平均年齢70歳は高齢だと思いますか？
それとも、まだ現役世代だと思いますか？

2005年3月にアニメ「ドラえもん」の声優陣と製作スタッフが全員交代しましたが、この交代理由は、声優陣・製作スタッフの高齢化が原因だそうです。
最初のドラえもん役の大山のぶ代さんが直腸がんを患い、長期入院されたことがきっかけで大山のぶ代さんご本人がドラえもん役の降板を申し入れ、当初は製作者サイドは大山のぶ代さんにドラえもん役の続投を打診したそうですが、製作者サイドと声優陣で3年以上に渡り長期間な話し合いの場を設け、結果的にアニメ化25周年を節目に製作スタッフ、声優陣の全員が降板・交代することで合意したそうです。

当時の主要声優陣、製作スタッフ陣の年齢は下記の通りです。
【主要声優陣】
ドラえもん役:大山のぶ代さん(72歳)
のび太役:小原乃梨子さん(70歳)
しずか役:野村道子さん(67歳)
ジャイアン役:たてかべ和也さん(71歳)
スネ夫役:肝付兼太さん(70歳)
のび太のママ:千々松幸子さん(68歳)
のび太のパパ:中庸助さん(75歳)
【主要製作スタッフ】
監督:芝山努さん(64歳)
チーフプロデューサー:別紙壮一さん(64歳)

上記の通り、アニメ「ドラえもん」の製作スタッフ、声優陣の交代当時の年齢は60代～70代の方々で構成されていました。
しかし、交代当時のレギュラー声優陣5人(ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫)の平均年齢は70歳でした。



大山のぶ代さん(ドラえもん役)や小原乃梨子さん(のび太役)は、「ドラえもん」の交代前の最後のアフレコ収録を撮り終えた後、インタビューに応じていらっしゃいました。

ドラえもん役の大山のぶ代さんは、「私たちが元気な間にこうしてドラえもんから卒業して、素敵な花道を5人のために用意していただいて幸せです。ありがとうございました。これからドラえもんを辞めた後の人生は、とても楽しい時間を過ごしていくことになると思います。これからもドラえもんを応援し続けて、テレビ放送や映画も見ます。ずっとドラえもんが大好きです。今までドラえもんを応援してくれてありがとう。これからも私は元気で頑張ります。」と仰っていました。

のび太役の小原乃梨子さんは、「のび太くんを降りた後もずっと現役ののび太くんの11歳の感覚でいられると思います。ドラえもんという番組をもう卒業しますが、卒業する私たち声優はこれからとても楽しい時間が待っている気がして、とてもワクワクしています。」と仰っていました。

すると、小原さんの言葉を隣で聞いていた大山さんは大きく頷いて、「ドラえもんから卒業するけど、私たち（声優陣）はこれから本当にとても幸せな時間を過ごしていくことになると思います。」と満面の笑みでそう仰っていました。

しずか役を務めた野村道子さんは、しずか役の降板から11年後の2016年にNHKラジオに出演した際に、「しずかちゃんの降板の時は寂しい気持ちもあったけど、それ以上にこれから新しい生活がスタートするという気持ちで充実感の方が大きかった。」、「自分の中ではそろそろ潮時だと思っていたので、（しずか役を降板して）一区切りを付けることができたので良い1年でした。」といった趣旨の発言をされていました。

大山のぶ代さんはドラえもん役を降板してから3年後の2008年に、バラエティ番組の中で以下の様に仰っていました。
「3人、のび太くん（小原乃梨子さん）としずかちゃん（野村道子さん）とドラえもんだけが女性なんですよね。で、この女3人は、いつも3人で、時間ができると海外旅行したり、いっつも国内旅行したりして、楽しく遊んでたんです。で、これで終わってくれたら、ゆっくりどっか外国行けるわね～なんて」



大山のぶ代さんはドラえもん役を降板した後に、ドラマへ女優として出演したり、バラエティ番組のナレーションを担当されました。
また、音響芸術専門学校の学校長に就任し、後進の育成に力を注がれました。
大山さんはドラえもん役の降板後も、指導者役者として活動の場を広げてご活躍されました。

のび太役を務めた小原乃梨子さんはのび太役を降板後もアニメ「ヤッターマン」レギュラー声優として参加したり、若手の人材育成に力を入れて活動されていました。

しずか役を務めた野村道子さんは、しずか役を降板後は声優事務所「賢プロダクション」の相談役として事務所の経営や後進の育成に力を注がれたそうです。


長くなりましたが、質問は2点です。
①平均年齢70歳は高齢だと思いますか？
それとも、まだ現役世代だと思いますか？

②「ドラえもん」を降板後も声優陣はマルチに活躍をされ続けましたが、まだ元気だったにも関わらず、なぜ「ドラえもん」の仕事を退かれたんでしょうか？