目指したいのは「いい感じ」！ヘア＆メイクアップアーティスト・長井かおりさんが選ぶ2021年上半期のマイベストコスメ

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みんなの悩みや、こうなりたいという理想に寄り添い、メイクも気持ちも「いい感じ」でいることの素敵さを教えてくれるヘア＆メイクアップアーティスト・長井かおりさん。2021年上半期のマイベストコスメをうかがうと、マスク生活でのニーズにぴったりなアイテムを紹介してくれました。

長井さんが選ぶ2021年上半期のマイベストコスメのひとつめは、「シャネル」の『ルージュ ココ ブルーム』より、くすみピンクとベージュニュアンスが絶妙な「110 シャンス ドゥ シャネル」。

昨年末、長井さんが2021年のトレンド予測で「存在感のあるベージュが流行しそう」と言っていた通り、ベージュニュアンスを持つカラーアイテムが多く登場しました。

「2020年から引き続きさまざまなカラーのアイテムが展開しながら、ベージュニュアンスが復活したという感じ。それもやわらかで血色感のある、華やかなベージュです。今季はすべての色が出揃っていて、いわゆる“トレンドカラー”がない。どの色もトレンドという感じがします」

そのなかでこのリップを選んだのは、カラーの魅力はもちろん「快適さと落ちにくさを両立している」という理由から。

「コロナ禍で悩んでしまうのがリップ選び。大切にしたいのが、快適さと落ちにくさのバランスです。日によってマスクをつけている時間も違いますから、こういう日にはこれ、といった引き出しをたくさん用意しておくといいと思います。そのなかにぜひ加えたいのがこの1本。大胆に、唇に直塗りするだけできれいに仕上がります」

ふたつめは、自身がプロデュースする「N by ONLY MINERALS」の『ミネラルコンプリートベース』。かわいらしいアプリコットカラーとジェルクリームのテクスチャーが特長の化粧下地です。

ファンデーションできちんと作った肌も魅力的ですが、「マスク生活になってからは、もっと薄く軽く仕上げたいというニーズが多くなった」と長井さん。ファンデーションを使わずに、これまでベース作りの“サブ”とされてきたコンシーラーやおしろいといったアイテムだけで仕上げるときでも、肌をきれいに見せてくれる化粧下地を作ろうと思ったのだそうです。

「肌色を入れていないというのがこだわりです。それでもカバー力を感じさせるために、絶妙なアプリコットカラーで肌にさりげない厚みをもたせ、下地だけで満足のいく肌を作れるようにしました。もちろんファンデーションの下地としても使えますよ」

もうひとつ、同じ「ベース」でも、トーンアップに特化したのが『ミネラルトゥルーべース』。ファンデーションのベースとしても、ファンデーション後のハイライトとしてもよし。偏光グリーンと微粒子ホワイトの2種のミネラルパールが肌の赤みやくすみを払い、シャープで立体的なツヤ肌に仕上げます。

それぞれ「こういう風に使う、という決まりはない」と長井さん。単品で使ったりミックスして使ったり、いろいろ実験してみてほしいと話します。

次に紹介してくれたのは「高級ブランドだけど、ケチらずじゃぶじゃぶ使いたくなる！」という長井さんイチオシの「イヴ・サンローラン」のローション。アルガンオイルの入った二層式で、振ってから使用します。

「毛穴ケアに定評のある『ピュアショット』のシリーズなので、使ったあとは毛穴が引き締まる感じや肌のハリを感じます。シャバシャバとした使用感ですごく心地いい。しみ込みつつ、肌表面にうるおいを残すテクスチャーがお気に入りです」

2021年のトレンドを「ベージュ復活の兆し」、そして「おうち時間にいそしむ美容ギアの登場」と予測していた長井さん。「我ながらいい読みをしていましたねぇ」と冗談めかして笑う長井さんが、5月に発売されたふたつの注目アイテムを紹介してくれました。

「ブラウンの魅力を教えてくれる『ヴィセ リシェ』のアイライナー。ベージュがかったブラウンや、ピンク味を帯びたブラウン、チョコ系のブラウンなど、とにかく色味が絶妙です。さまざまなカラーのアイライナーが登場するなか、きちんと目力を持たせながらもやさしく抜け感があるブラウンは、デイリー使いもしやすい」

長井さんがとくに好きなのは、目力と甘さを両立するピンクがかった「BR302」。「下まぶたに使ってもきつい印象にならない」とのことです。のびやかで描きやすく、ウォータープルーフなので落ちにくい、さらにプチプラ。全色、揃えたくなってしまいます。

もうひとつは、画期的な形のボディケアアイテム。

「ギアとまではいかないかもしれませんが、マッサージローラーがついたボディ用美容液です。私はとにかく面倒くさがりで、クリームを手にとって塗るってだけで続かないんです（笑）。でもこれならこのまま使えるので続けられる」

すーっと伸びるみずみずしいテクスチャーとミントのようなさわやかな香りが特長。少しひんやりするので、これからの季節のクールダウンにもよさそうです。

ここ最近、創業当初から地球環境への配慮をメッセージに掲げていたオーガニックコスメブランドに、あらためて注目するようになったと長井さん。

「さまざまな化粧品ブランドが、サステナビリティに関する取り組みをアピールするようになりました。そんななかでも、すべて鵜呑みにして満足せずに、自分で調べていかないといけないなと思います。買ったものを大事に使う、ということも大切なんじゃないかな」

今後、長井さんが発信していきたいことについてうかがうと、「いい感じ、という心地よさを提案したい」と語ります。

「マスクを余儀なくされる日々はもう少し続きそう。となると『快適さ』というのがキーワードになってきます。我慢してつけるようなものではなく、『心地いい』『気持ちが上がる』など、自分が気持ちいいかどうかが重要視されると思います。また、『絶世の美女』『隙のない美しさ』といった美への概念は、いまではあまり求められなくなりました。『アンチエイジング』『若見え』という言葉にも、以前に比べて魅力を感じない人も多いのではないでしょうか。なにかに抗うよりも『雰囲気がいい』『機嫌がいい』のほうがラクだし、いまっぽくておしゃれ。みんながそれに気づくお手伝いをしたいですね」

さまざまな選択肢のなかから、誰のためでもない、自分のための美しさ、心地よさを探っていく…。2021年下半期は、そんなことを心がけてみたくなりました。

雑誌を中心に多くのビューティー企画を担当。連載も多数担当している。わかりやすいメイクテクニックに定評があり、毎日に寄り添ったメイクの提案などで多くの女性から支持を得ている。著書も多く出版しており、これまで発売した書籍は累計25万部を突破。最新刊「時間がなくても大丈夫! 10分で“いい感じ”の自分になる」（扶桑社）も好評発売中。

長井かおり Twitter（@nagaikaori0918）
長井かおり Instagram（@kaorimake）

取材・文／大森りえ

（アットコスメ編集部）