19547views

化粧水のつけ方:ハンドとコットンの比較実験の落とし穴

化粧水のつけ方:ハンドとコットンの比較実験の落とし穴

【2015.5.1】追記
メーカーの化粧水のつけ方に関する実験で、遭遇したことを、後半に追記しました。

【2015.3.13】追記
メーカーの実験の解釈のし方について、
別の捉え方もあると思われたので、後半に追記しました。

途中、補足など( )で追記しました。

ハンドプレス推奨のブランドを
デパートの総合案内、コスメティックカウンターで調べてみたら
なんと、たった3社だけでした・・・・

そして、総合案内の方に、ハンドとコットン、どちらがよいか伺ってみたら・・・  

後半に追記しました。


【2015.3.11】元記事
この冊子は、10年ほど前の美容雑誌についてきた付録です。


みずみずしさへの最短・最強プロセス

   「ザ・化粧水」


と題した、本誌特集連動企画でした。


化粧水にはいろいろ種類があって、
  「ふきとり化粧水」「ブースター化粧水」「保湿化粧水」をメインに
  「美白化粧水」「アンチエイジング化粧水」「収れん化粧水」「化粧液」
   など役割を理解しましょうという振りがあり、
   それぞれの化粧水の詳細について解説されていました。


  そして、永遠の課題

      ”化粧水は、コットンでつけるか、手でつけるか問題”


が提起され、特集が組まれていました。
様々なコットンが紹介されつつ、化粧水はコットン使いが一般的。
と紹介され、「なぜコットンを使うのか」という問いに対して、
イプサのマーケティング部の方が答えられていました。

イプサの方によると・・・

◆コットンがおすすめ
 「心地よく使える まんべんなくつけられるという利点がある。
  さらさら系のものは、指の間からこおれたりして、逆に無駄をつくることに。
  コットンは、液をたっぷり含みつつ、放出性も考えられている。
  コットンにわずかに残りますが、必要成分は届いている」

◆パッティングのつけ方について
 「浸透を高めるというより、皮膚温度を下げて毛穴をひきしめる効果がある。
  全体になじませ終わってから行うとよい。
  気持ちいいと感じる強さで、コットンが毛羽立たないよう、
  たっぷりの量を使って」

以上のようなコメントが紹介され、
コットンとハンドの浸透の違いを写真で示されていました。




上記の写真提供は資生堂から。
下記コメントも資生堂の広報部の方からです。

 「白い部分が化粧水が浸透しているところで、
  コットンなら全体にむらなくすみずみまでついていることが分かる。
  コットンなら、化粧水の9割以上がしっかり肌に届くので、
  手で使ってムラづきする方がよっぽどもったいない。」とのこと・・・




10年ほど前の記事・・・・
この頃は、お手入れに全く興味がなかったので、
化粧水だけでもこんなに種類があることに、びっくり。

また、こんなにもいろいろな種類の化粧水を比べながら、
女性たちは選んでいるいるんだということが、
私には、異次元の世界に映っていました。

しかしながら、この写真の浸透の様子を見て、そうだったんだ・・・・  
コットンを使った方が、化粧水はちゃんと浸透するんだ。
化粧水はコットンを使わないといけないのねと理解したのでした。

しかし、実行に移されることはなく、ハンドのまま使っていましたが・・・




■ハンドプレス化粧水との出会い
それから、何年かして、ハンドプレス推奨の化粧水、
花王のアルブランと出会いました。


▼その中で、一番共感したのは、手による「肌との対話」というコンセプトでした。




▼化粧水のつけ方を、動画で提供されていたことも、わかりやすくて参考になりました。


アルブランの化粧水のつけ方は、「潤白スキンストレッチ」といわれています。
このステップの中で、「目の周りのツボ押し」という方法があるのですが、
目の下のたるみを一気に解消してくれて効果絶大でした。


(この化粧水のつけ方、エストでは取り入れられていません。
 同じ花王なのに・・・  こんなに効果がある方法なのに・・・
 同じメーカーのハンドプレス化粧水でもつけ方は違います。
 
 つけ方の手技はどのように決まるのかなぁ・・・というのがもっかの疑問です。

 この効果は、化粧水の効果というよりも、ツボ押しの効果と考えられます。
 クレドポーボーテがリンパ流しの合わせ技で化粧水をつけることを提案していますが、
 このような、ツボやリンパを刺激する手技により、
 化粧水の効果にプラスαされて、化粧水の効果と一体化することが
 考えられるのではと思いました。)


▼ハンドプレスでは、化粧水がなじみいくいと言われます。
 しかし指先の点、指の線、手のひらの面を駆使すれば、
 全体に均一に、ムラなくなじませることができます。



 【参考】化粧水:【お手入れ会】化粧水のつけ方を徹底レクチャーしていただきました!
    →https://beautist.cosme.net/article/345644

   ハンドプレス化粧水をしっかり肌に浸透させる技術を、
   メーカーは持っていることが伺えます。


アルブランの化粧水と出会って、
これまでは、コットン付が基本(主流)だと思っていましたが、
コスメ業界に「ハンドプレス」という新しい考え方が
登場したのだと理解していました。

その頃、まだコスメのことは、全くわからなかったのですが、
わからないなりにも、コスメの世界は、「今日の常識は、明日の非常識」
のように、ころころ変わる世界なのだということを感じていました。
化粧水のつけ方も、これまでとは違う新たな知見が出てきたのだと理解していました。



■SK2の比較データを見て
その後、ちょっと浮気をして、SK2のお試しキットを使ってみました。
その中にあった写真がこれでした。



↑色が黄色いほど均一に塗布できています。
 コットンでつけた右側の方がしっかり、浸透していることがわかります。





手 パッティング コットンパックのつけ方の違いによる水分量の違い


   
■すべてを悟りました
この実験を見て、わかりました!
化粧水のつけ方というのは、
「ハンドかコットンかという問題ではないのだ」ということ。

メーカーによって、ハンドでつけた方がいいものがあれば、
コットンでつけた方がいいものがある。ただそれだけのことで、
SK2は、コットンでつけた方が効果があるのであり、
アルブランは、ハンドでつけた方が効果があるということなのだと。

結局、メーカーが推奨する方法でつけることが一番なのだと理解しました。


 (となると、ハンドだ、コットンだと論争している美容雑誌や美容家、
  美容ライターってなんなんだって思うようになりました。
  プロの方たちが、基本をきちんと伝えることができないのか、
  あえて伝えないのか・・・  結局、その裏には・・・・)

 (BAさんたちは、そのことをわかっていらっしゃるのでしょうか?
  でも、BAさんは、自社製品を使うのが基本のはず。
  だとすると他社のことはわからないし、
  自分たちの方法が一番だと思っているのかもとか・・・
  あるいは、メーカーがそういう研修をしているのかも・・・とか)



■資生堂の比較実験
ちなみに、資生堂のコットンとハンドの比較実験です。
(10年前の美容雑誌の付録の実験と同じ画像のようです。)

特殊撮影による画像
  →http://shiseido.kenja.net/bijingoyomi/2012su/03/01.html

次のような解説があります。
ーーーーーーーーーーー
この写真を見てください。
化粧水を手でつけた場合とコットンでつけた場合を特殊な方法で撮影したもの。
手ではどうしてもムラになってしまうことがわかります。
ーーーーーーーーーーー

この実験は、「資生堂の化粧水」を使って
「ハンド」と「コットン」の比較実験が行われていると考えられます。

コットンを推奨している化粧水を、
ハンドで付けたら、ムラになるのは当たり前のことです。

しかし、この実験からは、
ハンドで化粧水をつけるより、コットンでつけた方がいいという、
化粧水全体の話のような、錯覚を起こさせている気がします。

SK2の化粧水のつけ方実験も、同様です。



■ハンド推奨のエストの実験結果は?

ハンド付を推奨しているエストの、
ハンドで付けた写真とコットンで付けた比較実験の写真データはないのでしょうか?

ありました!
「エスト4日間集中 ベーシックケアサンプルセット」のシートの中に、
コットンでつけた場合と、ハンドでつけた時の比較写真が掲載されていました。

(写真撮影していたのですが、見当たらなくなってしまいました。)


当然のことながら、ハンド付した方が、浸透はよいという結果になっていました。
もともとハンド推奨なのですから・・・

(しかし、エストのBAさんに、コットンでつけたらどうか伺ったら、
 効果は同じ、ただ、化粧水がもったいないですと言われていたのですが・・・)




■同じ化粧水で比較してもしかたがないのでは?
私たちが本当に知りたいことは、
「ハンド推奨化粧水」と、「コットン推奨化粧水」を
同じ人が使って、どれだけ、保湿効果が違うかを、
検証して欲しいのではないでしょうか?

ただ、水分測定というのは、とてもデリケートなので、
同じ人で、違う化粧水の測定しても、同じ条件をつくることは難しいと考えられます。

ハンド推奨の化粧水の測定をしたあと、すぐにコットン推奨化粧水の測定をすると、
前のデータが影響してしまいます。
日を改めたとしたら、室内湿度や、本人の水分のゆらぎなども考えられ、
同条件にはなりません。
そんなわけで、ハンドプレスと、コットン付が
どちらが効果的かという実験は、組みにくそうです。

最も、メーカーが、他社の化粧水を使って比較実験をすることは、
ないと考えられますが・・・



■ハンドプレスとコットン付の効果
ということで、ハンドプレスとコットン、
どちらが正しいとか、効果があるということではなく、
メーカーの使い方に準じて使うことが一番だということになります。

その上で、自分の使い勝手や、心地よさと相談して、
工夫することが大事なのではないでしょうか?



■実験結果に惑わされない
美容雑誌や、メーカーによる、ハンドとコットンの浸透実験が行われて、
結果を提示されてしまうと、そうなんだと納得させられてしまいます。

しかし、自社商品で、推奨の方法と別の方法を比較したら、
推奨の方法がよい結果になるのは、当然です。

ところが、美容雑誌やメーカーリリース情報は、あたかも、
その方法が化粧水全体のつけ方としてよい方法だという
印象を与える形で情報提供がされているように感じられます。


■メーカーは、自分たちの方法が一番と思ってる?
また、メーカーそのものも、自社の方法が一番と思っている節があり、
BAさんたちにも、自分たちの方法が絶対というような、
レクチャーをしているようだということが、
お話をしていて感じられることもありました。

そのため、コットン推奨のメーカーに行くと、
当然、コットンが絶対という話になりがちです。

(一方、花王では、うちの化粧水は、ハンドで・・・という 答え方をされます)

(それは、これまで他社ではコットン使用が主流だったため、
 「うちでは」といわざる得ないため、そのような案内だったとも考えられます。
 しかし、「化粧水によってつけ方は違う」という基本的なことを、
 研修によって感覚的に、身につけていらっしゃると感じさせられました。)


化粧水の多くは、コットン推奨の割合が多いようです。
そのため、各ブランドのBAさんたちは、コットン、コットンと
オススメするため、コットンが主流のような風潮が
出来上がっているように感じさせられています。


コットン使いの化粧水を浸透させるために、
 「ハンドプレスは、手に吸収されるからもったいない」とか、
 「ムラづきになる」という都市伝説(?)のようなことが語られたり(笑)


それに対抗するように(笑)
 「コットンは、肌をいためる」とか、
 「コットンに吸収される化粧水がもったいない」とか
 「コットン使いは、化粧水の消費を促すため」

といった話が出てきてしまったのでは? と思ってしまうのでした。


実際に同じメーカーであっても、コットンを推奨しているラインもあれば、
ハンドを推奨するラインもあります。

コットン推奨の化粧水は、コットンで使うことでより浸透するように調整され、
コットンに残っている水分は、浸透したあとの出がらし状態なので、
もったいないということはないそうです。

また、ハンドプレスで、化粧水が手のひらに吸収される量は、微々たるものです。
したたりおちたりしないように、とろみのある処方がされています。
ムラ付になるという指摘も、コットン推奨のシャバシャバ系化粧水を
ハンドで付ければ、ムラづきになりますが、
ハンドプレス化粧水は、ムラづきになりにくいような調整をされています。
さらに、ムラにならないつけ方の提案もされています。


ということで、メーカーの実験の結果も、
落とし穴が存在しているので注意しましょうというお話でした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【追記】各メーカーの実験について(2015.3.12)

各メーカーの実験は、自社の化粧水を、
「ハンドとコットンのどちらで使った方が効果的か」を検証した実験と考えると、
使用方法の裏付け説明するための実験と考えることもできると気づきました。

ここでミスリードがあったのは、美容雑誌の取り上げ方だったのでした。
「ハンドかコットンか」というテーマに対して、
メーカーの比較写真を使用して解説していました。
これによって、化粧水全体の一般論として受け止められてしまうという
誤解が生まれたと考えられます。

ただ、メーカーは自分たちのつけ方が一番と思っている節もあります。
コットンの方がいいということを浸透させたいという思いもあったかもしれません。

コットンか、ハンドのどちらがいいのかBAさんに聞く時は、そのお答えが、
「自分たちの化粧品に限って」と答えているのか、
「化粧水全般について」のお答えなのかを注意してみるとよいかもしれません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【追記】ハンド推奨ブランドは? (2015.3.13)
化粧水で、ハンド推奨とされているブランドを、
デパートのコスメティックカウンターで伺ってみました。

すると、そこで紹介されたのは、以下の3社だけでした。

 ○ポーラ
 ○クラランス
 ○エスト

これでは、やはりコットン主流の風潮ができるのも無理はないのかもしれません。

デパートによって扱いブランドが違うので、
他のデパートでは、もう少し詳細に案内され、
各ブランドの中にもハンド推奨があることを教えていただきましたが、
全体としては、コットン主流が伺えます。

また、総合的にトータルで案内をされるコスメティックカウンターの方に、
どちらがいいか伺ってみると、
お好みですが、コットンで付けた方がムラなくつけることができるので、よいのでは? 
というお答えが返ってきました。

ーーーーーーーーーーーーーーー
【追記】SK2の浸透実験 (2015.5.1)
SK2の化粧水の浸透に関する資料を、カウンターで見せていただきました。
その写真は、上記にある写真と全く同じものと思われました。
(詳細には見ることはできていないのですがたぶん・・・・)

SK2では、化粧水のつけ方が、「叩く」から「押し込み」に変わったのですが、
説明資料などでは「パッティング」という表現が使われていたので、
そのことについて伺っていました。
「押し込んで入れる」ことも、「パッティング」と表現していることがわかりました。
メーカーがその言葉をどういう意味で使うかについては、
それぞれだと思うので、SK2はそういうことにしたのだと理解しました。

使い方が「押さえる」に変わったのに、HP、使い方パンフは、
「パッティング」のまま・・・と思っていましたが、
「押し込み」もパッティングのうちなのだということがわかりました。

そこで、「この化粧水実験の写真は、押し込んで化粧水をつけた写真ですか?」
と聞いたところ、「そうです」とのお答えでした。

内心、(うそばっかり・・・・)と思っていました(笑)  
このデータは、コットンでつけた時の浸透力の違いを説明するためのもので、
つけ方を変更する前から使われてたいたものと同じはずです。

さらに、化粧水の浸透は、「叩く」も「押さえる」も変わりがない
という話を、カスタマーで伺っています。

こんなところでも、カスタマーとカウンターのいうことが違う。
ということを感じさせられました。

(もしかしたら、その部分の写真、効果はかわらない
 押し込んで化粧水をつけた写真に、差し替えられていたとしたら、すみません・・・・)

このブログに関連付けられたワード

このブログを通報する

スキンケア カテゴリの最新ブログ

スキンケアのブログをもっとみる