
ヘア&メイクアップアーティスト・長井かおりさんに、2021年のマイベストコスメをうかがいました!
長井かおりさんが選んだマイベストコスメ

マスクメイクに革命! デイリーに使える血色感アイブロウ

2021年を代表するアイテムとして長井さんが最初に名前を挙げたのは、「ジルスチュアート」の『ニュアンスブロウパレット』「02 rose pink shade」。
2021年はマスク映えを考えて“顔の上部に赤みを”というメイクの提案が生まれました。その流れが下半期、眉にも移行したと分析する長井さん。眉メイク用のアイテムが多数登場しましたが、なかでも「ジルスチュアート」のパレットは「退屈になりがちなマスクメイクの日常に革命を起こしてくれた」と絶賛します。
「アイブロウに血色感を、という提案には大賛成。色はどれも素敵ですが、強いて選ぶなら『02 rose pink shade』です。年齢を問わず違和感なく使えるピンクで、個性的になりすぎない。デイリー使いできる色の出し方が素晴らしい。目もとがやさしく見えて、印象が若返ります」
3色入りのパレットですが、3色でグラデーションをつくるのも、一気に混ぜて使うのもおすすめだそう。大きくて見やすい鏡や、カチッとセッティングすると柄が長くなる付属ブラシの使いやすさも秀逸です。
つけると元気が出る! いま使いたい“赤”ルージュ

2つめのマイベストコスメは、「シャネル」の『ルージュ ココ ブルーム』「134 サンライト」。ぷっくりと厚みのあるテクスチャーが唇のアラを覆い隠してくれます。
「透けないルージュのよさを実感しました。『134 サンライト』は、つけると元気が出る色味。前に流行った鮮やかな赤とくらべると肌なじみがよく、まさに“いま使いたい赤”。人を選ばずに使える優秀カラーです」
厚膜でウルウルとした質感でありながら、色が長時間ステイするフォーミュラがめずらしいと話す長井さん。
「このリップをつけるなら、アイメイクは軽やかにするのがおすすめ。まつげのすき間をきっちり埋めたり、アイラインで囲って強調しすぎたりしない方がいいと思います。クリーミーなアイシャドウでパールやラメの質感を際立たせ、アイラインは目尻だけに。抜け感と目力を両立するアイメイクを合わせると素敵です」
なんだかおしゃれな雰囲気に! ブルーグレーのカラーマスカラ

マイベストコスメの3つめは、「アディクション」の『ザ マスカラ カラーニュアンス WP』。どの色もいいけれど…と迷いながら長井さんがチョイスしたのは「008 Dusty Sky」。
「カラーマスカラというと色鮮やかなイメージがありますが、これは“くすんだブルーグレー”という感じで、あえて発色を抑えたところが面白い。黒マスカラからシフトするだけでおしゃれになるし、ガラッと雰囲気を変えたわけではないのに“なんだかいつもと違う”と思わせてくれます」
くすみ色でありながらも、肌の上できれいに発色するのは「技術が進化してきている」と長井さん。鮮やかすぎない色だから、普段のメイクに取り入れることができます。
ツヤ感はそのまま、テカリだけ抑える優秀フェイスパウダー

4つめはベースメイクアイテムから、「ベアミネラル」の『オリジナル ミネラルベール プレスト パウダー』「トランスルーセント」が選ばれました。
「一見地味ですが、かなり優秀なアイテムです。最近はファンデーションが進化して、お粉不要のものが増えてきました。でもメイクをする側としては、『そうは言っても、やっぱり最後はお粉をひとはけしたい』という気持ちがある。このパウダーはそんなニーズにぴったりなんです。いい意味で存在感がないというか、コンサバな粉っぽさがなく、しっとりとして乾燥しない。ちょっと使うだけですごくいいかんじの肌になるので、撮影現場でも大活躍しています」
ツヤ肌仕上げはそのままで、ほんの少しだけ過剰なツヤを抑えたい、そんなわがままな願いを叶えてくれるフェイスパウダー。「クオリティが本当に高い」と長井さんも太鼓判をおします。
ひと吹きで、乾いた肌がもっちり復活! 美容液ミスト

長井さんが選ぶマイベストコスメ、5つめは「DUO(デュオ)」の『ザ 薬用バリアレスキュー』。敏感に傾いた肌のバリアを強化する先行型美容液(ブースター)ですが、長井さんは日中に肌が乾燥したときや、スキンケアの補助アイテムとしても愛用しています。
「スキンケアで乳液や美容液も使ったのに、少しだけ顔がつっぱる…。あともう一息ほしい! そんな乾燥シグナルを感じたときにひと吹きすると、肌が丸くおさまるんです(笑)。私にとっては本当に“レスキュー”で、いつも手元に置いています」
瞬時にもっちり肌に整えるミストは「一噴射での威力がすごすぎる」と話す長井さん。ミストでありながら、クリームやオイルなみのうるおいを感じられ、サッと浴びるだけで乾いた肌が復活すると言います。
顔が上がる!「ラブクロム」のコームで頭皮ケア
ご自身の美容では、昨年から引き続き「頭皮ケア」にハマっているという長井さん。指圧でコリやむくみをほぐすことで、顔の印象が大きく変わるのだとか。
「セルフマッサージでは摩擦を避けて、顔も頭も指圧オンリー。げんこつでフェイスラインのもたつきや、鼻の横、頬骨の下、眉毛の上を押すだけでも、すごく気持ちがいいしスッキリしますよ」
コリ解消にはギアを使うこともあり、愛用アイテムは「ラブクロム」のコームだそう。
「これで頭皮をゴリゴリとほぐすとパッと目が開くし、おでこまで全部引き上がります。頭皮へのアプローチは本当に顔に響くから、指圧ビューティに相変わらず夢中です」
2022年は、もっと盛りたい! もっとメイクを楽しみたい!
2021年の前半は、マスクメイクの探求と追求に徹していたという長井さん。現在は少しずつ、もっと純粋にコスメの楽しさを伝えたり、新しいメイクの提案などもしていきたい、という気持ちにシフトしてきたと話します。
下半期の新作コスメでも、口紅のバリエーションをずらりとそろえたブランドがあったり、「至近距離できれいに見せる」ことを追求したファンデーションが登場するなど、“人に見られる”ことへの意識が少しずつ戻ってきた気がする…と長井さん。
「私自身、もっとメイクを楽しみたいし、盛りたい!(笑)そんな気持ちがフツフツとわいてきているんです。きっとみんなもそうなんじゃないかな。来年はみんなの思いに応えられるように、ワクワクするメイクの提案や、『買ってよかった!』と思ってもらえるコスメの紹介をどんどんしていきたいですね」
長い潜伏期間を経て、再び高まり始めた私たちのメイク熱。アイディアあふれる長井さんの提案で、2022年はさらに盛り上がりそうな予感です。
ヘア&メイクアップアーティスト・長井かおりさん

雑誌を中心に多くのビューティー企画を担当。連載も多数担当している。わかりやすいメイクテクニックに定評があり、毎日に寄り添ったメイクの提案などで多くの女性から支持を得ている。著書も多く出版しており、これまで発売した書籍は累計25万部を突破。最新刊「時間がなくても大丈夫! 10分で“いい感じ”の自分になる」(扶桑社)も好評発売中。
長井かおり Instagram(@kaorimake)
取材・文/田邉愛理
撮影/大槻誠一
(アットコスメ編集部)
