
なりたい自分と似合うメイク※長文注意
2020/2/25 03:10
幼い頃からピンクがしっくりこない顔つき…これは私の不幸の始まりでした。
ピンクが好きで似合っていないと「オンナノコ」じゃないと子供じみた嫌がらせも多々受け、ますますピンクからは遠ざかる日々。それでも心はピンクを渇望していたのです。
メイク道具を初めて揃えた時に購入したアイシャドウは勿論ずっと夢に見ていた桜のような淡い色とアメリカンチェリーの様な色、そしてその中間色の三色セット。メーカーも思い出せないその商品はマットタイプだったと思います。口紅も可愛いピンク色、髪も茶に染め綺麗に巻き、オトナカワイイを手に入れる……ですがそのような幻想は早々に打ち砕かれました。
私に色彩センスが無かったのも原因でありますが、絶望する程に私の欲する「カワイイピンク」と私の相性が悪かったのです。
浮腫があるわけでもないのに腫れぼったくしか見えない目蓋、BAさんに選んでもらった筈なのにまともに発色しない口紅……技術力を補う為に書籍も購入し、幾度となく練習を重ねても「カワイイピンクの似合うオンナノコ」にはなれなかったのです。
辛うじて二重で鼻筋は通っていたものの、目と眉が近い男顔な上に横髪で隠しても尚隠しきれないベース形を通り越した四角い輪郭。これで「カワイイピンクの似合うオンナノコ」を目指しても勘違いのブスにしか成れなかったのは必然でした。性格に可愛げがあれば救いはあったのかも知れませんでしたが、そのような殊勝な心持ちは無く、唯々沈んで行くばかり。
被害妄想に怯える日々を送り続けるか、長年の想いを切り捨てて自分に似合うメイクを取るか……迷走に迷走を重ねた先に辿り着いた袋小路、そこにはギャルを通り越して化物を失敗させたメイク、理想とは正反対に位置するナニカが在りました。勿論似合ってもいない唯の濃い化粧のナニカです。私はもう何も判らなくなっていたのです。
化粧と言う煩悩から逃れる為にBBクリームと眉だけで体裁を整える日々がどれだけ続いていた事でしょう……ですがある日突然小悟をし、そのままの自分を愛せるようになりました。
理想ばかり追い求めても好きな自分に成れないのなら、似合うメイクをして颯爽と街を歩きたいと。
そこからの自分の行動は光陰矢の如し。ウジウジと整えていた重めのウザバングと似合わない巻き髪をやめ、前下がりのワンレンストレートに。眉は少し上げ気味のクールな太眉。アイラインはブラック以外で遊びを効かせ、やはりクールにやや跳ね上げる。ノーズシャドウもガッツリめに入れ、口紅も深みのあるレッド系を多用し私の中のカワイイを捨て去ったのです。
ケバいだけではないクールな自分、とても新鮮でしっくりとき、ぎこちない笑顔も少なくなりました。
女性が一番輝ける筈の年代を、愚かな思い込みと被害妄想で無駄にしてきました。今あの時に戻れるのなら、最高のコンディションで最高のメイクをして、最高の日々を過ごしたい……その妄執に囚われる事も未だに多々在ります。ですが時間は逆さには戻らないのです。
人生は苦悩の連続ですが、どうにもうまく行かない時は思い切った舵取りが功を奏する事もあります。勿論、どう足掻いても上手く行かない時の方が多いでしょうが、どうせ今も上手く行っていないのです。死ぬ位なら悩むより行動してみては如何でしょうか。
悩めば悩む程視野は狭くなるものです。私は一度頭を真っ新な状態にしてリラックスをし、最初に思い浮かんだ行動が意外と良い結果を生む事が多い気がします。その頭をリセットするのが一番難しいのですけれどね……
死なない程度に自由に生きる、その方が自分らしく生きて行けます。
自分を殺して生きていても、それは死んでいるも同義です。
今できる最高のファッションを、悩みながら、切り捨てながら、一瞬一瞬を楽しんでいきましょう。
……と、大層な事をつらつらと書き連ねてきましたが、また最近前髪を作り、ピンクのメイクをしたくなるようマーラが耳元で囁いてきているのです。昔よりは技術力がある、そう信じてもう一度「カワイイピンクの似合う」オバサンになってみようと思います。
失敗しても次がある、そんな気持ちで生きていきたいと思います。
メイクアップ カテゴリの最新ブログ
トワル ドゥ ジュイを纏った〈ディオリビエラ〉
美容で癒されたい人。わきんぼうやさん【本日予約開始】蝶をモチーフにしたコレクションが登場!アイテム解説や全色スウォッチを公開
NARSのブログNARS
コメント(0件)
※ログインすると、コメント投稿や編集ができます