは限定アイテムが多い1年だったよね」と2019年のメイクを振り返る吉川さん。下半期は”テクスチャー“がポイントだと語ります。
「『私にはこの色は似合わない』って思い込んでいる人が多いですよね。子どもっぽい色とか大人っぽい色とか、そういう色に対するイメージを消し去ってほしい。リップはどんな色でも透明感さえ調整すれば、誰にでも似合うんです。
明るいピンクは“ギャルっぽい”ってイメージがあるかもしれないけれど、明るさを出して元気でかわいい印象を作ってくれる。くすんだボルドーは老けて見えると思われがちだけど、色っぽさがあるよね。くすみ=悪ではないんです」
「色を偏見なしに楽しめると、メイクも上手になりますよ」と吉川さん。こうやって背中を押されると、いろんな色に挑戦してみたくなるから不思議です。
すべての世代の女性が、透明感とツヤを表現できる
スキンケアとメイクを別物にしてはいけない
「スキンケアもメイクも、ファッションも、その人が自分の“キレイ”を楽しむためにある」というのが吉川さんの持論。
「自分のことをもっと好きになるためのアプローチを増やすといいと思います。そうすれば、トレンドが何色だろうが、自分の顔と向き合ってメイクすることそのものが楽しくなる。世の中がそんなメッセージを出してあげたらいいと思う。少なくとも、僕はこれからもそうありたいと思っていますよ」
「CHICCA」のブランド終了が発表されると、在庫を求めてアイテムを求める「#追いCHICCA」なるワードがSNS上にあふれました。今でも惜しむ声が絶えないなか、吉川さんが見ているのは女性たちの明日。さらなる美しさを追求する吉川さんからの、新しい発信が楽しみです!
メイクアップアーティスト・吉川康雄さん
1983年にメイクアップアーティストとして本格的に活動を開始。東京をベースにファッション誌や広告のフィールドで活躍後、1995年に渡米。渡米半年で『VOGUE』のカバー撮影に抜擢され、その後のキャリアを決定づけるファッションエディター、フォトグラファーと出会う。2008年から2019年3月までCHICCA ブランドクリエイターに就任。現在は、ニューヨークを拠点に活躍しながら、美容情報サイト「unmixlove」を立ち上げ、取材や執筆もこなす。著書に「生まれつき美人に見せる」(ダイヤモンド社)、「褒められて嬉しくなる キレイの引き出し方」(宝島社)、「いくつになってもキレイ!になれる」(世界文化社)。
Instagram @yasuoyoshikawa
取材・文/大森りえ
撮影/中山実華
(アットコスメ編集部)