
高級ブランドコスメのマーケティング【アンバサダーマーケティング】
2015/6/4 23:50
それは、1通のメルマガから知ったことです。
その内容は「アンバサダー募集」というメールでした。
SK2のFTEを1年以上継続的に愛用し、カメラマンによる素顔撮影に協力し、
広告出演して、そのブランドの魅力を伝えるというもの。
そんな募集の告知でした。
当選の商品は、さぞやと思いきや・・・・・
FTE 150ml
一瞬、目を疑いました。
え? SK2のCMに登場して、素顔も出して、
商品のよさを伝えるというお役目も担っているというのに、
謝礼が化粧水たった1本?!
はっきり言って、なんてせこい会社・・・(笑)
女優を3人も起用して、CMバンバン流して、宣伝費かけて、
高い化粧品を売ってるっていうのに・・・・
愛用者から採用みたいな企画に、そんなしょぼい当選品なんて・・・
そんな企画に、応募する人がいるのかしら?
応募する方だって、化粧水欲しさに応募したなんて思われたくないはず。
万が一、いたとしたら、ああ、彼女は、
化粧水1本のために応募したのね・・・・
そんな視線を送られてしまうのです。
何を考えているのだろうと思っていたら・・・
さらに再募集のメールが届きました。
応募を逃したお客様から、再募集の要望があったって書かれていました。
それってホントなの?(笑)
■利用メーカーのしょぼさにあきれる
自分が使っている化粧品の会社が、アンバサダー募集をしました。
その謝礼が、化粧水1本です。
はっきり言って情けないです。悲しくなります。
BAさんたちは、勤めている会社がそんな会社だということ、
恥ずかしいと思わないでしょうか? 思わず聞いてしまいました。
かえってきた答えは・・・
「顔まで出して、それはないですよね・・・
化粧水って、何mlでしたか?
そんなのに応募すると、出たがりって思われちゃいますよね。」
(おいおい、そこまで言っちゃ、まずいでしょ。
お客さんの中に応募しようと思う人もいるかもしれませんから・・・
でも、共感していただけてうれしかったです。)
「当選の品は、化粧水1本かもしれませんが、
期間中、いろいろな新作試したり、
スキンケアや、メイク品の提供、エステなどもあるとは思うのですが、
賞金、○○○円ぐらいは、出して欲しいですよね。」
思いもかけないBAさんのお答えに、私も調子にのって、
「そんな会社だと思うと、働いていて恥ずかしくないですか?」って(笑)
すると、
「上の考えることは、しょうがないです。
現場のことわからず、勝手にやってるだけですから・・・・」
「私も一部、SK2を使わせていただいていますが、
こんなせこい会社だったって思うと、悲しくなります・・・・」
SK2のBAさんの中でこのような話をできる方は、めずらしいです。
たまに、気さくなお話できる方がいらっしゃいます。
もしかしたら、私の口調から、そのように言って欲しいのだろうと察して、
合わせていただいたのかもしれません・・・
■アンバサダーマーケティング
この手法、ちょっと調べてみたら、マーケティングの世界では、
「アンバサダーマーケティング」といわれているそうです。
メーカーに心頭するユーザーを
親善大使にして、広告効果を上げるのだそう。
しかも、「アンバサダーには、謝礼を出さないのが基本」なんだそうです。
アンバサダーは、お金のためなのではなく、このブランドが好きだから・・・
そのよさを、みんなに知ってもらいたいという気持ちを利用するそう。
この手法を取り入れたというのは、SK2らしいなって思いました。
SK2のマーケティングは、SK2を愛用するロイヤルユーザーを育てること。
ブランド力を上げることが第一に感じられます。
そのために、ロイヤルユーザーを再研究し、
どんなお客さんが集まっていて、何に満足し、
自社のブランドのどこに共感しているのか。
その部分を強化して、ロイヤルユーザーのクチコミでさらに広げていく。
SK2に惚れ込んで心頭するロイヤルユーザーを育てながら
あこがれのブランドに仕立て上げる。
高くても一度は使ってみたい存在としてのポジション作り。
そんな高額商品を使っている私・・・・ 使える私・・・・という満足感。
そんなブランドのアンバサダーに選ばれることは、なんて光栄なことなの!
選ばれることはこの上ないステータス。
そして選ばれた人へは羨望のまなざしが注がれ・・・
そういう高みのブランドにすることが、マーケッターたちのお仕事。
そういうブランドになっていると信じて疑っていない人たち。
■現実との乖離
しかし、そんな手法は、マーケッターの机上の空論だと思うのです。
利用者は、なんてせこい会社と思って笑っているのです。(笑)
回りの友人たちも話してみましたが、
そんなものに応募する人は、出たがりなのよね。
モニター好きなのかしら?
果ては、化粧水ほしさに応募するの?
そんな声、ばかりでした。
こんなことが影で囁かれていること、マーケッターは
想像できているのでしょうか?
頭だけで考えて、こうなるだろう。
そこには、人の心が伴うことを読み取れていない気がします。
マーケティングの力でブランドの価値をあげ、消費者も崇め奉ってくれている。
と思っているのかもしれませんが、
使う人の心をもっと想像してみようよって思うのでした。
印象的に残るマーケッターの一言がありました。
高級アイテムの口こみをする時の人の心理を、次のように読み解いていました。
「なぜ口こみをするのか」
「口コミを通して人に自慢するため」
これが、このような手法を取り入れる会社の奥底にある本音、真髄なのだと思いました。
いろいろなこと全てがつながってわかりました。
■BAさんにも浸透するブランド意識
私は以前から、そういうSK2のマーケティングによる企業体質(?)が、
どうしてもBAさんたちにもにじみ出てしまっていると思っていました。
使わせてあげているという意識が、知らず知らずのうちに見え隠れている印象があります。
そして、私はSK2の美容部員なのよ・・・
という高いプライドを感じさせらるのです。
それが、いつの間にか会社全体に染み渡っている企業土壌だと思っています。
マーケッターの方たちは、SK2の口こみやネット内の評判を
ちゃんと見ているのでしょうか?
口こみを誘発することを考えているというのに、ずっと疑問を持っていました。
私は、自分だけがよくない印象を個人的に抱いてしまっているのかなと思い、
SK2で起きていることを、全体を俯瞰して結構、ウォッチしてきました。
サンプルの出し惜しみをされて印象悪いという声。
あなたが来るところじゃないわよオーラを発っせられた。
そんなことを感じていている方が散見します。
ずっと、利用していても、肌診断、してもらったことがない。
親子2代で利用していても、立ったままで接客
そして合う合わないがはっきりした化粧水。
そんな不満があちこちにいっぱい、渦巻いています。
そういうことを見て改善しようということが、この会社にはないのかしら・・・
もちろん、素敵なBAさんもいらっしゃいます。
でも、ごく少数なんです。
■問題の解決ができない会社
その他にも、SK2ではいろいろなトラブルがありました。
その解決が、申し送りされておらず、同じこを何度も繰り返しています。
内部が縦割りで、横断的なシステムがないのだと思いました。
私の中では、この会社、改善は無理なんだろうな・・・というのが結論です。
コスメの研究に対しても、疑問を感じることもいろいろ。
社内の風通しが悪すぎるのです。
これは、長くから続いてきた土壌なので、改善することは無理。
それが3年かけてウォッチしてきた結果です。
○SK2の化粧水 「パッティング」から「押さえて付ける」に変更の裏側で
→https://beautist.cosme.net/article/1060001
化粧水の使い方が変更になりました。
30年にも渡り、放置していたこともどうなのかと思いますが、
この変更にあたっては、カウンターが先行し、
お客様相談窓口にへの連絡徹底が1年ぐらいされないまま放置。
そして、どうして変更になったのかという検証が、
科学的にきちんとされていない印象を受けます。
会社の正式回答は、どちらでも同じと言いながら、
BAさんたちは、研究の結果、押さえる方がよく浸透するという説明。
教育システムにもいい加減さを感じさせられる出来事でした。
【参考】他社の化粧水のつかけたの変更例
○化粧水のつけ方は 変化する!?('15/3/3)
→https://beautist.cosme.net/article/1043966
〇マスク:【SK2】 ふきとりが必要なシートマスクの仕組みは?
(SK2 フェイシャルトリートメントマスク)
→https://beautist.cosme.net/article/226549
拭き取りが必要というマスク。なぜ拭き取るのか。
その質問が、毎度のことなが、違う答えとなるカスタマー
○ピーリング:SK2 拭き取り化粧水の謎 これってピーリング?
→https://beautist.cosme.net/article/259575
化粧品の機能説明に対する、曖昧な表現
〇カウンター:【SK2】デパートカウンターでSK2を利用したら
→https://beautist.cosme.net/article/257858
何度購入しても、肌診断をしてもらえない。
顧客登録もしてもらない・・・
だって、ここはハイブランドコスメだから、
あなたは、対象外なのよ・・・
と感じさせられてしまう接客。
まっ、そう見えるのでしょうから、しょうがないて思ってます(笑)
○お肌診断:【SK2】マジックリングのデータをメモできない!
→https://beautist.cosme.net/article/464493
○お使いのメーカーでは、お肌診断の声かけはしてもらえますか?
結果をいただけますか?
→https://beautist.cosme.net/article/467153
肌診断データが欲しいと言ったら、個人情報の関係で渡せないと言ったBAさん
その対応に関する店長、エリアマネージャーの対応
○マスク:【使い方】 シートマスクをお風呂で使うのはNG?
→https://beautist.cosme.net/article/212674
お風呂で使えるというマスクに対すると言わせに関して、
いろいろなメーカーのお答え。
マイナーメーカ、プチプラメーカーの対応の方が、
商品に対する自信が伺えたりしました。SK2の答えに唖然・・・・
以上のようなあんなこんのいっぱいおきた3年間。
それなら、使うのやめれば・・・・ ごもっとです(笑)
でも、気に入ってしまったアイテムができちゃんたんです・・・・
【参考】SK2に関するマーケティング
○世界に通用する自分を作るP&Gのマーケティングの仕事
→http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/aa0i/112395/p1.html
以下引用
ーーーーーーーーーー
「トレーニングメニューは、欠けているものはないのではないかと思えるほど、数も質も充実しています。これは170年の歴史があり、世界に13万人の社員を抱えているP&Gのノウハウがいかんなく発揮されている部分です。トレーナーは全員社内の現場経験者で、トレーナーとしての仕事も厳しく評価されます。
(中略)
人を育てる文化はP&Gの誇りとも言えますね」
ーーーーーーーーーー
はっきり言って、自画自賛、自己満足だと思いました。
「トレーニングメニューは、欠けているものはないのではないか」
そんなことを言葉にしてしまうことが、奢りであり見失っていないでしょうか?
私は、SK2よりずっとずっと、しっかりしたトレーニングをしていると思われる
メーカーを見ています。はっきり言って井の中の蛙にすぎません。
マーケッターは自分たちのマーケティング理論に自信を持っていても、
現場には浸透していません。
悪いですが、現場の人が育ってないと思います。
BAさんのページ。
→http://pgsaiyo.com/maxfactor/bc/message/bcm5/index.html
以下引用
ーーーーーーーーー
ときには社長や支店長が店頭に足を運んで「最近どうですか?」「改善が必要なことはないですか?」と聞いてくださいます。いつも現場の声を大事にしている会社だなと感じます。
またP&G全社員共通の理念があり、何があっても軸がぶれずに皆が同じ方向を向いていられるというところが好きです。
もともと自分の価値観に近い理念だからこそ、より自然に受け入れられるのかもしれませんし、何かあってもそこに立ち戻る=拠り所のようなものだと感じます。
ーーーーーーーーー
社長や支店長さんが、店頭でBAさんに聞くのもいいですが
その前に、利用者の声を聞いて欲しいです。
なんだか、全てがそらぞらしくて、上っ面だけ。そんな気がしてしまったのでした。
SK2関する実習レポートがありました。
「SK2顧客 リ・デザイン きれいの秘密」
→http://mba.kobe-u.ac.jp/life/minipro/2005/materials/team7.pdf
こうやって、マーケティングとか言って、
統計や図表を用いて分析して、カテゴライズしたりしているけど、
利用者実感が伴っていませんし、会社の内部でどんなことがおきているかなんて、
全然、わかってないくせに・・・って思ってしまったのでした。
化粧水を30年にも渡って変えない。
そこに問題があると考える利用者がいるのに、
メーカーも、そしてレポートをする人たちのテーマ設定が、
変えないことの意義からスタートしていて、
自分たちの掲げるものが、絶対に受け入れられているという思いこみが、
この会社をおかしくしていると思ったのでした。
私が感じたSK2です
〇【Sk2】の出会いとイメージ
→https://beautist.cosme.net/article/278969
【参考資料】2015.6.22
○10万人のファンを獲得!話題のアンバサダーマーケティングの成功事例まとめ
→http://3media.biz/promotion/ambassordar-marketing.html
○指令!「愛」を獲得せよー
ーアンバサダーマーケティングは21世紀的な囲い込み戦略か(序論)
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/718.html
またアンバサダーは、ソーシャルメディア上のファンやフォロワーとも違う。彼らが求めるのは割引やクーポン、無料サンプルなど、なんらかの対価あるいは報酬を求めることが多く受動的である。しかし、「アンバサダーはそうしたことを望んではいない。彼らは、自分たちの素晴らしい体験を伝えたい、他人に役に立ちたいという好意に基づいた動機が特徴で、自らの意思で自律的に活動している」
そういう意味では、「購入頻度・利用頻度の多いロイヤリティ顧客以上の存在」だ。著者も「アンバサダーを生み出し、活躍してもらうというのは、何年にもわたって持続性のあるマーケティング資産を手に入れることにほかならない」と明言している。
今回の各パネル担当者もそうしたことを実感し試行錯誤しながら、アンバサダープログラムを推進している。「オピニオンリーダーから一般のアンバサダーへ」(ScanSnap松本氏)という言葉に象徴されている。
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