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でんしゃの、永久欠番(一部閲覧注意)

でんしゃの、永久欠番(一部閲覧注意)

20年前ぐらいの番組……まだクイズ形式のとき「ダウンタウンDX」だったか、まだタシーロ(笑)が健在なとき、だからだいぶ古い話やけど、日本人のいちばん好きな数字は何、て問題があって、「3」を挙げた人がいちばん多かったていうのを思い出した。
なんで「3」なのか、そのなかには「長嶋茂雄の背番号」て理由を挙げる人も一定数いてたんや。

まあ、セゲオ(何)以外にもワンちゃん(何)、巨人やと1と3てのはいわゆる「永久欠番」、要するに今後誰にも与えられることのない背番号になってる。

スポーツやと、この背番号といえばこの選手、てのが容易にイメージできるというか、野球やとやっぱり1といえば王、3は長嶋……サッカーやとブラジル代表やイタリア代表の10番は桁外れのテクニックの持ち主とかいうふうに。ジーコ、ロナウジーニョ、ロベルト・バッジョ、デル・ピエロ、トッティ……。イタリアの10番オトコマエばっかりやな笑

最近のブラジルの10番はことあるごとに痛がってるけど(何)


さて、前回はスポーツ選手やクルマになぞらえて、電車の「背番号」についての話をしたけど、今回も同じく背番号、そのなかでも電車の「永久欠番」についての話をするやで。

今年春のダイヤ改正において、中央本線の特急あずさとかいじの号数が通し番号になってしまったせいで、「あずさ2号」が消滅したというのは、時刻表を見せた回で話したと思う。
時刻表を見るかぎり、どうやらかいじの終着駅である甲府駅の発着時刻順に番号を振るようになったみたいや。
これはこの先二度と復活することはないというものではなくて、号数の数えかたが変わったらあずさ2号が復活する可能性もあるわけで、永久に欠番てわけじゃない。
あるいは数えかたが変わらなくても、かいじ2号がなくなったらあずさ4号が2号にスライドする、てこともありうるかもしれへん。


ここからが本題や。
いま、もう使われなくなった、電車の永久欠番。前回にも出した「列車番号」でいうと……。


5418M。
福知山線宝塚発JR東西線、片町線直通同志社前行き快速電車。

……と言われれば、勘のいい人は気づくかもしれへん。最近でもニュースになってた、あれのことを。

「JR福知山線脱線事故」

2005年4月25日。
尼崎駅に向けて走っていた電車が、制限速度70km/hのカーブに対して116km/hという猛スピードで進入して脱線した事故。
あのときの速報で流れたニュースの映像は衝撃的やった。

(次の写真は閲覧注意、ショックを受けかねないことを先にことわっとくで)

















空撮写真。これを見て一部では
「1両足りない」
と騒然となったそうや。
マンションの壁に沿うようにくの字に折れ曲がってるのが、2両目。折り重なるように連結をぶった切られた3両目と4両目、そして5両目、6、7両目と続く。

……1両目は……?

事故を起こした車両は7両編成。空撮の映像からは6両しか確認されへんかった。だから「1両足りない」。

……1両目はいったい……


1両目は2両目のさらに奥、マンションの中に突入してしまったんや。突入した先は……

1階部分はいわゆるピロティ部分、車の駐車場のスペースになってて、そこに先頭車両が突っ込んだんや。
そりゃあのニュース見て1両足りへんてなるわ……。

止めてあった車も損傷を受け、そのために電車の車体を切断する際に発生する火花がガソリンに引火するという懸念もあったため、救出も難航……。結果として、乗客106名と運転士の計107名が死亡、重軽傷者562名を出すという日本の鉄道史上最悪レベルの事故になった。


事故後、この5418Mという列車番号は永久欠番になった。やはり事故があった、というのがいちばんの理由や。
あの御巣鷹山に墜落した日航機墜落事故もそう。乗客乗員524名のうち、生存者はわずか4名。単独機による事故ではいまでも史上最悪の航空事故。日本航空では事故当該便の123便は永久欠番になってる。
これは日本だけではなくて、海外でもユナイテッド航空でそういった例がある……そう、あの「9.11」に絡む便や。


とまあ……。
同じ永久欠番でも、スポーツではその実績、功績を称えられた栄誉あるもの、一方で鉄道や航空の世界では、事故などか原因で抹消された「不名誉な数字」であることを意味する……鉄道航空各社が「消し去りたい過去」としてるわけじゃなく、遺族感情に配慮した結果なわけやけどね。
尼崎の脱線事故の当該車両となった207系も、形式廃止にはならなかったけど、カラーリングの変更がなされた。同じ理由でね。


脱線事故の当該事故現場となったマンションはいま、「祈りの杜」ていう慰霊施設として整備されてる。ここは去年行ったけど、事故の記録、事故調による膨大な調査報告のまとめがモニターで閲覧できたり、事故を知る上で重要な資料が収められてる。
事故現場を心霊スポット扱いして面白半分でいくような不届きな輩もおるけど、ここは……

そういう気持ちがなくても、生半可な気持ちでは足を踏み入れてはならない、事故のことを知りたいと思うならば、ホンマにショックを受けかねないから、相応以上の覚悟が必要、そんな場所や。


JR西日本の公式HPや。あの事故のことについての文言に、その責任と、未来への決意を感じる。
事故なんか完全にゼロにするのは不可能やけど、ゼロに近づける努力は必要や。
でも努力するのは鉄道会社だけじゃない。利用者である我々も、駆け込み乗車をしないとか、踏切の無謀横断をしたりしないとか、安全運行に協力していかんとあかん。
あの事故、余裕時分のないダイヤ設定と前の停車駅で発生させたオーバーランとそれに伴う遅延、そしてそのことに対して乗客の一人が
「詫びもないんかい」
と車掌に凄んだことが引き金のひとつとされてるんや。
安全運行のためには、ルールやマナーを守る、これは運行する側、利用する側双方に求められるということを決して忘れたらあかんのやで。


じゃワイも、そろそろ車庫に入るで。
きょうも無事故でよかったわ。
あしたも無事故で……当たり前のことなんやけど、それを継続していくのはすごく難しいことなんやで……


↓参考動画








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