☆☆☆☆★★★(4点)
老舗メゾン、ゲランは、代々の調香師が必ず自分なりのアレンジをほどこした「オー・デ・コロン」を作り続けている。これはまさに、ゲランの調香師としてのあいさつ代わりであり、名刺代わりとも言える「課題曲」のようなものだろう。

初代ピエール・パスカル・フランソワ・・・オーインペリアル
2代目エメ・・・オーデュコック
3代目ジャック・・・オーデフルールセドラ
4代目ジャン・ポール・・・オーデゲラン
5代目ティエリー・ワッサー・・・コローニュデュパフュマー。
「2代目調香師エメ・ゲランの最大の仕事は、ジャック・ゲランの才能を見出したこと」と言われるが、このシンプルな香りを作ったジャック・ゲランこそ、かの有名な「ミツコ」「シャリマー」「夜間飛行」を生み出した、まさにゲランの名を一気に有名にした人物。
そんな伝説の調香師の作品だからこそ、このシンプルなシトラスの構成は、あまりに大胆に思える。ゲランの香水作りには、ゲルリナーデというベースが存在し、その配合量を変えながらさらに素材を重ねていくという伝統的なレシピがあるが、その伝統をここでは見事に打ち破っている。しかも、シプレの名香である「ミツコ」を発表した翌年に出したのが、このセドラだというから、感慨深い。
なぜ95年の時をへて、このシンプルな香水が一躍クローズアップされたのだろう?
「香水プンプンさせてる人って嫌い!人の迷惑考えてよ!」
「香水つけると、きつくて頭が痛くなる。近くにつけてる人がいるのもいや!」
そういう人は多い。そして、俺もかつてそんな思いを何度か感じたことがある。煙草の煙が町からかなり消えつつある今、「匂い」や「香り」に敏感な人が増えてきている。そして、「柔軟剤以上、香水未満」といった、商品の宣伝文句からもわかるように、よい香りを求める人が激増しているのは純然たる事実だ。

今年の夏は、ロクシタンの新製品にも、セドラがフィーチャーされている。どうやら2015年夏の香りは、セドラの突き抜けるジューシーな爽やかさが「くーるー!」ようだ。 ←「来る」と「cool」をかけたわりには、スカしたな( `ー´)ノ
香水ドラマストーリー 「オー・デ・フルール・セドラ」
RyanRyanさん
通りすがりのパンクス
doggyhonzawaさん