「去年の自分の肌とは、何かが違う」。鏡を見てはついそんなことを考えてしまいます。写真を撮ると思わぬところに陰ができて、「こんなシワあったっけ?」と驚くことも。
小さな変化に不安になるけれど、何をすればいいのかわからない――「そんなときは、自分のことを自分に素直に打ち明けてみて」と話すのは、トータルビューティアドバイザーの水井真理子さんです。
肌を見ればその人がわかる
自分に自分の気持ちを打ち明けて
どれだけ過酷な環境でも「神様はできない試練は与えない」とポジティブにとらえ、不調に気づかないようにしていたけれど、生活のリズムが狂うと体にはつけが回ってくる、と水井さん。そんな自身の経験から、大切にしてほしいことを教えてくれました。
「自分が今どういう状態で、何がつらいのかを知ることが大事ですよね。そういうことが自分メンテの第一歩になると思います。もやもやした不安を感じたら、それはチャンス。ここ3ヶ月の食生活、スキンケア、生活リズムなどをひとつひとつ見直して、まずは自分の変化を把握しましょう。
『つらいからどうにかしよう』と悩むのではなく、少し立ち止まる勇気をもつこと。ただ素直に、自分の気持ちを自分に打ち明けて、『そうなんだ』と客観的に思うだけでいい。そこからメンテナンスは始まっていきます。
対症療法ではなく、自分に質問をして自分を知ること。答えを出すことは簡単ではないと思いますが、例えば、今一番気になるところは? どんなときにそうなる? など。トラブルの原因はひとりひとりちがうので、今の自分に必要なものが何なのか、根本から考えることが大切です」
自分メンテの始まりは、自分を知ること。ご自身も玄米と魚を積極的に食べるようにしたり、基本のスキンケアをとにかく丁寧に行ったりして、肌や体のトラブルをひとつずつ乗り越えることで、みるみる肌が変わってきたのだそう。
若い世代に気づいてほしい、体の変化
「今の若い人に気づいてほしいのは、スマホやパソコンによる姿勢の変化と、チャットツールの普及による表情の変化ですね。トラブルが早く出てくる場所が、昔と違ってきているんです」
水井さんが指摘する変化は次の3つ。
1. 前傾姿勢による首のこり
スマホやパソコンの見すぎで、前傾姿勢になったり下を向いたりしている時間が長くなっています。そうすると胸が開かれず、重い頭を首で支えることで血流が悪くなり、こりやむくみを感じる人が増えています。
<対処法>
胸を開いた姿勢をできるだけキープ。首のシワや二重あご、目の下のたるみが出やすくなるので、心当たりのある人は早めのケアを。
2. 眼輪筋の衰え
スマホやパソコンに集中するとまばたきの回数が減り、目の周囲の眼輪筋が衰えがちに。これはクマやまぶたのたるみの原因にもなります。また、眼輪筋を使わずに額を動かしてまぶたを上げようとするため、額のシワも深くなってしまいます。
<対処法>
まばたきを意識し、できるだけ目を休め、目の筋肉を和らげる目薬を取り入れてみて。蒸しタオルなどでじんわりと目の奥から温めるのもおすすめ。
レンジでチンして使う『あずきのチカラ 目もと用』は水井さんも愛用しているとのこと。
桐灰化学
発売日 2015/10/1
「あずきの重みがちょうどいいんです。私は自分が一番心地よい重さにするために、中身を出し縫い合わせて調整することも(水井さん)」
3. 表情筋の衰え
メールやチャットでのコミュニケーションが増えて対面で話すことが減ったため、顔の表情筋が怠けがちに。口角が下がり、ほうれい線が目立つ人が増えています。
<対処法>
口角を上げてみて頬が震えたら、表情筋を使っていない証拠。ふだんから笑顔で話すこと、口角アップを習慣づけて。表情筋を鍛えるには、うれしさなどの感情を“ちょっと大げさに”表現することもポイントです。表情が豊かになると魅力が伝わりやすく、仕事や恋愛などの人間関係がうまくいくケースも。
自分メンテのキーワードは「心地よさ」
明るくつややかな肌が印象的な水井さんですが、ご自身の自分メンテのキーワードは「心地よさ」。ちょっとしたことでも、心地よく感じられるかどうかを大切にしているそう。
「自分だけが知る心地よさをもっと追い求めて。好きな香りをまとうとかお風呂に入るとか、運動するとか…。自分が好きだと思えることをして気持ちに変化をつけてあげる。そしてつらいときは無理せずじっとすることがあってもいい。気持ちのメンテナンスができたら、またチャレンジすることも大切だと思います」
水井さん、じつは温泉ソムリエの資格を取得したほどのお風呂好きとのことで、お気に入りの入浴アイテムと旅行先を教えてもらいました。
お気に入りの入浴剤
ホットタブ重炭酸湯
発売日 2016/10/1
「いい汗をかきたいときは炭酸風呂を。お風呂は水圧や浮力などによるリラックス効果が抜群です。週末の朝風呂もおすすめ(水井さん)」
BARAKA
発売日 2017/11/15追加発売
「自宅でイスラエルの死海のスパが体験できる『ジョルダニアン デッドシー』シリーズはデトックスに最適(水井さん)」
お気に入りの旅行先
霧島温泉「旅行人山荘」
https://ryokojin.com
「鹿児島県にある温泉宿。山の中に貸し切り温泉があるんです。早朝の『赤松の湯』で鹿の親子と目があったのは、忘れられない思い出。部屋風呂もいいですよ(水井さん)」
きれいはあなたの近くにある
2019年10月4日(金)に、初の著書『水井真理子の寄り添い美容』(集英社インターナショナル)を出版される水井さん。表紙に記された“きれいはあなたの近くにある!”という言葉は、水井さんが多くの人に伝えたいと願うメッセージです。
「きれいになりたいけれど、忙しいから、疲れているから、自信がないから……つい言い訳をしてしまいますよね。でも私は、言い訳万歳、と思っているんです。それは本心では、変わろうと思っているということだから。もう一度その気持ちを取り戻せたら、大丈夫! 必ず前に進めます」
自分の気持ちに寄り添えば、きっときれいを引き寄せられる。そう言って微笑む水井さんに、自分を大切にする第一歩を教えてもらった気がしました。
取材・文:田邉愛理
撮影:アットコスメ編集部