
ほとんどの方が何らかの形で健康食品を利用した経験があるのではないでしょうか。
皆さんに知っていただきたい内容なので、今回は記事にしました。
2015 年12 月に、厚生労働省の食品安全委員会のワーキンググループが健康食品に関しての検討結果を取りまとめました。
取りまとめ内容が我々消費者向けに
いわゆる「健康食品」に関するメッセージ
として公表されています。
厚生労働省HP
※ここでは「健康食品」の定義を
「健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られたりしている食品」をいい、体重を減らす目的の「健康食品」や法令で規定されている保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)等まで幅広く対象にしています。
メッセージは19の項目からなっています。
1.「食品」でも安全とは限りません。
2.「食品」だからたくさん摂っても大丈夫と考えてはいけません。
3.同じ食品や食品成分を長く続けて摂った場合の安全性は正確にはわかっていません。
4. 「健康食品」として販売されているからといって安全ということではありません。
5.「天然」「自然」「ナチュラル」などのうたい文句は「安全」を連想させますが、科学的には「安全」を意味するものではありません。
6.「健康食品」として販売されている「無承認無許可医薬品」に注意してください。
7.通常の食品と異なる形態の「健康食品」に注意してください。
8.ビタミンやミネラルのサプリメントによる過剰摂取のリスクに注意してください。
9.「健康食品」は、医薬品並みの品質管理がなされているものではありません。
10.「健康食品」は、多くの場合が「健康な成人」を対象にしています。高齢者、子ども、妊婦、病気の人が「健康食品」を摂ることには注意が必要です。
11.病気の人が摂るとかえって病状を悪化させる「健康食品」があります。
12.治療のため医薬品を服用している場合は「健康食品」を併せて摂ることについて医師・薬剤師のアドバイスを受けてください。
13.「健康食品」は薬の代わりにはならないので医薬品の服用を止めてはいけません。
14. ダイエットや筋力増強効果を期待させる食品には、特に注意してください。
15.「健康寿命の延伸(元気で長生き)」の効果を実証されている食品はありません。
16. 知っていると思っている健康情報は、本当に(科学的に)正しいものですか。情報が確かなものであるかを見極めて、摂るかどうか判断してください。
17.「健康食品」を摂るかどうかの選択は「わからない中での選択」です。
18.摂る際には、何を、いつ、どのくらい摂ったかと、効果や体調の変化を記録してください。
19.「健康食品」を摂っていて体調が悪くなったときには、まずは摂るのを中止し、因果関係を考えてください。
よく誤解されていますが、「健康食品」という分類の食品はありません。
医薬品でもありません。
あくまで「食品」として製造されているものなので、医薬品のように細かい基準はないのです。
ビタミン剤のようなものであっても、本当に吸収されているか、どれだけの効能があるのか、医薬品のように臨床検査をする必要もありません。
実際、体内に吸収されない形状であったり、飲んでも無意味なものもあるようです。
例えばビタミン剤には医薬品(皮膚科でもらうシナールやDSで売ってるチョコラBBなど)のものと、食品のもの(マルチビタミンとか)があります。
医薬品のビタミンは、法で定められた成分含有量などの基準をクリアしたもので、効能効果をうたうことができますが、食品として取り扱えるビタミンは、食品衛生法で食品添加物として認められているものに限られています。効能効果・1日の服用量等はうたうことができません。
大塚製薬のHPにわかりやすく書かれています。
サプリメントには1日の目安容量が書かれていますが、食生活や他の併用品などと照らし合わせ、量を調節することが大事です。
マルチビタミンとハイチオールC、チョコラBBを飲んでも無駄に多く一部のビタミンを摂ってしまっているだけ。
水溶性ビタミンであるビタミンC、Bは余剰分が尿などから排泄されるため、過剰症にはなりにくいとされていますが(逆に言うと一定量以上摂取しても無駄ってこと)、
脂溶性ビタミンは体に吸収されやすく、過剰に摂取した場合は肝臓や体内の脂肪組織などに貯蔵され、蓄積します。脂溶性ビタミンは尿などから排出されないため、副作用が出やすいとされます。
ビタミンEの摂りすぎで骨粗しょう症になったり、ビタミンA過剰で皮膚の色素沈着を起こすこともあります。
食品安全委員会はこのように言いきっています。
「日本人は通常の食事をしていて欠乏症を起こすビタミンやミネラルはありません。」
といっても人により食生活は様々なので、しっかり自分の食生活を分析し、専門家の意見を聞いてサプリメントを取り入れることが重要であるということですね。
ビタミンやミネラルはまだ科学的にわかりやすい健康食品ですが、ダイエット効果、美肌効果など、抽象的な効果があるような健康食品には惑わされやすいと思います。
食品安全委員会はこのように書いています。
ダイエット用食品は、人での安全性が実証されているものはほとんどありません。
「運動や食事制限なしに痩せられる」といった類のうたい文句には注意が必要で、多くは効果もないと思われます。食べて痩せる食品は栄養状態を低下させる有害物といえます。
なかには医薬品成分やそれに類似した成分、規制対象となる成分が含まれているものもあり、重篤な肝障害に至った例や死亡した例もあります。
普通に考えたらそんな簡単に痩せられる訳はないのですが、言葉巧みな広告につられてしまう人は多いと思います。
以前酵素ドリンクについて記事を書きましたが、「なんとなく良い気がする」という健康食品が多く販売されているのが現状だと思います。
酵素ドリンクってどうなの?
その「なんとなく」にお金を使うかどうかはその人の自由だとは思いますが、健康被害を起こすような食品を摂らないことには気を配りたいですね。
白いんげん豆のダイエットなども健康被害が相次ぎましたし。
メッセージの真意はHPの最後の言葉に凝縮されているように思います。
誰かにとって良い「健康食品」があなたにとっても良いとは限りません。
これが全てですね。
何事も自分に合うかどうか、効果があるものかどうか、摂りすぎていないか、「しっかり考えて買う賢い消費者」になりたいものです。
次回は機能性食品とトクホの違いについて書こうかな~
sora1981さん
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