医学的な効果の検証は得られていないものだとわかりました。
そもそも、化粧品は医療品ではないので、効果を云々するアイテムではない。
ということは、まだ知りませんでした。
感覚的にコスメと医学は別もの。と分けて考えるようになりました。
分けて考えるようにはなりましたが、
医学的に意味ない「コラーゲン」を入れたり、
主力商品にして売っているメーカーは、売らんがための方針のメーカー。
そんなところの商品は、私は使わない。
という判断の基準にするようになりました。
また、プチプラも、コラーゲン入りというものは避けるようになりました。
自分で調べる過程で、「コラーゲン」を押しているメーカーとして、
最初に目に入ったのは「資生堂」でした。
そして、ファンケル、アテニア・・・・
あの大手の資生堂が、そんな売り方をしているなんて・・・・
研究方針とか理念とか、もう少しちゃんとしているところだと思ってたのにって・・・・
ファンケルはもともとサプリの会社ということもあって、いいんじゃない?という感じ。
そしてファンケルと同じ会社のアテニア。
アテニアの場合は、なぜか、許容ができたのは不思議でした。
親会社がファンケルだから・・・・というのもありますが、
会社の方針が、宣伝や容器代を押さえて材料をいいものを使い、
コストが低くよいものを提供という会社の方針に共感していたからです。
そこから提供さえるコラーゲンは、収益構造の一部。
コラーゲンで上げた利益を、アテニアの化粧品の材料費に
回してくれれば・・・なんて思っていたのでした(笑)
私自身は、コラーゲン、使いませんが、
関心のある人に売って、収益上げて下さい・・・といった感じ(笑)
一度だけ、キャンペーンがあり、ドリンクとパウダーを買ったことがありました。
信じていなくても、たまに効果を感じるアイテムというのもあるので、
もしかしたら・・・・と思って購入してみたのでした。
ここぞというときに使おうと思いながら3年。
先日、見たらとっくに使用期限が切れていました。
泣く泣く、そのまま破棄してしまいました。
当初、資生堂がコラーゲンを扱っているということは、
資生堂に対する偏見の目がかなり強くなった原因の一つでした。
さらに、@コスメを見ていると、肌の調子がよくならない。
と言った時には、ではコラーゲンを・・・・ なんて案内されているのです。
なんだかなぁ・・・・という感じで、化粧品がダメならこっちという、
そういう売り方をする会社なんだ・・・とも思っていたのでした。
さらに、それをダメ押しするかのように、
エリクシールのCMでコラーゲンを医学からアプローチしました
とイメージさせる手法には・・・・・
ところが・・・・
シナクティフを使って、資生堂のことをいろいろ調べてみると、
資生堂のコラーゲンは、全く違うというがわかったのでした。
■コラーゲン研究は、進んでいた!
コラーゲンに関する私の情報は、2年前で止まっていました。
◆コラーゲンの新たな知見
→http://www.shiseidogroup.jp/technology/detail/30.html
真皮幹細胞に働きかけて、コラーゲンを産生させる技術を開発中とのこと。
(ただ、何がどう働きかけているかの解説がありませんでしたが・・・)
◆真皮幹細胞について
そして、今ひとつよくわからなかったコラーゲンを作る元であるらしい
「真皮幹細胞」についても、 わかりやすく解説がされていました。
→http://www.shiseidogroup.jp/technology/detail/24.html
上記の説明だけでは、まだよくわからなかったのですが、
先日、皮膚構造を調べている過程で、「真皮幹細胞」という細胞が、
実際に存在していることがわかりました。
ここが、科学の進歩であり、新知見だったのです。
30年前、真皮に幹細胞というものは存在していませんでした。
幹細胞は、骨髄の中だったのです。
そのため、皮膚の幹細胞と言われても、どういうこと? と
ピンとこなかったのです。
●真皮幹細胞は、どこに?
血管の周りに安定して存在。
緑色の線状のものが血管、矢印の先にある赤色の点が真皮幹細胞。
この図より、真皮幹細胞が血管の周囲に分布していることがわかります。
(画像は、肌内部の断面を顕微鏡で観察し、撮影したもの)
この説明でやっとこれまでの謎が理解ができました。
骨髄でできた幹細胞がどうやって皮膚に存在するのかが謎でした。
血液を通って体に行き渡り、そして皮膚の血管から真皮にたどり着く。
血管の周りには、細胞の増殖や分化を調節する血小板由来成長因子が存在するため、
幹細胞はそこに存在しするということだったのでした。
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【追記】2015.7.15
長年の謎。骨髄で作られた血液(細胞)は、どうやって血管に運ばれるのか。
骨から血管が出ている? そんな図を見たことがありませんでした。
○骨は血管がつながっているのでしょうか??より
→http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1134514076
骨の中の骨髄で血液ができると言われますが、その骨髄でできた血液はどうやって血管の中に入っていくのでしょうか?
骨に血管がつながっているのも変な気がしますが・・・・。
生きた骨には血管が中に入り込み、出て行く。
骨髄では血液細胞をどんどん作っているので酸素や栄養分が沢山必要
酸素や栄養分を送るため、案外沢山の血管が入り込んでいるのです。
この骨髄内の血管は入るときより中で少し太くなり流れが緩やかになり、
洞様血管(類洞)と呼ばれる。
造血組織は骨の中に入った洞様血管の外側を取り巻くように分布。
骨髄の中の造血組織で成熟し完成した血液細胞(白血球・赤血球・血小板)は
洞様血管を作っている細胞の間をくぐりぬけなければなりません。
成熟した血液細胞は特殊な物質を出して、血管壁を作っている細胞と相互作用して
血管壁をくぐり抜けることが出来るようです。
こうして成熟した血液細胞は血管に入り、骨から出て、さらに全身に回ります。
未熟な血液細胞は洞様血管壁をくぐりぬけることが出来ず、
成熟するまで骨髄内に留まることになります。
なお、血液細胞は未熟な細胞が大きく、成熟すると小さくなります。
血液細胞は赤ちゃんが大人より大きいのです。
血管壁のくぐりぬけは大きさの問題ではないのだけど、
未熟な細胞は大きいのでさらにくぐりぬけは難しいですね。
だから、骨の中に血管が流れ込んでいるのだけど、血液中に未熟な細胞は見られないのです
ちなみに、白血病や癌の骨転移ではこの骨髄内の血管組織の秩序も破れ、
未熟な血液細胞が血液内にあふれてきます。
これを骨髄のバリアーが破れるなどと表現します。
●骨の解剖図 →骨から出ている血管 これによってやっと納得(笑)
■造血機能における幹細胞と、間葉系幹細胞の由来は別ということらしい
●造血幹細胞
造血幹細胞とは、白血球(リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球、血小板血球系細胞など、血球系の全ての細胞に分化可能な幹細胞です。ヒト成体では、骨髄に主に存在しており、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液系のがんの治療において、造血幹細胞移植という方法で臨床応用されています。(Stem cell, 2007, p.2391より抜粋)
●間葉系幹細胞
間葉系幹細胞とは、
間葉系の細胞(骨細胞・軟骨細胞・脂肪細胞など)、
内胚葉性の細胞(筋細胞、胃の上皮細胞など)、
外胚葉性の細胞(上皮細胞・神経細胞など)への分化能を有する体性幹細胞です。(nature review immunology, 2008, p.727 より抜粋 )
血液の幹細胞が、骨髄から血液へ流れ、組織に運ばれその組織で、
それぞれの幹細胞に分化すると理解していました。
しかし、未成熟な状態の幹細胞が、血液中に移動することがあるのか・・・
健康状態では、未成熟細胞は外に出ないとされていたのが、
実は、外に放出されいた・・・・というのが、新知見なのだと理解していました。
ところが、血液幹細胞と、組織の幹細胞の由来は、違うようです。
では、体性幹細胞はどこで作られているのでしょうか?
ざっと見たのですが、記載がみあたりません。
【参考】
免疫細胞とは何? それは何処で作られる?
↑血液由来の幹細胞の分化のわかりやすい図
体性幹細胞の大元はどこに?
大元細胞は血液のように共通していて、分化していると思われますが、
どこで作られて、どう運ばれているのでしょうか?
それぞれの組織で発生し、形成されているということ?
ここのところが明確にならないと、幹細胞コスメにはたどりつけない・・・(笑)
それにしても、コスメの世界は、発生学的なところからのアプローチが始まっている。
30年前の医学は、発生学的な見地からの解剖は未分化状態だったので、
そんな話、聞いたこともない・・・が最初の違和感でした。
未だに植物幹細胞については、懐疑的・・・・
ただ、伝承医学的なアルガンツリーによる幹細胞などは、
理屈とは別のところで効果はありそう。
○ヒト幹細胞コスメって大丈夫?副作用や危険性はないのでしょうか?より
幹細胞そのものが配合されているわけではありません
実は、『ヒト幹細胞コスメ』といっても、
幹細胞そのものが配合されているわけではないものが
ほとんどなのです。
配合されているのは
幹細胞を培養する際に分泌される成分、「幹細胞培養液」です。
新技術や新成分が注目されるとき、それがコスメの中に含まれているかのような、
誤解が生じている気がします。
それは、意図的に誘導されているのか、こちらが勝手にそう思ってしまっているのか・・・
また「植物性○○」というとオーガニック系に見られるように安全性が高そう
という印象を植えつけられている気がします。
植物幹細胞というと安全・・・のような。
一方、植物幹細胞がなぜ動物幹細胞にも良い影響があるのかは
まだはっきりわかっていないところもあります。
→ ほ~らね・・・・(笑)
しかし、実際にリンゴ幹細胞やアルガン幹細胞には
皮膚幹細胞の環境を良くして、育てる作用があって
シワは改善されています。
→真のエビデンスという意味ではないと思われますが、
コスメ一般的な作用として認められているということなのだろうと思われます。
幹細胞コスメの概念は、最先端の再生医療の知見も含んでいるものだった
というのは、驚きです。
そこまで、新技術を導入し進化しようとしているということなのでしょうが、
ついていけない世界に突入している感が・・・・(笑)
そこまでしなくても、ほどほどでいいかな・・・
私は現状維持ができればいいと思ってしまいました。
以下、転記
自分メモ:幹細胞はどこからやってくる?
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また、真皮幹細胞には、細胞の増殖や分化を調節する物質、成長因子が必要です。
この成長因子は、血管のすぐ外側を覆うように分布しています。
そのため、血管まわりに幹細胞が安定して存在できるということです。
ところが、加齢によって、血液の周りに分布していた成長因子が減少。
そこで、成長因子(PDGF‐BB)が、発現する成分、イノシトール(ビタミンB群)を発見。
真皮を再生したり修復したりを高めるようスキンケア技術へ研究。
これまでコラーゲンは、外からコラーゲンを小さくしたものを加えていましたが、
資生堂では、コラーゲンを作る大元の細胞=真皮幹細胞が安定するための
成長因子が増えさせる「イノシトール」によって刺激して、
作らせるという研究に変わっていたのでした。
さらに詳しくは・・・
【資料】
○真皮幹細胞の加齢での減少に関わる成長因子を解明
→https://www.shiseidogroup.jp/rd/uptodate/sc2012_01.html
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真皮に存在する幹細胞(皮膚の再生・修復と密接に関係)の研究にて
1.真皮幹細胞は血管周囲を居場所とすること、
2.真皮幹細胞は加齢で減少することを解明し、
3. 真皮幹細胞を血管周囲に安定的に存在させる成長因子として
PDGF-BB(血小板由来成長因子)が重要であることを明らかにした。
PDGF‐BBの発現を高める成分として、
イノシトール(ビタミンB群の一種)の開発に成功。
幹細胞とは、多様な細胞を生み出す能力のある細胞のことであり、
幹細胞から新しく生まれた細胞は、
幹細胞として留まるか、固有の機能を持つ細胞へと変化。
皮膚にも幹細胞は存在、表皮や毛包、色素細胞について解明が進んでいる。
【資料】幹細胞の分化
http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2010/20101015_02.html
しかし、真皮に関しては、ごく限られた研究しか行なわれていなかった。
そこで、真皮の幹細胞として間葉系幹細胞に着目、皮膚の分布と特性を解明。
真皮幹細胞は線維芽細胞を生み出す能力の高い細胞。
血管周囲に存在。
真皮幹細胞が血管周囲に安定して存在するには、成長因子PDGF-BBが重要。
さらに、真皮幹細胞の数が加齢で減少。
一致してPDGF-BBを作り出す遺伝子の発現量が減少。
つまり皮膚において真皮幹細胞を安定的に保つ力が弱くなるため真皮幹細胞が減少、
加齢で皮膚の再生・修復力が低下することの一因。
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ということは、コスメの中にコラーゲンを入れているわけではないので、
コラーゲンによるハリということではありません。
しかし、CMなどの訴求からは、化粧品の中にコラーゲンが入っていて、
そのコラーゲンが効いているというイメージがつきまといます。
■資生堂の情報提供
資生堂では、研究の成果や、周辺情報がいろいろ提供されています。
トップページの情報はイメージ的なものを示し、
さらに詳しく知りたい人には、階層を落とすという工夫や、
別サイトにして提示するというのは、巧な手法だと思います。
今回、見ていておもしろかったもの。
世界は数式でできている
https://www.shiseidogroup.jp/technology/detail/23.html
「博士の愛した数式」を感じさせます。
皮膚科学と数理モデルで、コンピューターシミュレーションを融合させた
最新の研究を行なっているそうです。
先端の研究と医学とコスメ・・・・・
楽しさありおもしろさもあり、そして疑問も感じさせる提示方法なのでした。